2017年7月31日月曜日

ゴイサギってこんなに可愛かったっけ? Was the night heron so cute?

 今回人吉市では今まで観察をしたことがない支流・合流地点でヤマセミを観察できた。しかし早朝小雨と霧で撮影自体は十分満足の行く内容ではなかった。
 その後、更に別の支流でゴイサギの採餌シーンに出くわし、運よく非常に小さいながら獲物にありついた瞬間を撮影できた。

 このゴイサギ、基本的にはどの文献を見ても夜行性なのだが、熊本県内においては昼行性である証拠画像が多い。熊本市内の江津湖においても釣り人の横でつり上がってくる川魚を釣り人からもらう姿を幾度も撮影した。

 球磨川流域においても、ササゴイほどではないが、ペアで朝方本流の上を飛ぶ姿を撮影している。
 
 今朝撮影した支流の堰では以前も同じ場所で、堰を登る川魚を足の爪でひかっけて採餌した。案外器用な野鳥らしい。

一見、赤い目をしたペンギンのように可愛い野鳥だ。

これだけの水しぶきの中から

あっという間に小さい魚をくちばしの先端でゲット!

自分が落ち込まない様に踏ん張り、

同時にくちばしの先端でかろうじて咥えた小魚。

やっと安定して飲み込む準備へ・・・。

2017年7月30日日曜日

県境のブッポウソウは南帰行直前か? Dollarbirds is still flying on a border area of Kumamoto Pref.

 球磨エリアに入り、人吉インターから宮崎県との県境エリアに得ない程の暑さの中直行。ブッポウソウはまだ居るだろうかと車を走らせた。焼けつくような暑さの中、午後3時半頃には現場到着。車の窓を開けた途端ゲッゲッ、ブツブツというブッポウソウの鳴き声が聴こえてきた。

 人吉在住の野鳥撮影の先輩・名医辻先生も午前中来られた様だが、残念ながら出遭えなかったとの事。ブッポウソウ南帰行の直前は群れて色々な動きをするので繁殖行動中より出遭うチャンスは少ない様だ。産卵からヒナの巣立ちまで48~9日である事を考えると、前回5月23日にまだ求愛給餌~交尾中だったことを考えれば、6月1日産卵として7月19~20日頃には幼鳥が巣立ったと思って良いだろう。しかしまさか巣立って数日で南帰行は出来ないだろうから、3週間ほど飛翔訓練や体力増強に励むとすれば、やはりどんなに早くとも8月8日前後が南へ戻る時期ではないかと察する。

 とりあえずは、まだ居てくれたので本日の目的は完璧に達成!いくつかの画像をご紹介しよう。トンネルを抜けて宮崎県側に入るとまた別の繁殖地があるのだが、今年はどうだろう?
こちらは幼鳥のような気がする。少し小さく見えるのと直感的なものだ。

ずんぐりむっくりしたボディは成鳥=親の証拠?

良く鳴きながら飛ぶのは幼鳥と親のコミュニケーションだと思われる。

声で居場所を確認しながら飛び回っていた。

傾いだ大木の枝に羽休めか2羽留まっていた。

遠雷が聴こえてきたからかどうか判らないが、やにわに4羽が飛び去って山の上の方へ登って行った。

ブッポウソウの交尾特集! The copulation special edition of a Dollarbirds !

 ブッポウソウの求愛給餌がヤマセミのそれより頻度が高いというレポートに、いくつかのメールをいただきました。そこまで観察をする機会がないので、是非来年は観察してみたいとの事でした。わざわざのお問合せに感謝いたします。

 今日は、その求愛給餌に引き続く交尾そのものをご紹介。5月に撮影した当日、架線上での交尾の模様をこのブログでご紹介したが、今日のは別の日の交尾。樹木に一部隠れてしまい、見難いがご容赦願いたい。

 この樹木の際も、数度交尾の直前に求愛給餌があった。交尾の直前には、オスが全身をシーソーのように上下させ、お辞儀をするようなそぶりを見せる。観察をしていてこの動きが観られたら数秒後に交尾すると見て良い。
交尾前の求愛給餌は頻繁に行う。

オスが何度も何度も行き来して昆虫を運んでくる。

メスは殆ど場所を動かない。

これは別の場所での交尾の直前のお互いのダンス運動。

まず最初に片方が伸びあがり、

次に相方の方が伸びあがる。見ていて面白い生態だと感じた。

そうしてその直後、

 
オスがメスの上に乗るが、まだ乗っかって安定させているだけ。

オスが羽ばたきながら安定すると尾羽を下げ、尾羽をクロスさせまさに交尾の状態へ。

オス、メス共に瞬膜が閉じ白目に見えた瞬間交尾がなされてと思ってい良い。


2017年7月29日土曜日

ブッポウソウの求愛給餌特集! This is Dollarbird's feeding scene for pairing special!

 そろそろ繁殖期最終章の段階に入ったブッポウソウだとは思うが、既に南帰行が終わってしまったかもしれない。6年前、初めてブッポウソウを観察した際は8月初頭が南帰行の日だった。

 今年も二度ほど観察に行き、幸運にも3度の交尾シーンに遭遇できた。昨年はアカショウビンの声を真下に聴きながらブッポウソウの観察が出来た。今年はアカショウビンは来なかったが、ブッポウソウカップルが頑張ってくれた。

 今日はその交尾シーンに入る直前、同日の求愛給餌シーンの色々。生態のパターンが見えてくるとその頻度の多さに驚かされる。ヤマセミよりもはるかに求愛給餌の回数が多い理由はもうお判りだろう?その餌の大きさの違いによるものだ。餌が川魚と昆虫ではその頻度の差は明らかだろう。

 撮影は今年5月25日前後、いつもの年よりやや遅めの繁殖入りだった。採餌してきた昆虫を見るとオニヤンマ、その他のトンボ、セミ、甲虫、クマバチ、マルハナバチなどが視られる。
 
基本的にはオスが採餌してきてメスに与える。

この時はメスが同じ場所に留まったまま3回も求愛給餌が行われた。

ワイヤーへのランディング位置と背景の関係を見て頂ければそれがお判りと思う。



見事に捉えたオニヤンマあるいはサナエトンボ、コオニヤンマと思われる獲物。いずれも熊本県と宮崎県の境には多い昆虫だ。

こちらはセミの様だ。

何度も何度も同じ場所で求愛給餌を行ってくれた。いずれも車の中からの撮影。

2017年7月28日金曜日

霧ヶ峰・八島が湿原でホオアカ三昧。Chestnut-eared bunting is flying at Kirigamine highland.

 オスしか見当たらないノビタキに続いて、ホオアカの登場。Chestnut-eared buntingとの英名の付いたホオアカは夏季において東日本~北海道の高地~平地で繁殖し。冬季は本州西部・四国・九州で越冬するようだ。しかし5月に球磨川流域・球磨郡錦町のツクシイバラ原生地で盛んに囀っているのを撮影した事が有るので、色々パターンがあるようだ。
 
 撮影した霧ヶ峰の一角、八島が湿原にはホオジロもいるのだが、影が薄い程夏季におけるホオアカの存在は大きい。夏の野鳥としてはノビタキと双璧を成す存在だろう。

 オスは夏羽になると頭のてっぺんが灰色のストライプになると聞いていたのだが、まさにその画像が撮れたのでうれしかった。
 
まさに頭の後ろが灰色ストライプに成っている。


繁殖中なのだろうか、虫を咥えていた。

仲間か、親子か、ニヤミスのホオアカ二羽。

盛んに飛び回るヒョウモンチョウを見上げるホオアカ。

こちらも、ヒョウモンチョウを見やるホオアカだが捕らえようとするそぶりも見せなかった。見かけは大きい蝶だが、捕らえても美味しくないので採餌対象ではないのかもしれない。


2017年7月27日木曜日

真夏のノビタキと八島ヶ原湿原。Stonechat at midsummer in Yashimagahara-Wetlands.

 この三日間信州霧ヶ峰界隈の動植物をブログアップしてきたが、いよいよ本命、野鳥の登場だ。
 今回撮影できたのは、ほんの2時間撮影だけだったので、種類は少ないが全身ほぼ真っ白に近いモズ(ボディは普通のモズと思われる)を撮影出来たりしている。
 ホオアカ、アオジ、ノビタキ、モズがメインの被写体だった。

  特にノビタキは高山植物のヤナギランとのコラボ、ホオアカはヒョウモンチョウが目の前を飛んでくれて、蝶と野鳥のコラボレーションなどを収録できた。

 すぐ北数十キロの距離で梅雨前線による大雨が降っていたため、湿気が霧ヶ峰まで押し寄せていたのだろう、霧や雲がひっきりなしに押し寄せてくる中での撮影だったため、画像は色もピントも今一つだが、真夏の高原の野鳥をお楽しみいただきたい。

木道より外側のヤナギランの傍で様子見のノビタキ。

同じ場所に戻って来た、たぶん同じ個体。

木道を挟んでヤナギランと湿原の間を往復していたノビタキ。

草原の真ん中の枯枝で様子見をするノビタキ♂

草むらから出入りの際に必ず留まる枯枝・・・。

この枯枝の真下、湿原の平らな部分に営巣しているようだ。

 この個体は口にどうやら雛の糞をを咥えているので、子育て中の様な気がする。
 この通り撮影できたのが全てオスで、メスが一羽も撮れなかったという事は、ほとんどが営巣中、子育て中である事を示していると思う。2週間後には相当にぎやかになるのではないだろうか?

2017年7月26日水曜日

団塊世代がお勧めの霧ヶ峰は今が旬! Baby-boomer recommend now is the vest season of Kirigamine area!

 戻り梅雨なのか、迷走台風5号の影響なのか、信州から戻ってきたら関東地方朝から雨模様。昨日は午後戻った途端に雷雨。どうも、今年も天候は怪しい限りだ。

 昨日、一昨日と北信の沼の原湿原から大雨で予定を変更した霧ヶ峰・(八島ヶ原湿原)通称八島湿原の高山植物や蝶の類をアップしたら連日300を超えるアクセスを頂いた。ヤマセミに飽きたのか、団塊世代の愚痴こぼしに飽きたのか?妙に高原の画像が新鮮に映ったのか、定かではないが筆者は大変有り難い事だと小躍りして歓んでいる。


 調子に乗って、では霧ヶ峰、八島湿原とは一体どういう所なのだ?という、たった1名様だが問い合わせを頂いた方に背を押されてガイドブック的な内容で今朝はこのブログをアップしてみた。


 なにせ、コンパクト・デジカメでの撮影画像が多いので画像の粗さなどはいつもの通りご容赦願いたい。


霧ヶ峰界隈の湿原の解説・情報

http://www.lcv.ne.jp/~kirivc/howaboutkirigamine.htm

 「霧ヶ峰には、八島ヶ原湿原、車山湿原、踊場湿原の3つの湿原があり、そのすべてが1939年(昭和14年)に国の天然記念物として個別に指定され、1960年(昭和35年)6月10日に八島ヶ原湿原の西半分の旧御料地を加え、個別に指定されていた3つの天然記念物は1件にまとめられ、現在の指定名称霧ヶ峯湿原植物群落となった[1]。 八島ヶ原湿原は面積が43.2ha、泥炭層の厚さは約8.05m。1万2千年前に誕生した標高1,632mに存在する高層湿原であり、日本の南限にあたる。」(以上ウィキペディアより)

 昨日、一昨日とこのブログでご紹介の植物や蝶類に加え、勿論この一帯は野鳥の宝庫でもある。全体の概要ご紹介の後、また鳥類の追加や本命の野鳥などのレポートも続けてみたい。



名前だけは聞いた事が有っても、なかなか生で観ることは少ないゼンティカ(=通称ニッコウキスゲ)。一つの花は朝開いて夕方にはしぼんでしまう一日花。非常に開花時期が短い植物だ。開花時期は気象の関係で毎年違う、曼殊沙華(ヒガンバナ)の開花時期より短いかもしれない。

霧の中、朝露を被ったニッコウキスゲ。

群生地では同時に開花し見事な景観となる。奥日光霧降高原、尾瀬ヶ原、尾瀬沼の大江湿原近辺などが有名。筆者も生でこういう群生を見たのは初めてだ。霧ヶ峰には数か所こういった群生地が存在する。車で行けばビーナスライン沿いに数か所あるので、規模では敵わないが尾瀬ヶ原や大江湿原よりはるかに身近だ。
群生地の一つから車山へ登る集団。なだらかな登山道なので天候急変に備えた雨具程度で重装備は不要。公園のような感じで楽しめる。

車山山頂(1,925m)から西方になだらかに下る山道(見通しは最高)を標高差約300m、距離数キロ行くと八島ヶ原湿原が見えてくる。

泥炭層8m以上の高層湿原。一周4.5km程度で90分、60%の行程は狭い木道なので混雑時はもっとかかる。

現在、ヤナギランが三分咲、この後2~3週間は見頃。草紅葉の秋になるとこれが真っ白な綿毛になるので二度楽しめる。

早朝に限るが、運が良ければこういうヤナギランにノビタキといったシーンも撮影可能。これはコンデジではない。しかしこの地の天気は猫の目のように変化するので、高価なカメラは防水対策、雨除け対策が必須。なお大型の三脚を持ち込んで野鳥や高山植物を撮影するのは通行人の邪魔だし、大ひんしゅくモノなので止めた方が良い、体力に自信が無ければ重たいカメラ機材は避ける方が良いかもしれない。何度もトラブルを目撃している。