2017年5月31日水曜日

人吉郊外の高原(たかんばる)でオオヨシキリの飛翔を追う。 I chased a flight of Great reed warbler at the suburbs of Hitoyoshi .

  まだ人吉に滞在中だった今から10日前、5月22日のこのブログでご紹介した人吉郊外・高原(たかんばる)のオオヨシキリの飛翔シーンをお届けしよう。
http://yamasemiweb.blogspot.jp/2017/05/it-is-great-reed-warbler-in-takanbaru.html
 ご存じのとおり、オオヨシキリは水辺の葦原で盛んに鳴きあげるムシクイの中型野鳥だ。あまり詳しい事は知らないが2006年より前はムシクイの仲間に列せられていて、北海道でよく見かけるシマセンニュウなどと同じ仲間だったようだが、現在はヨシキリ科が新設されセンニュウ科とも細分化されているようだ。
 
 今まで、渡良瀬遊水地、霞ケ浦、あるいは佐賀県の大授搦(=東与賀干潟)の堤防内側の葦原で盛んに鳴いていたが、内陸、海から30kmの人吉盆地の高原の牧草地で盛んに鳴きあげる姿は、野生動物の環境への順応性の高さを感じざるを得ない。

 勿論、2km離れた高原下の川辺川の中州の葦原でも鳴いてはいるが・・。しかもこのオオヨシキリ、ウグイスが藪の中からなかなか表に出てこないのに似て、葦の穂先へなかなか出て来てくれない。
 したがって飛んで移動する際も葦の穂先ぎりぎりを飛ぶことが多いので飛翔シーン撮影のチャンスはなかなかない。

 今回は車の中から外へは出ないで、草むらから出てくれた2羽の動きを同時に追ってみた。うまい具合に電線に留まって鳴くものと、牧場の牛舎前の交通標識に留まって鳴く2羽を見つけ、その飛翔シーンを撮ってみた。
車の前方10mの電線の上で鳴くオオヨシキリ

牛舎の前の交通標識でなくオオヨシキリ。車が通る度に飛んでくれた。

後ろは牧場の牛舎

こちらは電線から飛んだ個体。


草の穂先ぎりぎりを飛ぶのでなかなか撮り難い。


多分ひと夏中目立つ事だろう。

2017年5月30日火曜日

ヤマセミの幼鳥は物怖じしないのだ!  Young birds of Crested Kingfisher not afraid of anything!

  通常、野生動物は自分よりも大きな他の野生動物を怖がり警戒するものだと言われている。ヤマセミが留まっている所にアオサギが来ると場所を退かされる。逆にセキレイ系が留まっている川中の手ごろな岩に、餌を咥えたヤマセミが食事のため飛来し、セキレイを退かして岩を占領する場面を幾度も目視している。

 これは野鳥に限らず、動物すべてに共通の本能だろうと思う。小学生時代小倉市(現在の北九州市)の製紙会社社宅に住んでいた当時(昭和35年頃)、各家に会社から石炭風呂用の薪(木材を輪切りにしたもの)を馬車で配給していた。
 此の馬車が近づいてくると、我が家の飼い犬はウマの姿が見えないのに、ビビッて庭の隅で震えていたのを想い出す。野生の勘なのだろう。

 しかし、生まれたばかり、巣立ったばかりのヤマセミの幼鳥は天真爛漫、怖いものなし。何処へでも行くし、何にでも興味を示す。親鳥は大変だ。親は幼鳥達が自分の眼の届かない所へ行こうものなら、すっ飛んで来て空中で体当たりして川の中に叩き落したりする。ヤマセミの幼鳥教育は超スパルタ式だ。

 今日のブログは、ヤマセミの幼鳥が隣に飛んで来たコサギの威嚇に全くたじろがず、気合いで対峙した結果、思わずフンと目をそらしたコサギに愛想をつかし、飛び去るまでの短いドラマをご紹介。この間26カットを収録した。
この岩に先に居たのはヤマセミ。其処へコサギが上から「どけよ!」とばかりに舞い降りて来た。しかしヤマセミ幼鳥は興味深くじーっと見入ってしまう。この対峙は8カットにも及ぶ(連写ではない)。

ヤマセミの幼鳥が物怖じせず退かないので、全身を震わせて大きく見せるコサギ。結構長く震わせて威嚇していた。しかしヤマセミは無視!

再びヤマセミ幼鳥がじーっと見入ると、目線をそらすコサギ。

今度はコサギが、ガン付けをするとヤマセミ幼鳥が無視!

で、今度はヤマセミ幼鳥が見返そうとするとコサギはあっち向いてホイ状態。フンという感じだ。

ヤマセミ幼鳥は遊んでくれそうもないと、隣の岩に移動した。コサギがいつまでも見送っているのが数カット画像として残っている。

同じ様なササゴイが相手の場合でも、ササゴイが興奮して冠羽を逆立て全身を震わせて威嚇している。これを見て初めて「マズいのか?」とヤマセミ幼鳥が場所を移動した。しかし画像を見る限り決して逃げる様な感じではない。


2017年5月29日月曜日

佐賀の大授搦(=東与賀公園)のシギ・チドリ群も去ったようだ。 It seems Snipe plover of Daijugarami area was gone.

  5月15日に人吉へ向けて佐賀の大授搦(だいじゅがらみ=東与賀干潟)に立ち寄った際はキアシシギはじめ、ダイゼン、チュウシャクシギ、ダイシャクシギ、その他のシギチドリがワンサカ居たのだが、思わず目の前で跳ね飛ぶムツゴロウやトビハゼに目が行ってしまい撮影に夢中になってしまった。

 動くものに目が行くという性格は、ひょっとして筆者自身が生物として恐竜時代から何一つ進化していない証か?野鳥撮影も樹に留まった野鳥図鑑のような写真だけでは満足できず、飛翔中や何かの生態証拠写真を好んで撮影しようとするのも、これから来ているのだろう。

 行きに立ち寄った5月15日の大授搦と帰りの今回27日ではまるで異なった景色に驚かされた。15日は中潮、27日は大潮だったので27日の方が手前の方まで海水が来て最前列の柵の内側はほとんど水浸し、長靴を履いても足元を取られる撮影者が居たようだ、カメラは大丈夫だったろうか?
 観察者は全国から来られているようで、たまたま筆者が停めた駐車スペースの5台も佐賀、長崎、福岡、鹿児島、多摩・・・と広域からの来訪だった。なおかつその佐賀ナンバーの方も、一人は神奈川県からの方だった。

 この辺りが大授搦(だいじゅがらみ=東与賀干潟)が全国的な場所である事を証明している。和気藹々と野鳥への自分の興味の持ち方、接し方などを自由闊達に話せる雰囲気が漂っており安心して野鳥観察や撮影ができる場所として、全国の干潟や干拓地の手本になる場所だろうと思う。

 たまたま此処に来ておられた複数県の方々の話でも、熊本県の北部の干潟や干拓地での嫌な経験談が出て驚かされた。地回りのような仕切り屋が巡回して、他県の車を見つけると何かと上から目線で指導し、早く出て行くように意地の悪い対応をされたという。実は2年前にも全く同じことを此処で聞かされ、熊本県でヤマセミの研究をしている者として非常に恥ずかしかったのを思い出してしまったが、今回は「やはりそう思われているのか」と、非常に残念な気持ちになってしまった。

 しかし、大授搦では地元のムツゴロウ漁師さん達も野鳥たちに関しては非常に詳しく、以前ブログに掲載した通り、事前に話を聴いておくと非常に有意義な生態観察ができるのでぜひお薦めだ、但し早朝の就業前に限るが・・・。
 
15日にはキアシシギもまだ居た、主に柵の内側へ幾度も飛来してきていた。

まさに水鳥の宝庫!有明海の大授搦は全国でも最大規模の野鳥観察地だ。15日の段階。

野鳥たちの獲物はワラスボなど泥の中に居る獲物だけではなく、トビハゼのように飛んでくれて採餌しやすい獲物も多い事が此処が野鳥の宝庫である理由だろう。太陽の影と水面への映り込みの二種類の影を映しながら飛ぶトビハゼ。

手前がトビハゼ、ジャンプ中がムツゴロウ!

そうして飛ぶとこうなってしまう。捕らえられたムツゴロウ。

勿論人間の食卓にも・・。柳川の夜明け茶屋で行く度必ず食す有明寿司、超美味だ。

具の大きな八貫で2千円しない!店頭ではワラスボ、ムツゴロウ、貝類など新鮮な魚介類が手に入る。ウナギの白焼きも売っていた。
ここの野鳥たちは干潟漁の漁師さん達と完全に共存している。

実際の距離感はこんなもの。

県外からの車が非常に多い、安心して野鳥観察ができる意味で最高の場所だろう。

地元の観察者たちも、プロ顔負けのハイアマ達も必ず声を掛け合って挨拶をする。

最終的な野鳥たちとの距離感はこれほど近い。

ほとんどが居なくなったとはいえ、27日にはまだこれだけの種類が混在していた。

ホウロクシギの最後の残り者か?


2017年5月28日日曜日

団塊世代・懐かしの小倉散歩。Morning walk of Kokura nostalgic for Baby-boomers.

 先々週の土曜日早朝に武蔵野を車(=SUBARU・レガシィ・アウトバック)で出て15日、約半月が経った。熊本県の人吉に10日以上滞在し現在福岡県の北九州市小倉まで戻って来た。この間の走行距離は2,700㎞を超える。単純に計算しても東京⇔北九州往復の距離にあたる。
 今まであまり一度に走行距離の長いドライブはしたことがなかった。長野オリンピック直前にスノーボードの国際大会などを企画運営するため、東京ー斑尾高原ー盛岡雫石ー北志賀よませー東京といった2000km程の出張ドライブはあったが、スタッフ同乗で単独ドライブではなかった。
 
 その点今回は、全て高速使用、早朝スタートで目的地ヘは昼前到着というスケジュールだったので肉体的疲労は殆どなかった。思えば一度は自分で車を運転して日本縦断を試みたかったが68歳にして実現できたわけだ。目的地近くの空港で借りたファミリーカーの運転と、ホイールベースの長いスバルのツーリングワゴンでは如何にドライブが違うか良く実体験出来た。ツ^リングワゴンの意味がやっと判ったような気がする。都会均衡をチョロチョロ走るだけで車の機能や性能を論ずる車番組や車記事が如何にいい加減なものであるかも理解できた。
 
 今回は自分が小学校1年生、つまり1955年、昭和30年に父親の転勤によって引っ越して来た小倉市(当時)の中心部を朝散歩した画像をご紹介。
 昭和35年に天守閣が再建された小倉城も実はその時以来の再訪なので、何と57年振り! 
思いのほか立派な小倉城だった、今まで遠くからしか見た記憶がなかったが、熊本地震で崩壊した熊本城の天守閣とほぼ同じ頃(1959年、熊本城は翌年)再現されている。この城の傍でその昔「小倉博覧会」が開かれたのを覚えている。

南蛮造りの天守閣が他の城とは違うエキゾチックさを出している。天守閣は上へ行くほど建物が小さくなるのが普通だが、此処小倉城は最上階にしっかりと大型の建造物が載っている。

実は、この小倉城は両サイドを大きな現代建築物に挟まれているので、城だけの撮影はアングルが限られてしまう。撮り方が難しい城だと思った。

細川忠興が基本を造り、小笠原氏の時代になって完成した小倉城と城下町。1837年の城内出火の為焼け落ちた天守閣は長い事再建されなかったらしい。

こちらは城内の八坂神社の外壁だが、いざという時の攻防用の砦機能も備えていたようだ。

一度に九人がお参りできる様に9本の鈴緒(すずのお、すずお)が下がっている。北九州界隈では最大の参拝者が来る。筆者も小学校時代は1年生~5年生まで5回初詣に行っている。
朝6時の日だまりで寝込んでいる神社猫。

珍しい建造物があったが、おみくじ販売の事務局のようだ。

昭和30年、東京から引っ越してきて当時の小倉駅(今の西小倉駅)から社用車で十条製紙の社宅へ向かう際この勝山橋を通った。其のときこの橋の上にずらーっと並んだ輪タクがとても珍しかった。既に東京には無かった。今はその同じ橋の向こうを新幹線が走っている。57年の年月の流れはやはり大きい。

何度も来ている小倉の銀天街だが、こんなものを初めて見つけた。


筆者が小倉に着た頃はこんな感じだったのだろう銀天街。

2017年5月27日土曜日

ササゴイも球磨川で幼鳥教育の真っ最中!Striated Heron of the Kuma River is also busy for the young bird education!

 人吉を後にして、熊本で一泊後佐賀の東与賀干潟へ赴いたが、シギチドリ群は殆ど去った後で、最後の部隊が数百羽残っていただけだった。此の様子はまた後日。
 今日のブログは昨日朝早くヤマセミを観察していて目の前を幾度も通過したササゴイの幼鳥教育の様子をご紹介する。

 ササゴイもまた非常に警戒心の強い野鳥で、他のサギ類よりは観察も撮影も行ない難いのは野鳥撮影を行われている皆さんもよくご存じだろうと思う。
 ゴイサギほどはずんぐりしていないが、首の付け根から上部が蛇のような不思議でなおかつエキゾチックな野鳥だ。そのゆっくりとした動作はアは一種不気味さすら感ずるが如何だろう?

 あなたが一番好きな野鳥は何?と訊かれて「はい、ササゴイです!」という人には正直あまり出遭った事がない。しかし、その奇妙な「ギャオン」という鳴き声と共に筆者にとっては非常に興味を感ずる野鳥だ、だからこそ思わずヤマセミを忘れてシャッターを押す。
ササゴイの幼鳥は顔や胸に縦縞模様がはっきりと判る、ゴイサギの幼鳥がホシゴイと呼ばれるのに似ている。いかにも幼鳥らしい。

前から見ると縞々模様が良く判る。

特に胸が判別しやすい。

こちらは親鳥、成鳥で胸の縞模様がない。

こちらが幼鳥、胸の縞がお判りだろう?


幼鳥教育はヤマセミやツバメと一緒、基本的には前が幼鳥、後ろに親が付く。

撮影者に向かって来るササゴイの親子。ササゴイの鳴き声はなかなか聴けないが、幼鳥教育のシーズンは盛んに鳴くので聴くことが多い。



2017年5月26日金曜日

早くも人吉ヤマセミの幼鳥教育は終りに近い。Chick education of Hitoyoshi crested kingfisher seems near the end already.

 ついこの間始まったばかりとこのブログでご紹介した人吉市内中心部でのヤマセミの幼鳥教育が今朝は鳴りを潜めてしまった。理由は判らない。ここ4日間盛んに右岸まで遠征して親に怒られ続けていた幼鳥たちがほとんど右岸に出てこない。朝6時30分から9時までの間今日は1回のみ。  
 しかし、オスの成鳥がオスの幼鳥を追い回して飛行訓練を行う事は、昨年の幼鳥教育でもご紹介の通り。今日の画像も二羽のオスが追いつ追われつを繰り返しているが、明らかに前を行くのが幼鳥だった。

 今朝は同じ水域でササゴイの幼鳥教育も行われていて、何度もササゴイが二羽で行き来していた。ササゴイの幼鳥はゴイサギの幼鳥がホシゴイと言われる様な体模様をしているのですぐに判る。成鳥の頭上が青っぽいのに比べ胸周り含め縦縞のブチのような色模様をしている。これはまた次回ご紹介。 
けたたましい鳴き声を上げつつ突然木々の間から二羽揃って降りてくる。

真っ白の羽根の裏面は二羽とも♂であることを示している。






一回りした後、揃っていつもの樹木に消えて行った。