2017年6月1日木曜日

繁殖期も続くヤマセミのガラス窓アタック! Crested kingfisher is still attacking windows in a breeding season.

  ヤマセミの生態で非常に面白いのがその攻撃性だ。元々種として全般的に気が強いのか、山奥では無く人里、それも人口3万を超す人吉市周辺だけに棲む個体にだけ観られる特徴なのかは定かでは無い。

 しかし、ガラス窓にアタックする姿はYouTubeなどでも観たことがあるので、ヤマセミそのものの持って生まれた性格なのだろう。このヤマセミの窓アタックは、想像だがガラス窓に映った己の姿を縄張り荒らしのライバルだと思い込み、執拗に攻撃するもの。

 人吉界隈では、3カ所でのそれぞれ別の個体の様子が、動画と静止画で詳しく収録されている。筆者が投稿したバージョンは個人宅なので画像解像度を低くして場所が判らないようにしてあるのでご了承いただきたい。
    https://www.youtube.com/watch?v=qDwIViAaA-w

 今日のこのブログでの画像は先々週5月18日の早朝05:50のもので、日が昇ってすぐの事だった。
 此処でのアタックは数年前から行われており、通年で観られる行為だが、そろそろガラス窓に映るヤマセミは己の姿だと思っても良いのではナイだろうかと案じている。

 6年ほど前、鹿児島県のある旅館の池に繁殖期のヤマセミが居着いた際、大広間のガラス戸に毎日ぶつかりにくるのでどうしたものかと相談を受けたことがある。その際は大きな葦簀(よしず)を立てかけたら?とアドバイスをしたらアタックが止まったという。南九州ではよく在ることのようだ。
1羽でも行うが、基本的には2羽で来て騒ぐことが多い。




どうやらくちばしに泥が付いているので、遅い繁殖の巣穴掘りの最中かも知れない。今年の人吉界隈の繁殖は此処7年間で一番異常だ。春先の低温のせいだろうか?街中で幼鳥教育を行うファミリーは順調だが、少し郊外のエリアで時期のバラツキや異常が見られるようだ。

鳴きながらカラス窓に突っ込む姿は他の野鳥にはなかなか視られない生態かも知れない。
角度を変えて色々撮影してみた。

こうして2羽で繰り返しアタック、約20分間。

さんざん窓アタックをした後、自分のテリトリーへ戻っていった。

真冬の撮影だと、このヤマセミの行動は日の出の遅い南九州では、時間的にまだ相当暗い時に行われるが、初夏の今は既に陽も上がっておりどこかに隠れて観察撮影の必要がある。従ってどうしてもこういった迷彩メッシュを被っての行動に成ってしまう。これにはこの畑の持ち主の方(この方々の協力が有ってこその事)にも大笑いされてしまった。

 普段働いている農家の方はヤマセミにその顔を認識されており、頭上を越えて行くことすらあるそうだが、たまに来る筆者の様なよそ者に対する野鳥の反応は非常にシビアだ。