2019年5月31日金曜日

アオサギがスポットライトを浴びて水浴び! The Grey heron was bathing under the brightly spotlight.

 球磨川本流の深場でアオサギが水浴びをしている所に遭遇。しかもその場所だけ眩しい太陽の光が射しているのでちょっと珍しい画像になった。
 美人が人知れぬ山奥で水浴びをしていれば、思わずゴックンだが、実はアオサギの水浴びというのもありそうでなかなか遭遇できない場面だ。
 アオサギは実は深場で泳ぐことがある。そのためか3前趾足の3本の前足指間に少しだが小さい水かきが付いている。ほぼ退化しているようだが在るにはある。

 遠くから見ていて大型の野鳥が水浴びをしているのを見て、まさかそれがアオサギだと気が付くまで相当時間が掛かった事を覚えている。

 なぜかその部分にだけ直射日光が射していてスポットライトの様だった。勿論撮影すると非常にコントラストの強い画像になってしまって処理が大変!
 







水浴びの後、なぜか大きく口を開けて舌らしきものを出しながら飛んで行った。初夏の球磨川のひと風景。

2019年5月30日木曜日

球磨川流域でも間もなくヤマセミの幼鳥教育が始まる! The crested kingfisher's juvenile bird education will soon begin in the Kuma River Basin too.

 最近球磨川流域ではヤマセミの姿が殆ど見えないという。ほんのごく一部、繁殖が無いつがいの早朝の動きだけが目立っているようだ。
 理由はハッキリとしている。巣立ち直前のヤマセミの親鳥は巣穴の入り口が見える所で四六時中離れず監視しているため、普段人々がヤマセミを目にする場所に行かないのだ。

 巣立ち10日程前くらいからは、ヒナも巣穴の入り口まで出て来て餌を貰う為、親鳥も常にヒナを監視出来る所から巣穴を見下ろしている。この辺りは今年集大成を製作する予定の「球磨川流域における山翡翠の生態=仮称」の「繁殖」の項目に3カ所での繁殖ケース詳細を掲載する。

 此の「繁殖」の項には、各3週間にわたりヤマセミの育雛の様子を観察した成果を収録。1日の給餌・捨糞回数・カウントデータを100カット以上の撮影画像・動画(DVD添付)と共に掲載する予定。

 その中にはアオダイショウが巣穴に入って一羽のヒナをのみ込み、つがいの親鳥がアオダイショウを身を挺して巣穴から引き落とし仮死状態にさせる一部始終なども静止画と動画で掲載する。

 今日の画像は、ヤマセミの幼鳥達の巣立ち直後の幼鳥給餌+教育の様子。
 巣立ち直後の幼鳥は一日中同じ所で集合して親鳥の庇護の元、給餌を待ち続ける。お約束の決められた場所から20mも離れる事はない。
 
数年前の幼鳥教育の様子。左の3羽が幼鳥、右の二羽が親鳥。この年は左の大きな岩が幼鳥の集合場所だった。こういったお約束の場所は毎年違う。
給餌の順番はほぼ決まっていて、幼鳥達も判っているため順番を崩して横取りをするような事はない。

親が移動すると幼鳥が後に続く。

この時だけは群れを形成するヤマセミ。

2018年の幼鳥教育の様子。この時は大きな倒木が集合場所だった。

これも2018年球磨川支流部某所のヤマセミ幼鳥教育の画像。

幼鳥同士で給餌をしあう事もあった。この一連の記録画像は貴重なものになる。

木陰の幼鳥達。5m離れた上部にミサゴが居るが、居に介さない。

普段は水面すれすれを飛ぶヤマセミも、幼鳥教育の最中は見通しの良い中高度を飛ぶことが多い様だ。

2019年5月29日水曜日

梅雨入り前の伸び伸びとしたヤマセミの飛翔。 These are dynamic flying scene of the Crested kingfisher before long rainy season.

  史上初の5月の高温気象も一段落して、例年並みに戻ったは良いが、逆に少し冷えた感じがするのは、相対的な感覚だろうか?人間勝手なもので寒く感じるともう少し暖かくなって欲しいと感じ、暑すぎると何でこんなに暑いんだ?もう少し気温を下げて欲しいと願う。

 動物の中で、唯一道具(衣類・冷暖房施設)を使って気温調整が出来る生き物が人間なのに、最近の都会の人間は自然界の変化に身一つでは対応できなくなってしまった様だ。

  梅雨入りを間近に控えた関東では、巣立ちを控えたムクドリ、スズメなどが最終段階の給餌活動で朝早くから住宅街の上を飛び回っている。
 そんな中、同じく巣立ち前のヒナを養育中のヤマセミは、梅雨入り前の早朝に限って文字通り羽根を伸ばして広い川幅の球磨川流域を高速で飛び回る。早朝、日の出からほんの1時間未満の間だけ。

 今日の画像はそういうヤマセミの伸び伸びとした飛翔画像をご紹介。すべて別の場所で撮影したもの。









対岸の樹林帯を越えて朝陽が当たる部分にヤマセミが入ると、もろ逆光に成るが慣れればそれなりに対応はできる。

2019年5月28日火曜日

真夏日!三鷹の野川流域でカッコウに遭遇! Midsummer day! I encounterd the common cuckoo in the Nogawa basin of Mitaka!

 真夏日が4日連続続き、東京都の気象記録を塗り替えた昨日5月27日(月)、真夏に備えて夕方気温が30度を下回ってから頭から水をかぶってジョギングに出た。
 これは昔培った筋力・体力の消失を少しでも補おうと50歳を越えた2000年頃から、週1~2回近所の野川土手を8~10km走っているもの。

 特に梅雨明けになったら、中二日で走る事もある。必ず水をかぶってそのまま走る。走ると風を受けて気化熱で体温が下がるので、気温が高くても意外にも涼しい。

 これを続けているので、疲労で怠い日もあるが、基本的にまだ大病はしていない。お陰でふくらはぎの周囲はまだ42cm在る。太腿周囲が56cmだから実は非常にアンバランスな足をしている。親譲りのDNAに加え、バレーボール、サッカー、アイスホッケー、スキー、スノーボード、ウインドサーフィンなどをしっかりとやってきたからだろう。お陰で腰だけはしっかりしている、腰痛を感じた事が無い。

 先日の浅草三社祭の団塊世代の担ぎ手さん達に訊いたら、「団塊世代は足腰が命よ!」と言っていたのが耳に残って居る。ただ飲みさえすれば体重が減る、痩せる、体調が良くなると大嘘をたて並べるサプリにばかり頼り、体をあまり動かさない御仁で、その通りに健康な人を聞いた事が無い。

 基本的に人間は立って歩くように出来ている。歩いたり走るだけで健康はある程度維持できるのだ。人間の筋力は70歳を越えても鍛錬で強化・復活可能だそうだ。あとはやろうとする意志の力、決して医師の力や薬の力だけで健康保持は出来ない。

 また、高齢者の愚痴・長話に成ってしまったが申し訳ない。その真夏日のランニングに何故か昨日だけはデジタル一眼に70-300mmズームを付けて背負って出かけた。神のお導きだろうか?これが功を奏した。

 走り出して、ほんの15分くらい経った頃「カッコー、カッコー」の声が聴こえた。野川流域では野川自然観察園の中からキビタキやホトトギス、カッコーの声が以前にも時々聴こえる様な気がする事があった。
 この内、ホトトギスは偶然昨年11月園内で遭遇、コンデジだったが撮影する事が出来た。なんとホトトギスという花を撮影に行っての出来事だったから出来過ぎだ。

 キビタキは園内の森林部の奥で良く聴く。しかしカッコーは聴いたような気がしただけで、実際鳴きながら飛んでいる所も観た事は無かった。タモリじゃないが空耳アワーだったかもしれない。

 それが、昨日は確実にカッコーの声を聴いた。しかも3方向から聴こえたので一羽ではない。移動中に野川沿いの緑地で暑さの為羽根休みをしていたのだろうか?

 連れていた犬を立木に繋ぎ、耳を澄ました。そうしたら5分くらい経って、すぐ傍の大きな樹の上で鳴き始めた。「シメタ!」そーっとその樹の下に進み、上を見上げた。5月も末の大樹は葉で覆われているが、幹に近い内部は枝が重なり合っていて少しは見通しが良い。

 その奥にシマシマの胴体が見えたのでレンズを向けた。意外に枝の中であちこち移動する為、葉に隠れてなかなか定まらなかったが、何とか証拠画像だけは撮れたのでご紹介。

 筆者は霧ヶ峰の八島湿原で随分カッコウを見慣れているので、それが平地の野川流域に来てくれたことに驚いている。繁殖はしないだろうなと思いつつ、微かな期待をし始めている。 




以上は霧ヶ峰の八島湿原で遭遇するカッコウ。

以下は昨日野川流域で遭遇したカッコウ。撮るのがやっとの証拠画像。



数日間いてくれるか、もう何処かへ飛び去ったか、数日後に観察予定。

2019年5月27日月曜日

セッカという野鳥は非常に面白い動きをする。 The Zitting Cisticola flies in a very interesting way.

 初夏で一番目に付く・・・というより耳に付く野鳥がセッカという小さな鳥だ。東京都内ではなかなかお目に掛かれないが、近郊の草原であれば出遭えよう。

 多摩川や荒川上流の土手の草地であれば居ると思われる。数年前、熊本県の球磨川流域・ツクシイバラ自生地でこの野鳥を丸一日観察した事があった。

 最初、草原の草の中や枯草留まり状態から、「ヒッヒッヒッヒッ」と鳴きながら上空へ飛びあがり、風に向かってホバリング状態を続けて上昇し高度10m程まで上がると、降下しながらジュン、ジュン、ジュンと波打つように上下を繰り返しながら横方向へもの凄いスピードで移動し飛び回る。で、最初の場所へ戻ってきたり、周りを見渡せる高さの別の枯草に留まったりする。

 このセッカの留まる枯れ草は一羽が大体5カ所ほどお気に入りを持っていて、縄張りにしている様だ。

 だからセッカを撮影したければ、飛翔中は声を頼りに上空を探し、枝留まりを撮影したければ30分程セッカの動きを観察して、縄張りの枯草を発見することが必須だろう。ジュン、ジュン、ジュン・・と下って来る時の姿を視認できるようになればこのセッカに慣れたと思って良い。





ヒッヒッヒッヒッ…と鳴きながら上昇中のセッカ。

ジュジュンジュンジュン・・・と猛スピードで下って来る。


是非この夏は、フィールドでセッカを観察して欲しい。

2019年5月26日日曜日

団塊世代は「『時代』立木義浩1959-2019写真展」の会場から2時間出る気がしなかった。 The baby boomers didn't like leaving for two hours from the venue of "Yoshihiro Tatsuki Photo Exhibition".

 筆者には尊敬する写真家が数名居る。ユージーン・スミス氏、佐藤秀明さん、星野道夫氏、風景ではマイケル・ケンナ氏、ハワイの自然とウインドサーフィンではスティーブ・ウイルキンス氏。いずれも筆者が数多く学び、盗んだ、ある意味師匠だ。
 これらの方に今日立木義浩氏が加わった。

 これらのプロの第一線の写真家の人々に共通しているのは、とにかく現場に数多く実際・自分で足を運び、苦労して写真撮影をしている事がその作品にしっかりと視て取れる方々ばかり。

 今まで有名人・芸能人(特に女性)を綺麗に撮るプロの写真家はあまり好きではなかった。篠山紀信、大竹省二、秋山庄太郎。
 すました顔の綺麗な被写体を撮れば誰が撮ってもきれいに見えるだろう?という、まだ写真の奥深さを全然知らない頃、勝手に思いこんでいた単純な理由だった。

 だから今日の立木義浩氏の写真展も、入り口からすぐの昭和20~30年代のヨコハマの佇まいを撮影したシリーズなどがとても好きだった。赤レンガ倉庫がまだ倉庫として機能していた頃、自分も横浜国立大学の美術学生として、幾度もスケッチなどに通ったエリアなので親近感もあったのだろう。

 それが、色々な芸能人や映画監督を撮影した作品群を見て、まあ何と幅広い撮影活動をされる方だろうと驚いた。
 今やただの毒舌オバサンになっている女優・加賀まりこさんが1971年のパリの地下鉄で佇んでいる姿は、まさに1972年英国へ40日間筆者が行っていた時のパリの地下鉄と同じだ!と声が出そうになった。

 雑誌アンアン創刊号の表紙立川ユリの撮影もそうだ!今でもこの創刊号を筆者は大切に持っている。VAN倒産時にID室のごみ箱から拾って来たものだ。

 しかしアンアン誌上の彼女の色々な画像をじっくりと見ると、どれも記憶が在るような気がした。当時はさすが非常にきゃしゃで細身のモデルさんだと思ったが、現在の本田翼や杏、川原亜矢子の身長に対する頭の小ささに比べると、意外にも結構頭や顔が大きかったんだと驚かされたりもした。ヘアスタイルのせいかもしれないが・・・。

 このほか芸能人や黒澤明監督など、著名人のポートレートが沢山あったが、それぞれの一番輝いている一瞬の表情を見事にとらえていて迫力があった。今までのどんな週刊誌やドラマやステージでも見た事が無かった素晴らしい表情が、美術館の壁に並んでいるのを見て、この立木義浩氏の凄さが素人の筆者にも判って嬉しかった。
 多分、写真家である前に、人物であろうが風景であろうが、被写体の持つ魅力をいち早く正確に見いだせる潜在的な能力が在るのだろう。これは写真撮影技術などよりはるかに重要な事だと思う。

 だから、表情を造る眼と口元に集中する意味でポートレートは化粧や色どりを見せないで済むモノクロが殆どなのだろうかとも思った。

 展覧会場の2Fではスナップ写真が山ほど展示されていたが、何ともまあ世界中を駆け足で回ったような幅広い撮影活動をされている方だと思った。やはり写真は数多く、少しでも多くシャッターを押すのが必須なのだという事だろう。勿論連写機能を使ってではなく・・・。

 此処で面白い事に気が付いた。2階の作品・スナップの多くが左下がりなのだ。水平線や地平線は勿論、ほとんどの画像が左がすこーし下がる傾向が在る。これは癖なのだろうか、意図的なモノなのだろうか。筆者が右下がりが癖なので思わずニヤッとした。水平を保とうと気を遣うほんの数秒補正してシャッターチャンスを逃す位なら、思ったそのままの瞬間を押さえたいという事なのだろう。トッププロの写真家さんにも癖というものがあるんだと思って妙に嬉しかった。

 同時に、展示作品としても水平補正しないという事は、トリミングも修正もしない撮ったままという事の裏返しだろうと思った。
 最近のアマチュアカメラマンですら、コンテストに出す作品にブラシ習性やトリミングを行うのに、この立木さんが誠実で真面目な写真家さんの様に思えた。まあこれは勝手な憶測なのだが・・・。

 いずれにせよ、かってのTV放送11PMに時々ゲストで出ていた頃の立木義浩氏の数多くの作品に接する事が出来て大変勉強になった一日だった。

 出口に図録だの写真集のようなものもあったが、自分が感銘を受けた作品が入っているものがほとんど見当たらなかったので、どれも手に入れなかった。展示されている作品をしっかりと目に焼き付けた方が良いと思う。だから会期中必ずもう一度行こうと思ったのだ。

 ご参考: https://oceans.tokyo.jp/lifestyle/2019-0523-6 








守備範囲の広さは相当広い写真家かも知れない。これらの作品を網羅した写真集は何処にも無い。つべこべ言わずに、とにかく観に行く事だ。