一方で、カーブした崖の傍を流れ、長年の浸食で深い淵を形成している場所で、ヤマセミが繁殖するに最適のシラス壁や赤土壁が絶壁にん在っている場所は、人間も容易に近づけない場所に成っている。
大概こういう場所は「~の淵」と呼ばれ、人吉中心に数カ所が存在する。
今日ご紹介するヤマセミの生態は、その中の一カ所で観察撮影された思わず笑いを誘う一コマだ。
簡単に言えば繁殖期にオス・メスつがいが共同で巣穴掘りを始めてしばらくの事、一緒に穴に向かったオスがメスに続いて穴掘りをしないで木の枝にとなった後、言い争いをしながら飛び立った後、空中で飛びながらメスがオスの頭を小突いたのだ。
気性の激しいヤマセミならではの生態と見えた。人間の夫婦でもこういう事はたまにはあるに違いない。
巣穴掘りはつがいが2羽で同時にもしくは交互に行うのが普通だ。
この際は一緒に連れ立って上の方に見える掘削中の穴に向かったつがい。
メスが先に巣穴にくちばしを突き立てた。
ところが、次に続く筈のオスが日和って(古いね!)右の羽休めの枝に向かってしまった。
崖の横なのでホバリングに近い飛方で移動した。
木の葉の陰で姿が見えなかったが盛んに鳴き合っているのは聞こえた。
突然!木陰から二羽のヤマセミがもつれ合いながら出てきた。
明らかに後ろが前を追い、通常の飛び方では無いのは見て取れた。
あっという間に空中で後ろが前のヤマセミに重なった。後でパソコンで確認hしたら頭を小突いたように見える。
小突いた後、二羽は左右に分かれたので明らかに気が立ったメスが働かないオスを小突いたと思われる。初めて見た生態だった。
ちなみに撮影は2013年の5月。4年前の繁殖期のデータだ。場所は人吉市郊外の人家からは200m以上離れた崖地。それ以降此処での繁殖行動は4年間無い。その後大崩落が起きてこの壁は今は見る影も無い。