2019年11月17日日曜日

団塊世代の世相分析・愚痴コラム、VOL.6  Baby boom generation's social analysis, grumble column, VOL.6.

 団塊世代はあえて言う、セブン-イレブンは全店24時間営業の見直し程度の業態改革だけではなく、看板通り朝7時開店夜11時閉店に戻すべきだろう! The baby boomer dares to say, Seven Eleven should be open at 7 am in the morning according to the signboard and closes at 11 pm!

 24時間営業のセブン-イレブンが実はとんでもないブラック企業だと言われて久しい。事実,全国各地フランチャイズのオーナーは悲鳴を上げている。出店契約上の制約・店員不足、制限・裏ルール・強引な無断発注などに追い立てられ、人間的な生活を出来ていないという。経営・運営が苦しく自殺者も出たという噂があるほどで、最近のネット情報をつぶさに読んでみると、その実態は相当深刻なようだ。
https://matome.naver.jp/odai/2145526237876138901?&page=1

 いずれにせよコンビニ店内でビールやワイン、酒・焼酎まで売れるのは、元が酒屋さんだったからだろう。建物建築うんぬんより酒類販売免許の方が取るのは大変だ。だから酒屋は昔から代々引き継がれてきた老舗が多い。もちろん地元の人々との結びつきも強固だ。酒が取り持つご縁を決して侮れないのはいずこも同じ。

 筆者が横浜の大学時代、サッカー部員伝統的バイト先久保町商店街の酒屋さん「徳島屋」で4年間バイトしたので、そのあたりは良く判っている。その酒屋さんも今やセブン-イレブンになってしまい跡形もない。実は今日の話は24時間営業のコンビニが問題だという事で、セブン-イレブンだけの話ではないのだ。
昔バイトした酒屋さんがセブン-イレブンに!

https://this.kiji.is/502712021915042913

 例えに使っているこのセブン-イレブンがセブン&アイ ホールディングスの1社になった3年後、2008年北海道洞爺湖サミットが行われ、札幌ドームで「2008北海道洞爺湖サミット記念環境総合展」において地球環境問題に関して出展各社のCSRアピールが行われた事が在った。サミット関連でメディアが注目するということで、各企業はこぞって社会貢献CSR活動を地球環境保全問題にシフトした事はどなたも覚えておられよう?
当時の7&iホールディング各社で出していた二酸化炭素量比率グラフ。当時のパンフ。

札幌ドームでの環境総合展7&iホールディングス ブース。

関係者と記念撮影、筆者センター赤いジャケット。

 このセブン-イレブンの属するセブン&アイ ホールディングスもご多分に漏れず、セブン -イレブンの店頭に並ぶ自社製各商品は全て製造過程や運搬過程で、どれだけの二酸化炭素を排出しているかを正確に商品に表示し、必死になって「企業としての正直さ加減」をアピールしたものだ。

 一方で、毎年11月に東京ビックサイトで行われるエコプロダクツ展という、各社CSRを目いっぱい自己主張する環境イベントがあるが、たまたま2008年開催のエコプロダクツ展に出展するセブン&アイ ホールディングスのブースを競合プレゼンの結果、担当することになった。筆者の勤務する広告代理店は、既に田町から華やかな赤坂サカスに移っていたので、業務打合せで四谷のクライアント本社まで毎日往復歩いて通った。

クローズド形式の企業PRブースとして非常に印象的な展開が行われた。

 出展内容はコンビニが24時間営業する理由を、ジオラマでまる一日を15分に仕立ててて説明するもので大人気となり、連日長い列がブースを取り囲んだ。

 自社のおにぎりにまで二酸化炭素をどれだけ輩出しているか表示して、他社との差別化を誇ろうとしたほどだ。そんなもの誰も見ないってのに・・・。これらは「全コンビニでこんなこと始めたら、余計な二酸化炭素量を吐露し増やす事になり、COP3(1997年)の京都議定書を日本が守りにくくする」とメディアも取り上げず一企業の自己満足の域を越えていなかった。

 こうしたキレイ事をアピールする一方で、売れ残りの弁当や期限切れの食品の大量廃棄に関しては、しらばっくれてマスコミの眼から隠そうとした。要はお客に便利だと思わせる一方で、その体制・体面を保つためにどれだけ地球環境に悪い事をし続けて来たかを隠し続けたのだ。メディアもこの矛盾を突いたことはなかった。

 商品がコンビニ店頭の棚に並ぶまでに、こんなに地球環境に良い事をしています・・と言う裏で、どれだけ地球環境に悪い(廃棄・処理段階で膨大な二酸化炭素を放出する)ごみを捨て、無駄を作り出しているか?
 その地球環境に良い事と悪い事を相殺してご覧よ。圧倒的に出している無駄・ゴミの方が地球環境に対して有害だろう?

 実は、ヨーロッパの各国も、自国で出る大量のごみを植民地やかっての植民地・属国に運搬し廃棄している事実が明みに出ているので、欧米中心のIPCCにしろCOP3以降の環境会議にしろ、事実はいい加減なもののようだ。二酸化炭素排出権など必ず裏側には金儲けの仕組みがうごめいている。アフリカ諸国などに行けばプラスティックごみ、家電ごみの山の場所がいくらでもある。

 こういった、偽善的な大きい企業姿勢・国家姿勢の裏で、コンビニレベルにおいて冒頭に出てきたような、フランチャイズ店の経営者・従事者に対して、相当きつい縛り付けや規制を課していた問題がメディアにより明るみに出始めた訳だ。

 これら大量廃棄弁当など「無駄が生む環境破壊」の原因はただ一つ、本来朝7時開店~夜11時閉店が謳い文句の「セブン-イレブン」を後先考えず利益・売上のために24時間営業にしたことで発生する大いなる無駄が、すべての原因!
 「お客様の便利の為」が実際は「企業としての利益向上」の為だったわけだ。

 今やインターネットの普及で世界のニュースと株は24時間稼働し、銭儲けは止まることなく地球上各国で動いている。したがってそれに従事するビジネスマンや投資家が24時間稼働しているのだから、そのお客さんたちの為に24時間体制でコンビニエンス・サービスをするのが、セブン-イレブンの役割だ・・くらいの感じで表向き始めたのかもしれない。

 しかし、夜中の2時3時におにぎりや夜食が欲しい? 文房具が不足した? 徹夜で会社に泊まるので下着がいるだの、髭剃り洗面用具がいる?
 こんなもの、先を見て準備しあらかじめ用意しておけば済む話だろう?いつでもコンビニが在るから、24時間いつでもそこで買えば済むから・・・と先を読まない、だらしない人間が日本中に生まれ・はびこる事に成ったのだ。

 百歩譲って、そんな真夜中12時過ぎ朝5時まで開いているべき店は各盛り場や、東京の場合各区内にそれぞれ数店舗開いていれば済む話だ。

 どうしても何かコンビニで売っている物が必要なら、少し離れていてもタクシー飛ばして買いに行けば良いだけの話。例えば真夜中に珈琲が欲しければ、コーヒーメーカーでも置いて対処すればいいだろうと思う。お湯を沸かしてカリタで入れればいいのでは?

 何も歩いて数分のところに、煌々と明るくするために無駄な電気を使って、各社のすべてのコンビニが稼働している必要は無かろう?

 要は、売上向上・利益向上のための出店計画=マーケティング戦略に関しては十分考えたのだろうが、どれだけ稼働率があり、それを維持するためのリスク・マネージメント、などのマーケティング行動を全然行なっていない!という一言に尽きる。

 何でもかんでも便利が当たり前、と言う世界で育った人間はサバイバルを体験したことが無いのだろう。選択能力ばかり発達し、自分で物を造り出したり、発想したり、工夫したり、のクリエイト出来る人間が減る。同時にどんどん人間が弱くなっていく。

 そうして、そういう「24時間営業のコンビニなしでは生きて行けない」などとホザクわがままな消費者たちの為に、セブン-イレブンで働く人々の自由を奪い、彼らにストレスを溜め続けているのだろう。こうやって、このブログではとりあえずセブン-イレブンを例にしてみたが、これは決してセブン-イレブンだけの事ではなく、すべてのコンビニ、24時間営業のお店に共通の話だ。

 筆者は言いたい!コンビニとスマホがどんどん人間をダメにしている、バカを増やしている、人間を退化させている。

 停電で、水道が止まり、スマホに充電が出来なくなり、ガレージのシャッターが上がらなくなり車が出せず、トイレが流れなくなり、エレベーターが止まり、コンビニも配達が止まって在庫切れだらけで機能しなくなる。電気の無い生活が直死に結びつくことを知った今年の日本人。今年の10大ニュースや流行語大賞で浮かれているようでは、まだまだ本当の怖さを理解できていないのではないだろうか?

 キャッシュレスに慣れてしまい、ネット・バンキングのセキュリティやシステムトラブルで、いつの間にか自分の財産が無くなった事にさえ気が付かない時代はもうすぐ目の前だろう?リアルの大切さ、リアルマネー、リアルフレンド、「現実」の大切さをこのコンビニの24時間営業問題がが教えてくれているような気がするのだが、如何だろう?