7年前、ちょうどこの時期に土手で作業している土木工事の方にヤマセミの姿を視なかったか?と訊いた事があった。ヤマセミなどという鳥は知らないだろうと思ったら、「あー、あん白くてせからしか鳥だろう?昨日もっと上流に居ったバイ!」と教わった事があった。
それほど繁殖期には鳴き声の印象が強いのだろう。最初の内は幼鳥は一塊になって親の給餌を順番に待つのだが、日に日に行動範囲を伸ばしていき、1週間もすると川幅150mの球磨川を渡り、対岸の人間の居住地区の方へ遠征してくるようになる。
実はヤマセミに接近できるのが唯一この時期なのだ。普段はどんなに近づいても60mの距離で逃げてしまうヤマセミ(人吉市に限る=普通は120m程でも逃げる)だが、我が子を危険から守るため、あるいはスパルタ教育の為夢中で、其処に人間が居ようが居まいが、飛び回る。
これに暫く慣れると、親鳥が今何をしようとしているのか予測してヤマセミの生態を撮影出来る事がある。
今日のヤマセミは、そういった巣立ち後二週間ほどの幼鳥の生態。
対岸へ幼鳥を連れて来た母親(左端)
あらっ?三番目がまだ来ない、どこ行った?…と言ったか否か。
遅れてやってきた三番めの幼鳥。
もう怒る母親はタイヘン!
自然界の生き物は例外なく石原慎太郎も真っ青なスパルタ教育なのだ。
ビビる幼鳥を前に「あらっ?さっきの二羽は?」
幼鳥はじっとしていない。とっくに人間が通る土手の手すりに・・・。
何かを叫んで大騒ぎの幼鳥。
こうして幼鳥教育は佳境に入るのだが・・・。