2019年5月23日木曜日

ツバメの巣造りの基本は良い土と良い民家。 Basic elements of making the nest of swallow is good clay and good human house.

 5年程前、熊本の菊池市で行われた素晴らしい野鳥の写真を撮られる安藤博人氏(写真家兼、ブルーベリー農園経営、養蜂家、そば打ち職人)と則子夫人(芸術家)の展覧会へ行った。この方の撮る野鳥写真はとてもではないが自分には撮れない。自然を良く観察し、何処にどのような野鳥が来るか背景を予測しないと、とても撮れない画像ばかりだ。

 熊本県はおろか国内を見渡してもこの安藤さんのような凄い写真は観た事が無い。この展覧会で観たとき非常にショックを受けたが、同じ野鳥撮影でも筆者とは目的が異なるも野鳥に向かう姿勢は共通点が在るので、大変勉強になった。事あるごとに想い出して撮影に臨んでいる。

 この菊池市での展覧会へ行った際に、会場のわいふ一番館という公共施設の関連建物の軒先に見事なツバメの巣があった。
何と巣がグラデーションになっているのだ。多分採取する泥の色が微妙に変化する場所で採り、順番に咥えて持ってきて巣作りをしたものと思われる。
関東ではまずありえないが、ツバメが採泥する場所さえ判れば無害な色素を撒いておくと面白い巣が完成するかもしれない。

 要はツバメは梅雨に入りかけの小川やため池の泥と枯草の藁を混ぜ合わせて巣作りを行う。このツバメにとって、一番重要なのは良い泥の存在と安全で雨露をしのげる場所の確保だ。地方の場合一番それに適合している雨露しのぎの場所は、高速道路のサービスエリアのトイレや一般道の道の駅のトイレなのだ。

 入れ替わり立ち替わり出入りする人々は、せいぜいツバメに見とれても5分が良い所。旅を急ぐお客さんは長居をしない。ツバメはそれを良く知っている。勿論そんなところにトビやカラスは来ない。ましてや四つ足の獣は絶対に来ない。
地方ではツバメの巣の材料は至る所に存在する。

熊本市のど真ん中に在る江津湖という大きな池の泥を採るツバメ。

時には尻もちをついたりする。

口いっぱい頬張ったツバメ。




巣造りが終わる頃繁殖が始まる。