筆者の個人用パソコンは現役4台(デスクトップ2台+ノート2台)ともOSはウインドウズで動いている。クリエーター系・アーティスト系がMac系を多用するのに対し、ウインドウズ系で駆動している理由はパソコンそのものに触るようになったのが1998年の長野オリンピックからだから。
1998年長野オリンピック時、筆者はその大会から採用されたスノーボード競技の競技役員を拝命し、広報担当としてIBMのウインドウズで駆動するThink Pad(当時の価格で70万円)を与えられ、プレスルームに常駐し使用せざるを得なかったのだ。ソフトは全てマイクロソフト系だった。
多くの実務的・現場業務で多忙だったビジネスマンはそのほとんどが当時ウインドウズ系のパソコンを使用しているはずだ。これは1995年~2005年の一般・個人用PCが急速に普及した時代、学校や政府官公庁のほとんどがウインドウズ系のPCを標準装備し動いていたからに他ならない。
まだMacとWindowsの互換性に難点が多かった時代、得意先のOSに合わせたPCで文書やプレゼン資料を作成するのが当たり前だった。
PC操作、使用スキルも、日々の業務量が多い人間にとっては「忙しすぎて覚えている時間が無かった」…のが実情だろう。なおかつよくフリーズして固まったり、ウインドウズ系と互換性に乏しかったMacを覚えるより、得意先に直結するウインドウズで、とりあえず周りや日常から遅れないようにするのが精いっぱいだったのだ。
だから人より先にパソコンを始めたクリエーターなり似非クリエーターで「ふん!アナタはマックじゃないんだ、ウインドウズなんだ?」と上から目線で見下したように言う人間たちは、その当時余程ヒマで仕事がなかったのだろう。
驚いたことに今でもそう言う輩が居るのに驚かされるが、世界の70%がウインドウズ系PCで動いている実情はこの事実を裏付けているのではないだろうか?
もしくは当時官公庁など大きな得意先へ自分で直接PC作成物でプレゼンしたり・・という直接ビジネスをしない、当時下働きの立場だったのだろう。時代が今とは相当違った頃だもの。
で・・・。
昨日の世界のデジタル界の大混乱をご存じだろうか?
セキュリティ・ソフトの不具合で世界中が大混乱になったという。
航空券の予約や航空便の運航、保険の対応(事故処理・申請・支払)ファーストフードの注文・販売などが全て「真っ白状態」になり動かなくなったという。特に米国での航空便欠航3,300便とは台風や地震災害以上ではないだろうか?
1日経った今朝もまだ余波が残っている様だ。
しかしこれだけの騒ぎ・売上損失に対して問題になったセキュリティ・ソフト会社は「申し訳なかった」と詫びるだけで済まされ、金銭的保障などは一切行わないのだろうか?
そのソフトを使用する際の約款に「当社のソフトを使用することで、不都合が起き金銭的損害を被っても当社は一切責任を持たず関知しない。それでも良ければ使用されたし」みたいなことが書いてあるんだろうか?
被害を受けたパソコンは850万台だという、これが近い将来億の単位になるだろう。
たとえ書いてあったとしても、どうも納得いかない。「当駐車場内で起きた施設・装置の原因以外、一切のトラブル、事故・盗難などには関知・責任を負いません」てのと同じだろうか?しかしそれで良いんだろうか?
そのうち飛んでいる飛行機が使用ソフトが原因で墜落したり、衝突したり、発着時の事故に繋がったりしないだろうか?
これは郵便局で郵便番号をデジタル機械が読み取り間違いを起こして、熊本の知人宅へ行くべき郵便物が、十勝の牧場へ届いてしまうのとは違うだろう?人間の命にかかわる事態に発展する日もそう遠くないと思う。
何でもかんでもスマホを使用してQRコードから入って処理しろだの、LINEで申し込めだのデジタル・通信・セキュリティ多用の現代社会。そろそろ大きな障害・事故が起きて大混乱になる様な状況の足音が聴こえているような気がする。
天変地異、地震、水害、山火事、更にはいつ来るか判らない小惑星の衝突・・・これらよりはるかに身近で今すぐにでも起こりそうなデジタル・通信・セキュリティの異常・暴走による大事故。
今回の事故はそれらのホンの始まりじゃないのかと憂える団塊爺だ。