2021年4月30日金曜日

サンショウクイも日光で繁殖していると思われる。 The Ashy minivet also seems to breed in Nikko area.

  日光の東大植物園へは2008年頃から年に2度ほど春・秋に訪れているが、春には大体サンショウクイに出遭えている。今回の日光シリーズ第4弾はサンショウクイ。

 その独特のピリリリ、ピリリリ♪という鳴き声ですぐにその存在が判る。腹が少し黒っぽいリュウキュウサンショウクイとは異なって、真っ白なお腹をしている。西日本ではまず目にすることは無いと思う。逆にリュウキュウサンショウクイは昨年東京の高尾山山頂でも撮影している通り、地球温暖化の影響のせいか否か良く判らぬが西日本からどんどん北上している様だ。

 基本的に小さな群れで動き回っている様だが、繁殖期はつがいで行動する。数年前には同じ東大植物園で親鳥が幼鳥に木の梢で給餌するシーンを撮影している。食性は動物食で昆虫類クモ類を食している。東大植物園でも羽虫をフライングキャッチする場面を幾度か撮影している。ピリリリという鳴き声からその名が付いたのであって、決して山椒の実を食べる訳ではない。

 比較的高い樹の梢付近を飛ぶことが多いが、木の新芽などが生えていれば低い枝にも飛来する。

 まずは木の枝の苔類を一杯に咥えて営巣の準備らしいサンショウクイの画像から。











一見セキレイ属に似た体型だが、その飛翔スタイルは波打たず直線的だ。ツバメやハヤブサのように速そうだから特急列車の愛称に良いような気もするが、「特急サンショウクイ」ではちょっとピンとこないかも。

2021年4月29日木曜日

臨時投稿!新しい写真集「明治神宮100年の杜 野鳥」をネット上で公開しました。A new photo book "Meiji Jingu 100 Years of Forest Wild Birds" has been released online.

 3月上旬に企画して2か月足らずで新しい野鳥の写真集「明治神宮100年の杜 野鳥」が完成しました。

 印刷物はごく近しい仲間に配るだけなので20冊も作っていませんが、ネット上で誰もが全頁を自由に閲覧出来るようにしたので、是非ご覧いただきたいと思います。

 同時に、お気に入りの見開きがあったら上のオレンジのGood Shot!をクリック頂けると大変助かります。これは、別に沢山「いいね!」を頂くとクーポンのように何かもらえるとか言うのではなく、野鳥の好きな方々の写真集として好みの傾向をデータ調査するものです。  是非次の写真集への参考にさせていただきたいと考えています。Canonの自費出版サイトPHOTOPRESSOはこういうシステムの点で非常に優れていると思います。ネット時代の自費出版の開拓者と言って良いでしょう。

 勿論、プロの方々の写真集と違って撮影頻度も機材も単なる野鳥撮影愛好家レベルなので、ご期待に沿えない部分は是非ご容赦願下さい。

 元々は、はじめに・・・のページにもある通り、2015年に放送されたNHKスペシャル「明治神宮 不思議の森~100年の大実験~」を観て、あの明治神宮の杜にオオタカが生息しているのだと知って驚いたのがおぼろげながらいつか写真集を創ってみようと思い立ったきっかけ。

 それから6年が経って、先日これまたNHKスペシャルで「ワイルド東京」という過去において既報の映像を再編成し、外国のディレクターの眼で大東京に棲む野生動物の生態を上手にまとめた番組がありました。これを観て「なるほどな」という事で明治神宮の杜の野鳥を一冊の写真集にしてみようと思い立ったのです。この番組はこのゴールデンウイーク・5月3日(祝)の13:05~13:55NHK総合TVで再放送されるのでご覧いただけます。


 天下のNHKさんと一個人ではあまりにもレベルの差があるのは重々承知の上、大胆にも今まで明治神宮で撮り溜めた画像を何とかまとめてみたいというエネルギーが一気に爆発して、作業へ突き進んでしまったというのが実際の所です。

 筆者は2006年頃から野鳥の写真を撮影するようになって、2008年からこの明治神宮の杜にカメラを持って入るようになっていたものの、当時はまだオシドリだのカワセミなど誰もが知っている綺麗な野鳥が被写体でした。

 そうして今まで撮り溜めた野鳥の画像は相当な数にはなるものの、神社としての明治神宮の佇まいは新年の横綱手数入りを撮りに行ったくらいであまり撮影してません。そこで仲の良い新進アマチュアカメラマンに一緒に100年の杜に入ってもらい、まだ観慣れていない明治神宮の杜の魅力を画像に切り取ってもらいました。

 これはハワイのホノルルへ初めて行った人がダイアモンドヘッドや道路わきのハイビスカスを一生懸命撮るが、二度三度行くともう撮らなくなってしまうという実体験から学んだことでした。感動は最初、いわゆるファースト・インスピレーションが大事である事を大切にしたのです。

Before 写真集画像撮影中

After 完成後 反省会 (1名デート優先で不参加)

 この写真集はこのURLから自由に入れます。途中まで観て此処から先は有料とか言う嫌らしいネットメディアの情報とは違い、最後までフリーでご覧いただけます。同時に最後の方に出ている過去の写真集三種もクリックすれば引き続きご覧いただけます。

https://wpb.imagegateway.net/gallery/book/4032879749 

 その写真集の中から、比較的多くのgood Shot!を頂いている見開きを数ページ御紹介してみます。まだ公開して5日目でのデータから選んでいます。

PHOTOPRESSO の制作ルールで完全に自由な表紙は作れないのが残念。

この画像は現在NHK放送センターが入っている渋谷スクランブルスクエアビルの屋上から。



実は明治神宮の境内に紅葉する樹は決して多くない。




何と一番Good Shot!の多いのがこのページ。意外だった。

今後もいくつかの写真集を企画しています。南九州の野鳥、球磨川流域の野鳥など。

戦場ヶ原の第3弾はアカゲラ(赤啄木鳥)、今回特に多く遭遇。 The third special feature on wild birds in Senjougahara is the Great Spotted Woodpecker.

  元々キツツキは大好きな野鳥で、其れほど簡単に出遭える種では無いと思い込んでいた。樹に穴を掘るのは米国の漫画映画・ウッドペッカーなどで知ってはいたが、春先のドラミングを実際に目の前で観た時は感動したものだ。

 奥日光戦場ヶ原にアカゲラが多い理由は、森林地帯の下草が減少して笹くらいしか生えなくなっているので、藪を住みかとする野鳥類が減少し、白樺はじめ樹木に取りつく野鳥が増えたのだと聞いた事があるが本当かどうか確証はない。

 アカゲラはつい最近CanonのPHOTOPRESSOで作った「明治神宮100年の杜・野鳥」でも取り上げた通り都心の緑地帯にも居るし、郊外の我が家の隣のミッション系大学校内にもいるが、やはり戦場ヶ原のアカゲラはどこか違う。全体が非常に綺麗なのだ。それに何故かアオゲラよりアカゲラの方が圧倒的に多い。

 今回は朝5時半に入ったコース、8時45分から入ったコースでもアカゲラには遭遇できた。

アカゲラ メス

アカゲラ オス




メスの飛翔



夜明け直後、早朝の高原の空気は抜けが良い!さすが野川のアカゲラと違う。

2021年4月28日水曜日

戦場ヶ原でウソが繁殖しているのは噓ではない! It is not a lie that the Bullfinch are breeding in Senjougahara!

  10年以上前から戦場ヶ原で野鳥を観察するようになって、ウソに出遭ったのは最近の事だ。八ヶ岳周辺では以前から真冬でもウソの群れに出遭う事があったが、戦場ヶ原ではここ3~4年頻繁に出遭うようになった。勿論単に気が付かなかっただけかもしれない。

 それが2年前、早春木の実を盛んに啄むウソを見かけ、このブログでもレポートした通りだ。

今回はフィーフィーというゴジュウカラの鳴き声にも似た強めの鳴き声が藪の中から聞こえて来たので、一体何だろうと思いきや戦場ヶ原自然研究路の赤沼入り口付近で盛んに地上の枯れ草を咥えたウソのオスに遭遇。横にメスが居たので瞬間「巣作り材料?」と思ったわけだ。 

 採餌ならウソは朝山岳地の日の出前の暗い路上で束になった枯れ枝を食べたりしないはずだ。何せ山に囲まれた戦場ヶ原では暗いまだ朝5時30分、撮影はやっとの思いだった。

 彼らが茂みに去るのを見届けて、研究路を進み、戻って来た1時間後にはそう遠く離れていないやはり川沿いに数羽のアトリと採餌中のようだった。

 何処に巣を造ってどのような繁殖をするのか全く知らないが、今巣作り開始であれば6月半ばには巣立つのではないだろうか?無事に上手く行くと良いと思う。


誰もが通るルートだ。が、もちろんいつも居る訳はない。

こういったフォトジェニックな場面にも出遭えた。

ウソのオス

ウソのメス

帰りには別の所にアトリと一緒にいた。

繁殖の成功を祈ろう。

2021年4月27日火曜日

奥日光戦場ヶ原はまだ雪が舞うこともある状況。 Oku-Nikko Senjogahara is still in a situation where sometimes snow may still dance.

  日光市内の東大植物園でサンショウクイの繁殖の様子を観察撮影したが、今年も順調のようだ。オオルリやキビタキはまだ囀っていないが、姿だけは何とか視認できたことは昨日のこのブログで既報の通りだ。

 上の戦場ヶ原に上がってみて、まず驚いたのは下と違って標高1,400mの高層湿原では春はまだほど遠く、桜の蕾もまだ1年前?といった感じすらする状態だった。樹木の芽もやっと出始めの感じで猿などが新芽を食している様子が見られた。

 湯川は湯滝からのコースで小滝付近から暫く通行止めで、いつもうるさく聴こえるミソサザイの囀りも1回聴けたのみだった。気温が低かったからかもしれない。

 奥日光2日目の昨日は気温が低く早朝鳥見に出かけた朝6時には-3℃という気温に風も強く、気象関係のデータでは風速5メートルと出ていたが、実際は時折10m/sほどのブローが来る感じで、体感温度ははるかに低かった。

 日陰では長さ15㎝程の大きな霜柱があちらこちらに出来ていて、自然の厳しさを感じさせてくれた。

 今回、赤沼から自然研究路に入り湯滝方面を目指し、午後1時から1時間、朝6時前に2時間、朝8時45分から3時間と3回の観察行を実施してみた。別に湯滝から峡谷コースへ入り小滝付近から小田代橋までの暫くの区間湯川沿いは閉鎖され不通となっていた(2019年の台風被害)ので小回り周回コースを進んだのみ。

 その結果、目視、撮影したのは、順にモズ、キセキレイ、ウソ、アトリ、アカゲラ、ノビタキ、コガラ、ヒガラ、シジュウカラ、エナガ、ウグイス、コゲラ、ゴジュウカラ、ノスリ、キレンジャク、アカハラ、ニュウナイスズメ、オシドリ、ミソサザイ、マガモ、カルガモ、オオバン、アオジ、二ホンリス、ニホンザル、鹿(湯ノ湖)。

湯滝から湯川に沿って下るルートはまだ通行止めが続いているので要注意。環境省の日光湯元ビジターセンターのサイトを注視する必要があろうと思う。

環境省 日光湯元ビジターセンターのサイトより。

http://www.nikkoyumoto-vc.com/new/oshirase_d.html?0:2423 


湯ノ湖にはまだカモ類が・・。

湯元のスキー場付近で夜明け前に粉雪をかぶった。

ノビタキ・オスはもう完全に夏姿。

フィーフィーと鳴くゴジュウカラはあるエリアにまとまっていた。

ヒガラは混成群で移動中

コガラも混成群れで移動していた

久しぶりにキレンジャク

平日早朝の木道に人影はない。

超でかい霜柱

湯川沿いにはまだ雪が残っている。

風が強い日は、ノビタキなど野鳥は広い湿原から風下の灌木地帯へ避難している。