2018年1月3日水曜日

正月三が日メジロの徹底的生態観察。 This is the ecology of Japanese White -eye in 3 days of new year 2018.

 元旦から行った武蔵野野川流域の探鳥だが、昨日・今日と風が強い上、野川自然観察園も未だ休園日なので、今日は年末からの探鳥結果を整理している。
 その中で今年はやたらメジロの数が多い様に感ずるので、メジロ画像だけを抽出してみたら、色々な採餌行動が判って来た。今日は身近な野鳥メジロをまとめてみた。

 図鑑その他文献でメジロの生態を見てみると、花の蜜、果汁を好み、育雛期においては昆虫も食すとある。筆者がこの正月元旦たった1日で撮影出来た画像と観察記録を見る限り、遥かにもっと幅広い採餌行動を行っている事が判っている。元旦1日で撮影したメジロの採餌行動を箇条書きにすると次のようになった。

 ① 花の蜜・樹液:桜、椿など
 ② 木の実:赤、紫、黒色の木の実
 ③ 羽虫 :空中でフライングキャッチを行う(冬季に観察)
 ④ 落ち葉の裏の虫:冬季落ち葉をひっくり返して採餌
 ⑤ 蜜柑・塾柿:住宅街で庭や軒先につるされた干し柿を狙う

これを見る限り図鑑や文献が充分生態に関して調査し掲載していない事が良く判る。山と渓谷社のバイブル的「日本の野鳥」においてもこれらの半分の掲載もない。

 一方で黒田長禮著/小林重三画の鳥類図鑑バイブル「鳥類原色大図説」に寄れば何と色々なメジロが掲載されている。この図鑑の発行された(オリジナルは非売品)昭和7~8年頃の日本なので、台湾や朝鮮半島の野鳥も掲載されている為メジロの種類も多いのだろうが、素晴らしい文献だ。やはり本当の図鑑は撮影環境の光の具合で色が異なって見える写真ではなくイラスト・絵画の方が適している事を痛感する文献だ。
日本三大鳥類図鑑の内一番右側が「鳥類原色大図説」

自分としては高価なものだったが、長年苦労して探してオリジナルを手に入れて良かったと思う。オリジナルの非売品なので版権はどうなるか判らないが詳細までは判別でき難い状態でご紹介したいと思う。

一言でメジロと言ってもこれだけ(上段の上半分はミツスイなので異なる野鳥)いるのだから判別は大変だ。

 今日ご紹介できるのはこの正月元旦一日でのメジロなので、桜はもちろん白梅も殆ど未だ咲いておらず、蜜を吸うのは椿だけだった。今のシーズンは花の蜜より木の実の方が採餌しやすいのだろう。黒い実は神社境内だったので榊の実もしくは姫榊の実であろうと思う。
 赤い実は多くの樹木の実があるので何の樹か判らない。ナナカマドなのかズミなのか・・・。

道路わきの神社境内のメジロ。神前にお供えする榊の実を頬張っていたが、この前は高さ5m程の枯れ枝から空中に飛び出しフライングキャッチを行っていた。繁殖期でなくとも羽虫は食べる様だ。


何に木の実か判らぬが、そう沢山は残っていなかった。



得意げに見せびらかしているのか、なかなか食べなかった。

こちらはピンク色の椿の花蜜を吸いまくっていた。チーチー鳴きながら吸っていたが何か意味があるのだろう。嬉しさのあまり鼻歌か?とも思ったが厳しい自然界でそういう事はまずあるまい。

写真的にはこういう絵が歓ばれるのかもしれないが・・・。

生態観察的にはこちらだろう?

この後地上に降りるのだが・・・。

枯葉をひっくり返して、シロハラやツグミの真似をしていた。

首尾よく採餌できたか否かは不明。

こちらは見事に蜘蛛だか小さな虫を得て飛び去るメジロ。ちゃんと繁殖期ではなくとも昆虫も食べる様だ。

 身近なメジロだが、観察していると興味は尽きない。