2019年5月1日水曜日

霧ヶ峰・八島湿原の奥の山小屋ヒュッテで過ごす3日間は至福の時。 It is a blissful time to spend at the mountain hut in the back of the Yashima wetland in Kirigamine.

 戦後しばらくして、裕福なブルジョア階級が避暑地などに別荘を持つことが流行り、三宅邦子や三益愛子、轟夕起子、津島恵子などが母親役を演ずる映画などには必ず軽井沢や伊豆の別荘が出てきたものだ。それもまだセンターラインの無い湘南道路を外車で飛ばすシーンなどを経由して、別荘へ行くシーンなどが幾度も流れたものだ。

 はなから余談だが、故・津島恵子さんには新富町の洋食「煉瓦亭」で同席することがあったが、普段でもスクリーン同様非常に品のある奇麗な方だった。

 今日からいよいよ令和の時代に成ったが、YAMASEMI WEB BLOGの新時代第1話は二時代前の昭和の頃をベースに令和時代最初のブログをスタートさせてみようと思う。
Google画像より

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 そのお金持ちのステータスシンボルが、実は大変面倒くさくて厄介だという事に気が付くのにそう時間はかからなかったようだ。家は人が住まないと普通に人が住む住宅の10倍以上の速度で朽ちていくと言う。これは単に物理的な理由だけでは無い様だ。家の主が居なくなって、放っておかれる普通の住宅街の家の朽ち方も全く同じだ。筆者の住む武蔵野・三鷹エリアでも最近こういう無人の廃屋が増えているから良く判る。

 高いお金で別荘と優越感を手に入れた人達の、年に数週間しか滞在しない山奥の別荘の維持管理が如何に大変か随分と話を聞いた事が有る。30年ほど前カナダのログハウス=丸木小屋がブームになり、何かのご縁で建築見本を一棟タダでくれた上、移築までタダでしてくれるいう話に乗りかかった事が有った。しかし、その維持管理の大変さと20年間のコスト計算を別荘持ちの友達4人に聞いて、よく考えた後やめた事が有った。

 考えてみれば、別荘を持ったら其処にしか行けないのだ。気分を変えて・・と言っても行くルートを変えるか、いつも正面から入る別荘に裏口(あればの話)から入る程度の変化しか無かろう?

 それに比べると気に入った幾つか行きつけの山小屋に年に数度訪れ、時に数日滞在するほうが変化もありコスト的にも相当リーズナブルだと気が付いた。その後全国にそういう「お気に入り」のシークレットを何カ所か持つように成った。


 霧ヶ峰の八島湿原の一番奥に位置する「ヒュッテみさやま」は最近のお気に入りの一つだ。最初に訪れたのは確か12年ほど前の初夏だったような気がする。かって蓼科の蓼科牧場の傍に通っていたわが母校・都立広尾高校の寮(今はもう無い)が在って、そこを懐かしんで訪れた時だ。その際は八島湿原を一周する途中で立ち寄り珈琲を飲んだ記憶があるが、それだけだった。

 それが、野鳥の撮影を行うようになって頻繁に訪れるようになってから宿泊してみようという事になり、ここ3~4年泊る事が増え始めたのだ。テレビ、新聞、ラジオと言った俗世界のどうでも良い情報ばかり流すメディアの洪水から逃れ、その日の午後の天気や明日の天気だけ気になる自分自身大昔の「時の流れ方」に戻れる時間が妙に心安らぐのだ。

 ここで「ヒュッテみさやま」のPRをストレートに行うのは若い管理人さんも面映ゆいだろうから、此の山小屋を取り巻く環境画像と普通は自炊も出来るが、頼めば出してもらえる食事などの画像その他で推し量っていただきたい。

 筆者は味にはあまりうるさい方だとは思わないが、このハンバーグに関してだけ言うと、前回より明らかに少し味が落ちたような気がする。

 器はもう少し大きかった様な気もするが、この前回までのハンバーグの美味しさのファンは私以外にも非常に多かったと思う。
 二度目という事で前回の美味しさの感動に期待値が高すぎたのかもしれないが・・・。味覚というものがお客を引き付ける大きな要素であるという一般常識はこの宿泊業界では大事な事だ。

お昼は昼間喫茶・軽食を営業しているので、カレーかキノコピラフを別途注文できる。

 Wifiはこの1階の食堂スペースでのみ受信できるので、食事後ブログ更新など可能だ。このブログ自体そうして打ち込んで更新している。テレビも新聞もないが、PCがあれば俗世界との窓口は繋がっている。

 ネットで観てよさそうだから「行ってみる」など、他の豪華なリゾートと比較してはいけない。正直車で乗り付けられない不便さ、駐車場に車を置いて数か所壊れて危なっかしい木道を20分以上歩かないとたどり着けない。歩きに難のある方には決してお勧めできない場所だ。
 いつも泊めて頂くのは片屋根のベッドの部屋。撮影行で疲れ切ったままドーンとすぐ横に成れるのが良い。さらに寒い時期の山小屋は床が冷えるから、少しでも床高のベッドの方が暖かい。部屋の中からキジやノビタキの写真が撮れるのも他ではない貴重な事だ。

小雨でも部屋の中から300㎜ズームで!

トイレもウォシュレット付きの保温トイレではなく、一応座れる洋式だがポッチャントイレだ。これだけの山奥ではこれでも相当清潔感のあるトイレだ。残念だが写真は掲載しない。

 このヒュッテみさやまをベースに八島湿原をくまなく探索すれば、野鳥観察、植物観察、タモリじゃないが地形・地学観察に最高の理科系アミューズメントを楽しめる。晴天日に鷲ヶ峰へ30分登れば八ヶ岳~富士山はもとより北アルプス~木曽御岳、美ヶ原から岡谷の街、反対方向は浅間山まで一望できる。

八島湿原一周だけでも結構フォトジェニックな被写体に出会えよう。


 出来上がった「アミューズメント・メニュー」を選択して楽しむことにだけ慣れた人間や、「旅」が物見遊山だと思う方々には難しい隠れ家だ。
 多少ストイックな時間の過ごし方だはと思うが、自分で何かを見つけて能動的に楽しめるタイプの人間にとってはこれ以上の場所はないだろうと思う。

 とにかく大自然、フィールドが大好きな方にはお勧めのエリアだ。