2019年11月3日日曜日

団塊世代の世相分析・愚痴コラム、VOL.4  Baby boom generation's social analysis, grumble column, VOL.4

 団塊世代、団塊世代とこのブログで色々な事象に関して言いたい放題書かせて頂いているが、あくまで一般的なもので、ある特定の個人を攻撃したり具体的な名前をあげつらって叩いている訳ではない。

 芸能人や政治家、メディアで名を上げ、有名になった自分を売る事でお金を稼いでいる御仁は別だが。

 時々勘違いして「お前、それは無いだろう?」と文句も承るが、「君の事ではないので、悪しからず」とお詫びする事が多い。まあ、書き方、モノの言い方が偉そうで強気で気にくわぬ!という御仁も時たまおられるが、逆にそれだけ親身になって、丁寧にブログをご覧いただいていることの裏返しだろうと思っている。大変感謝している。

 ヤマセミ生態観察で良く行く熊本の読者などからは「ぬしゃ、昨日んとは辛口すぎてキツかばい!」というメールも時々頂いた。重々お詫びしたいが、しかしこれは今後も治るまい。

 実は、逆に小気味良いと応援いただく事の方が結構多いので筆者も図に乗ってしまっているのかもしれない。しかし受け手の「取り方」はとても大事なのでいつも気にはしている。

 筆者はこのブログを始めるきっかけになった人吉市のヤマセミの生態を研究し始め、6年ほど経った頃からそこで暮らす人々との関係の面白さに気が付きプラスアルファで研究・観察してきた。
 此処2年間はヤマセミがきっかけで動き始めた人と人の新たな結びつき・関係が面白く、その情報発信を自分なりに行った結果、思いもよらぬ広がりに発展して驚いている。

 それまでのヤマセミの生態を観察しながら証拠画像を収録しヤマセミの生態をまとめるだけの行動から、ヤマセミ由来の繋がりで広がった異種・異業種の人々とのコミュニケーションが増え、人吉へ行ってもヤマセミそのものから少し離れる事も多くなってきた。

 いわばヤマセミ由来で、人間同士の協力関係が広がっているという事だろう。これを「共存共栄」と呼ぶのか「協力波及効果」なのか色々な言い方が出来よう。一つの事実・状況に関して色々な見方・言い方がされるのは全然かまわないが、「こういう言い方しかない!」と決めつけられるのは少々困る。

 自然界の人間を含んだ動物同士の協力関係は、共生、共存、共栄、共営、共在、共棲、新しい所では共創等が考えられるが、呼び方などはどうでも良いと思っている。だいたい各熟語の示す内容の「定義」などしっかりと確立されている訳ではないので、ある意味どれにでも当てはまるのだろうと思っている。共生と呼ぼうが、共存と呼ぼうが好きにして良いと思う。

 どういう言葉・単語でこの状況をくくろうと、それは視点が変われば表現も変わるだろうと思うのでそう大したことではないと思う。事実をどう表現しようとそれは他人の勝手。

 事実だけはウソつかないし、今までもこれからも変わらない。
 しかし、このヤマセミ由来(~が原因)で人間同士の協力体制が広がり、更にまたそのブロックが分化して新たな「領域」が生まれるのは面白くてしょうがない。

 簡単に羅列しただけで、この図のように成るが、実はこれに入りきらない10項目以上の波及効果が生まれている。 
具体的な成果・効果だけチャートにしてみた。この成果に至るまでの手法やメディア活用などは別途。

この図だけでも次のような大きな効果が生まれた。

① 昔から球磨川流域でヤマセミを観察し続けてきた地元の方々の想い「是非ヤマセミを人吉の鳥に!」を何とかサポートできないか?を始めたのが2011年。この運動と途中経過、関わった人々の物語だけで一冊の本になる。地元観察者、鳥類研究者、鮎漁師、人吉市文化人、菌類学者、鳥類学者、老舗旅館オーナー、リゾートホテル支配人、神社総代、県会議員、歴代人吉市長、などなど。

② この運動促進のサポートとして「人吉市のヤマセミ写真集」を4種自費出版、地元中心に無償配布。

③ 地元の方々含め多くの方々の努力の結果、ヤマセミが「人吉市の鳥」に指定された。これに関わる行政の人々の多岐に渡る動き。市民への理解促進で行われた「ヤマセミサミット」実施など。球磨川繋がりで下流の八代市でも勉強会が実施された。

④ 日本でただ一つ、「山翡翠神社(ヤマセミ神社)」の俗称を名乗る神社が誕生。新たにお札も発行し、メディアにも取り上げられた。

⑤ JR九州が新しい観光特急に「かわせみやませみ号」と名付ける列車を運行開始。(※このプロジェクトに参画)

⑥ NHK総合テレビ「ニッポンの里山」で取りあげられ放送。(※番組制作に参画)

 以上は団塊世代の筆者が長い広告代理店の経験値をふまえ、「ウソや他人の成果の横取りは一切いけない」という世の中の基本ルールに基づき、一種のライフワークとして進めてきた研究の成果だ。

 かの鳥を描かせたら第一人者の伊藤若冲ですらついに描けなかった、出遭い難い野鳥のヤマセミだもの、文献や生態説明学術書などはほとんどない。
 事前情報や乏しい文献記述を刷り込まれて「思い込み・学習知識」をベースに生態観察するより、自分で見たままを記録し、画像と観察データをもとにレポートを蓄積し、逆に今までの文献の正誤を確認・指摘したほうが、より正確な資料を残せるだろうということで「参考文献」を羅列するレポートは作成しない方法をとっている。

 これらは限られた時間と費用を大切に使いつつ、リタイヤ後の人生と共に積み重ねてきた事。実はこのブログでも過去において少しづつご紹介してきた内容なのだが、この先どれだけ残された時間が在るか判らないので、このブログで研究の全容を順序を追って系統立てて、日々ご紹介していこうと思う。

 段階的だが・・・。

① 今まで誰も知らなかったヤマセミの生態と特徴(画像証拠・観察記録)。

② ヤマセミと鮎漁師(人間)との面白い関係(画像証拠・観察記録)。

③ ヤマセミがきっかけで広がった人間同士の発展の輪(物的証拠・画像記録)。

これを1年かけてこのブログでご紹介し、来年の秋にはそれを1冊のレポート本(自費出版・非売品)にまとめ無償配布しようと思う。文献が少ないヤマセミの生態、観察者・研究者の役に立つ事を目論みたい。

 実はある所(閉鎖された学術的な研究グループ)で発表するために色々準備していたのだが、ヤマセミという鳥から色々発展して広がった人間同士のコニュニケーション事実を羅列し説明しようとしたところ、首脳メンバーから「これでは手柄話ばかりに見えてしまう」と評され「ハッ!」と我に返った次第。
 そういう風にしか取ってもらえないのか?これは信じられない様なショックだった。発展して広がった人間同士のコニュニケーション事実を知るだけで全容が把握できない人達にはしつこい説明をすればするほど「手柄話」に聴こえてしまうのだろう。残念だ。

 面白いから長年好きで行っている私費研究活動に「手柄」等という、人を侮辱した言葉は長い活動の中で思いもしなかった言葉だった。これは協力を頂いた方々全て(地元の方々・メディア・野鳥関係者)を侮辱するに等しい。
 瞬間に「しまった!これは相手を間違えた!」と思ったのだった。

 広告代理店という世界に長く勤めた人間は、常に「具体的成果、目に見える結果」を求められる。
 更にそれが「具体的な売り上げ・利益」を生み出す事で高い評価をされ、給与に反映し生活基盤が上昇する世界に居た人間には「定義・仮説・推論・推察討論・結果・発表」など、物理的・具体的な利益を生み出す成果が少ない学術の世界とは異なった価値観が存在する。

 要は、一般的な世の中では実質的有益な効果や結果が出ない研究はあまり意味がないし、高く評価されないのだ。山中伸弥さんのIP細胞しかり、リチオムイオン電池の吉野さん(1学年上)しかり、具体的・リアルな成果を伴えばこそ高い評価につながったのだ。
 広告代理店育ちの筆者もこの「常識」が長年身に染みている。説明の過程でその成果を羅列しただけで「手柄話」と言われてしまっては、もう先には進む気は失せるのも当然だろう?

 そこで思った。一部の閉鎖されたグループで発表するより、広く世間に詳細を順次発表するほうがはるかに世の為で有益だろう・・・と。
 気取った狭い閉鎖社会の、ヤマセミを知らない人たち100人程度に、苦労して「手柄話かよ?」などと言われながら説明するより、全国・全世界でこのブログを見てくださっている方々の「いいねぇ!感動したよ!」のメールを頂く方が筆者にとっては、はるかに有意義で嬉しい事なのだ。

 このブログだけでも日に世界中で2~300名の方が見て下さっている。Twitter やFacebook (これは限定されるが)合わせて相当数の方々に筆者のライフワークをお届けできればこれ以上の喜びはないと思うのだが如何だろう?