2016年2月29日月曜日

カワアイサ、ウミアイサ、ミコアイサ、コウライアイサ特集 Special feature of all kinds of merganser of wild-bird in Japan!

  昨年末、初めてコウライアイサというなかなか出遭い難い野鳥に遭遇する事が叶った。非常に活発に動き回る野鳥ですっかり魅入ってしまった。考えてみたらウミアイサ、カワアイサ、ミコアイサには既に出遭っていたので、コウライアイサに出遭えたことで日本で観る事が可能なアイサ系のカモ全てを観察・撮影できた訳だ。

 観察して思ったのは、肉食系のカモ属の為か、動きは一般のカモと言うより、カワウやカイツブリのような動きだ。特に深場では10秒以上潜る事が多いが周りに危険が少ない時間にのみ行動しているようだった。浅瀬では水を蹴立ててて魚を追い回す姿が撮影されている。これらは静止画、動画共に収録できた。

 いずれも警戒心が強く、印象では筆者が普段見慣れているヤマセミに比べてもはるかに臆病な性格だと見て取れた。ランキングをつけても意味は無いが、コウライアイサが一番敏感で、ウミアイサが一番のんびりとしているように思えた。それは撮影出来た画像からも判断できる。しかしウミアイサに関しては、北海道東端の港湾部で暴風雪の日に車内からの撮影なので、ドアを開ければアッと言う間に飛去してしまったかもしれない。いずれにせよ他のカモ類とは比較にならないほど警戒心が強いのは間違いない。

 今週は今後一日一種づつその生態をアップして行こうと思う。今日は4種のお披露目。

カワアイサのオス

カワアイサのメス

ウミアイサのオス

ウミアイサのメス

コウライアイサのオス

コウライアイサのメス

ミコアイサのオス

ミコアイサのオス

撮影場所は北海道東端~南九州まで全国各地に及ぶ。いずれも冬季に撮影したもの。明日以降生態編を御紹介予定。


2016年2月28日日曜日

象の花子に逢いに行って大ショック! I went to meet Hanako of an elephant and received a big shock !

 今日のブログは少し長い話になる。

一昨日、NHK総合で吉祥寺にある井の頭自然文化園にいる象の花子の放送が在った。三鷹市の西の端にある我が家からバスで一本、バスと電車2駅乗り継ぎでも行ける吉祥寺だから、思えば身近な場所だ。現に昨日は自宅まで5.5km歩いて戻った。九州での催事の提案コンペに知り合いの施工会社がプレゼン参加すると言うので吉祥寺まで打ち合わせに出かけた。その帰りに井の頭自然文化園に行ってみたのだ。

井の頭自然文化園正門

井の頭自然文化園パンフと入場券

 実はこの花子には昭和58年頃当時、東京生まれの筆者が父の転勤によって九州の小倉市(今の北九州市小倉北区)に住んでいた際、夏休みに上京し叔父に連れられて逢いに来ていたのだった。生まれて初めて観る象という動物のその大きな姿に驚いたのをその臭いとともに覚えている。真夏だったので象厩舎?の臭いが強烈だったのだろう。
したがって、実に58年ぶりの再会になる訳だ。お互い歳をとったなぁ、と言う感慨と共に良くぞ今まで69歳(推定)になるまでこんな狭いコンクリの中で見世物になりながら生きてきて辛かったろう?という思いも湧いて来た。それは同年輩の人たちが目頭を押さえながらその場を離れ帰って行く姿を多く見かけた現実からも判るような気がした。

野生のアジア象の平均寿命は約60歳程度だという、それに比べれば日本の動物園にいる象は全て62~69歳で長寿だ。しかし長生きすれば幸せと決め付けるのは人間のエゴで、大自然の中で生きてこそ本来の姿だから、今すぐ生まれた東南アジアのタイ国に送り返してやって、自然の中で余生を送らせるべきだ・・・という、特に米英など海外からの一部の声が高まっていると聞く。しかし、この象(花子)を日本に贈ったタイ国のメディアや関係者は「送り返されても日本人のような熱い飼育心や技術を持って居ないタイでは直ぐに死んでしまうだろう、花子は日本に居るからこそ長生きで来ているのだ。」という見解だという。

 このあたりはネット上に沢山投稿が出ているので検索してご覧頂くと良いと思う。しかし現実の象の花子がどういう待遇で生活しているか、どういう状態で子供たちや高齢者に癒しを与えているかの現実を見ないでネット上を飛び交う意見だけ聴いて一部の考えに組するのはおかしいと思う。

 しかし、実は今日のメインはこの象の花子ではないのだ、主役は同じ井の頭自然文化園にいる野鳥たちなのだ。花子の場所を離れて帰途につく時、割りに近くからキツツキ系それもアカゲラかアオゲラ級の大きめドラミングの音が聴こえて来た。「オー、今年は寒いのに既にドラミングか!」と園内の木々を見渡したのだが居ない。また聴こえてきたドラミングの音を頼りに近づいてみると、何とそれは檻の中にいるコゲラが自分用の木で出来た巣箱をつついているのだった。中が空洞の巣箱を叩いているので大きな音だったのだ。これを観て思わずその場にへたり込みそうになってしまった。花子に受けた感動とは別の色々な意味で大きなショックだった。

 いつも野川や隣のミッション系大学構内、下手すれば我が家の庭木に飛んできてジューィ、とジッパーを開ける様な声で鳴くあの身近なコゲラが金網の中で見世物になっているのだ。もう一羽メスと思われる一羽が留まり木でジーッとして動かない。隣のケージを見ると、これまたアオゲラが金網にへばりついて空を見上げている。さらにその隣には年中我が家に飛んできて庭に落ちた餌をついばんでいくヤマガラがジーッとしているではないか?このショックは大きかった。少なくとも浅草の浅草寺境内で歩行人の足の間を平気で抜けていくドバトのほうが自然に生きているような気がする。

 あの60年代後半に観た映画「猿の惑星」のラストで主役のチャールトン・ヘストンが女を後ろに乗せ、馬にまたがって海岸線を進んでいくと、傾いた自由の女神が砂に埋もれていて「何と!此処は地球だったんだ!」と愕然とするシーンのショックにどこか似ている。

 いつもレンズを通して野鳥の自然の生態を撮影していると、どこかで野鳥側の立場でモノを考え視てしまうようになったのだろうか。同時にたとえ子供たちに野鳥を見せる方法としてこれしか考え付かないのだろうかと関係者達の知恵の無さに呆れてしまった。井の頭公園といえば武蔵野の雑木林の東京でも大き目の公園だ。昨日もコゲラやヤマガラ、シジュウカラ、エナガなど飛び回っていた。東京という大都会でも野鳥は思いのほか多いのだ。珍鳥が飛来する上野の不忍池、オオタカが繁殖する明治神宮の御苑では手乗りスズメ、手乗りヤマガラが沢山居る程だ。北海道苫小牧の北大演習林や箱根芦ノ湖湖畔の恩賜公園あたりにも多数手乗りヤマガラが居るのと一緒だ。自然の中で野鳥に接することが出来る。

明治神宮の御苑で手乗りヤマガラ ごく普通に居る。

上野不忍池には手乗りスズメが沢山いる。江戸時代から続くというが良いのか悪いのか。ただ大都会の孤独な高齢者達が多数癒されているのは確かだ。視ていてそれだけは良く判る。

カモ類もユリカモメも寄ってきて鳥類動物園と化している。看板を見ると餌のやりすぎで太って飛べないカモも居ると言うが、それは換羽の為一時的に飛べないのと勘違いしているような気もする。

一方で八ヶ岳山麓ではホテルが冬の餌の少ない時期に限って庭に野鳥フィーダー容器を下げ、木の実・種やキツツキ用の脂身を入れ野鳥にサービスしている。ホテルの客たちは部屋の中からガラス越しに双眼鏡でこれらを観察できるようになっている。


八ヶ岳山麓のホテルの中庭。

 あるいは北海道根室の春国岱ネイチャーセンターですらオオアカゲラやその他の野鳥のフィーダーを設置しガラス越しに来場者に野鳥観察をしやすいような工夫をしている。これすらイカン!と言う頑固者も居ようが、そういう事を言う御仁に限って代案を持たない。クレームを付けるだけで自分の存在感をアピールするのみで問題解決にならない。

春国岱ネーチャーセンターの観察窓の下に設置されたフィーダーに来るオオアカゲラ。

 話を武蔵野の井の頭自然文化園に戻して考えよう。大きな体育館ほどの金網ケージを造り樹木や草地、藪地を造り、猛禽類以外のお互い共存できる小鳥系は全て同居してもらい人間は静かに通路なりよくある野鳥観察の覗き穴から見てもらうと言った方法が取れないのだろうか?ヤマガラやコゲラに立派な牢屋を用意し暗くして何処にいるのか判らないような展示をするよりはるかに良いと思うが・・・。勿論本来は大自然の中でこちらが出かけて観察するのが当たり前、出遭える頻度、出遭える時間等を学ぶのも自然観察・野鳥観察の大切な部分だろうと思う。お金を払えば其処に居る・・・て、江戸時代のろくろ首の見世物ではあるまいに。もう少し知恵を使うべきではないだろうか?すこし関係各所でヒヤリングしてみようと思う。


2016年2月27日土曜日

ヤマセミの採餌ダイブを静止画と動画で同時に収録! I recorded the foraging dive of the Crested kingfisher by a still image and a movie at the same time.

 ヤマセミの採餌ダイブに関してはこのブログで幾度か掲載してきたが、今回の人吉撮影行で幸運にも早朝の採餌ダイブを同時に2台のカメラで動画と静止画双方収録する事が出来た。
 自分としては初めての快挙で、素人ながら単独での観察・記録作業としてはこれ以上の成果は無いと自画自賛した。

 昨日一日掛けて双方を見比べたが、それぞれメリットも多く、どちらが圧倒的に有利だという結論は出なかった。動きの流れから見えてくるヤマセミの生態もあれば、分解写真だからこそどの段階でどのように判断して自分の動きをコントロールしているかが見えたりして、双方共に貴重な証拠記録データだと思った。

 YOUTUBEにも色々なヤマセミのダイブの動画が投稿されているが、今回ほどの高度からの動画は無いようだ。環境の違いでヤマセミの生態も違ってくる一番良い比較だろうと思う。雨降りの翌日の流れの速い球磨川水系でのヤマセミダイブは、それなりにパワーのある育ち方をしていなければ難しい。人吉球磨エリアのヤマセミが全国でももっともハードな生き方をしていると言う根拠の一つがこの記録に現れているような気がする。


 採餌する餌の大きさ、天敵や共存している他の野鳥達(人間も!)との関係等、生態観察・調査していて面白くてたまらない。やはりヤマセミは奥が深いのだ。

動画の中の音声でカメラの連写の音が聴こえると思う。それで撮れたのがこの画像だ。

同時に収録した動画バージョンはこちら

 車の運転席の窓を開け、ドアにコンパクトデジカメをミニ三脚で固定設置し、ヤマセミが留まっている場所とダイブするであろう水域をワンフレームに入れて動画機能を回しぱなしにして収録。いつダイブするかは勿論判らないが、今までの生態観察による経験値からの「勘」が全て。バッテリーとメディア残量との戦いだが、今回は勘がモノを言ったようだ。回し始めて2分経たない内にダイブしてくれた。

 もちろん、同時に車内から手持ちのデジタル一眼レフ・カメラ秒間コマ数12コマ連写で同じシーンを収録している。それがこの連写合成画像だ。4月に発売予定の4K動画収録機能付きのフルサイズ・デジタル一眼をどうするか悩ましい。新しいヤマセミの生態発見とその証拠画像収録にどれだけ投資効果が期待できるか、自分のそう裕福ではない経済状態を考えると、コストパフォーマンスとの勝負に成るだろう。

 しかし、今回の人吉撮影行で考えられるヤマセミの生態についての証拠画像データは学術的な新発見多数を含め概ね収録できたと思う。勿論これは自分だけの成果ではなく、人吉や芦北で同じくヤマセミを観察されている方々の記録画像も在っての話だ。

 今後、余程の新情報、実はヤマセミは人の居ないところで彼ら独自のジャンケンをしていたとか、飛ぶのに疲れた場合は山から切り出した木材運搬トラックの積荷に留まって移動するだの未発見の生態でも発生しない限り、論文レポートをまとめる事が出来る段取りまでこぎ着けることが出来たようだ。




 

2016年2月26日金曜日

球磨川河口部でミヤコドリ観察、つづき。 It is oyster catcher observation at the Kuma river mouth-of-a-river part. Vol.2.

 カラスの追っかけに囲まれた単独のミヤコドリ。結局、北の強風の中風上に向かって一羽で更に沖に向かった。カラス達はそれ以上追おうとせず、群れで金剛干拓の内陸へ戻っていった。

 金剛干拓地の外周堤防土手沿いに八代湾の方へ回ると、沖には強風の中オナガガモの大群が風に向かって波間に集まっていた。結構壮観な景色だった。佐賀の大授搦ではツクシガモが大群で居たが、こちらはオナガガモだった。

 この日球磨川河口部ではツクシガモは数羽居ただけだが、沖合いにもっと居たのかもしれない。

再び飛び立つミヤコドリ

すぐにカラスが取り巻いて、再び護衛状態で移動?

やはりカラスはくちばしの付け根のほうが白っぽいのでミヤマカラスか?

すぐにカラスの追っかけ?は終わり、ミヤコドリたった一羽で強風下、沖へ。

強風のブローに時々左右に振られながら力強く海のほうへ飛んで行った。

飛び立ったツクシガモ、有明海沿岸に多いから筑紫鴨だそうだ。関東では見たことがない。
wikipediaによると少数が日本に飛来と在るが、大授搦ではほぼ全域を占める大群だった。

こちらも派手なカラーリングなのだが、何故かカラスは寄ってこない。飛翔中の色加減は似たようなものだが、カラスから観ると魅力ではないのだろうか?

金剛干拓地の真西を覗くと、オナガガモの群れが、とても数を数えたくない程風上に向かって荒れた海面を埋めていた。



2016年2月25日木曜日

球磨川河口部でミヤコドリ観察。 It is oyster catcher observation at the Kuma river mouth-of-a-river part.

 ヤマセミの繁殖期生態を観察に8日間人吉に滞在。人吉には珍しい越冬中の珍客数種なども毎日観察撮影出来て、非常に中味の濃い観察行だった。ヤマセミ自体は既に繁殖期の動きを見せており今回観察できた4家族はどのつがいも交尾を始めているようだった。巣穴堀にも入っており、中には昨年の巣穴の再利用を始めたつがいもいて、ヤマセミ繁殖の常識を再考させられている。

 人吉以外では諸用も在り、八代~福岡県~佐賀県などを2泊で回った。8日間で1030kmは結構走ったほうかもしれない。佐賀では大授搦(東与賀公園海岸)を観察、ツクシガモで埋め尽くされた中、クロツラヘラサギ、ダイシャクシギ、の群れやミヤコドリの小群、浜シギの大群等が出迎えてくれた。

 ミヤコドリは昨年末から居ると思われる1羽が球磨川河口部にまだ頑張っていた。最終日帰京の日の昼過ぎ、カラスの群れに囲まれて人気者のようだった。カラスはハシボソカラスかと思いきやくちばしの根元が白っぽいのでミヤマガラスの群れかもしれない。隣が金剛干拓なのであり得ない話ではない。

 この球磨川河口部にはカワウが沢山群れてきていて他の常駐カモ系は迷惑そうだった。そのカワウの団体を避けてカモの中に混じっていたミヤコドリだが、カラスがうるさいのか、単独で400mほど移動した。そうしたらカラスが後を追い付いて来てしまった。別にちょっかいを出したり意地悪ているわけではないのだが、真っ黒なカラスがカラフルなミヤコドリを羨ましがりながら興味を示しているように思えてしょうがなかった。

この日最初に赤いくちばしのミヤコドリを見つけたのは前川と南川合流部のさらに下流部。

いつの間にか周りに増えたカラスを嫌ってミヤコドリが早々に飛び立ち風の強い下流部へ。

気が付いたカラスの一羽が追いかける。

手ごろな砂洲をパスしてさらに河口部へ・・・・。

やっと落ち着いたと思いきや、カラスが付いて来てしまう。

テメーら、いい加減にしろよ!と言って聞くカラスではない。

もう好きにしろ! と言ったか言わなかったか、カラスに訊いて欲しい。

気が付けば元の木阿弥。余程綺麗なミヤコドリはカラスに好まれたのだろうか?実はそうではなくEurasian Oystercatcherの名のとおり、器用に貝をこじ開けて中身を食べるミヤコドリの餌の横取りをカラスが狙っているのではないだろうかと思っている。どなたかご存知だろうか?


2016年2月23日火曜日

ヤマセミ今年最初の交尾観察レポート! The copulation report of Crested kinfisher this year beginning!

 3日と続かない春先の気象状況。今回の人吉球磨ヤマセミ観察行レポートはいつに無く大きな成果を上げられ無事終了した。3日に一度の雨降りも適度な休養になって蓄積疲労を回復するのに非常に役立っている。通い始めた6年前は人吉インターを降りたとたんヤマセミ・ポイントに直行し、到着と同時にヤマセミの声を聴き発見すること自体が楽しみだったが、最近は「居るのは判っている、元気だろうか?今回は何を見せてくれるのだろう?」に変わってきた。

 春先の繁殖行動は寒暖の差が激しいせいだろうか、今シーズンは個体によってバラつきが観られるとの情報が複数入ってきている。情報で最初の交尾目撃は2月上旬、同じ場所で2日連続だった。

 以前レポートしたと思うが、ヤマセミの交尾行動の場所は千差万別だ。しかし個体・つがいによって「お気に入りの場所」は確実に存在する。行き当たりばったりでは無いと確信する。球磨川流域の4家族・つがいはそれぞれ3回以上同じ場所での交尾を繰り返し画像に収録できている。架線上での交尾を繰り返すのが2家族2個体、崖を背負った樹木の同じ枝での交尾が1家族・つがい。球磨川本流の水位計の上での交尾を繰り返す個体・つがいが1家族。

 それぞれ周囲360度を見渡せる場所であり、なおかつ危機回避のため、いざという時はすぐさま水中に逃げられるような場所であることが判明している。面白いのは撮影できている画像・動画ほとんどがこちら向きだということ。後ろからのデータはたった1回距離が一番遠いケースのみだ。
 これは交尾行動に入る前にすでにこちらの存在を認識していると視ていいのか、たまたまラッキーが続いただけなのか?いろいろ総合すると前者だと思っている。

 繁殖準備行動の一つの作業中、休憩タイムなのだろうか?川の中の岩に仲良く留まって休息をとっているように見えるヤマセミのつがい。地元での愛称は川辺川太郎と花子だ。この瞬間、実は交尾の予感がした。観察を続けてきての「勘」だろうと思う。カメラの準備をしていた。

一旦、オスの太郎が離れて6~7m離れた樹木の上に留まり、一気に水中にダイブして先程のメスの横に飛んできた。

目の前を通るオスを見ているのかと思いきや、メスの花子はボーっとしているようだ。

その次の瞬間!太郎が後ろから回り込むように飛んで・・・・。

花子の背中にソフトランディングで重なった。

車の中から観察しているのだが、完全に正面を向いていてくれている。

ほんの15秒程度の交尾だが、カットの一つに2羽の瞬膜が同時に閉じたのが在ったので、この瞬間交尾が完成したと判断している。今後1か月の間は1日に何度も交尾すると思われる。勿論求愛給餌は今回伴っていない。これは普通の事だ。






2016年2月22日月曜日

球磨川で春を告げるウグイス! The wild bird Japanese bush warbler of Kuma-river which tells spring!

 球磨川には数多くの野鳥が生息している。今回は2月18日のウグイス!球磨川を見下ろす土手沿いの道に停めた車の窓から目の前の木の茂みに何やらうごめく野鳥が・・・ウグイスだった。

 なかなか繁殖期以外は陽の当たる場所に出て全身を見せてくれない藪系の野鳥の代表ウグイス。ムシクイ系だが身近に居て身近に撮れないカメラマン泣かせの代表。

 今回も想像通り全身を綺麗に撮れた画像は1枚もない。各カットの残像をご自分の頭の中で合成して一羽のウグイスにしていただくしかない。
 何度も申し上げるが、普通の方々がウグイスだと思っている梅の花をつついているウグイス色(実はこれも勘違いなのだが)野鳥はメジロなのだ。

 基本的にウグイスは東アジアの野鳥。ハワイにもいるがあれは日本人が持ち込んだもの。それが証拠に英名はJapanese Nightingale もしくは Japanese bush warbler だ。






ちなみに球磨川流域、特に人吉界隈ではウグイスは年中ホーホケキョと啼く声を聴く事がある。生息している全部とは言わないが、ヤマセミを通年で観察していてこれは間違いなく啼いているのを確認している。一方で普通のツバメが越冬していることも周知の事実だ。人吉の方に訊いてみるが良い。温泉の湯気なのか地熱なのか街中の橋の下で並んで夜を過ごす姿を幾度か見た。

そういう意味からしても、人吉市という所は野鳥に関しても稀有な存在だと思っている。