2023年1月17日火曜日

ヤマセミの新写真集・候補画像の一部。その10.  交尾チャレンジ失敗!の巻、その2.Part of the new photograph collection and candidate images of the kingfisher. Part 10. Mating challenge failed! Volume 2.

 ヤマセミを長年間近で観察していて、繁殖行為の中でも一番直接繁殖と関係のある「交尾」に関しての画像記録は相当数に及ぶ。もちろん交尾行為の成果に関しては成功か失敗かは正確には判らない。

 ただ、交尾と言われるように野鳥の授精に関してはその他の動物とは異なって、凸凹の器官が結合して行われるのではなく凹凹の器官同士(=総排泄口)同士が不安定に重なった瞬間に行われるため、交尾回数がいかに多くても、その成功率はかなり低いと思われる。

上がオス、下がメス、赤丸で囲った部分が総排泄口、脱糞もここから行われる。

 詳細は文献を参照されたい。 https://animaroll.jp/bird/bird-knowledge/1033086

 人吉市滞在・観察中に幾種かの野鳥の交尾を撮影収録しているが、ヤマセミの場合は相当短い時間であることが見て取れる。長かったのがブッポウソウ、トビで、カワセミはヤマセミよりは長い様だ。しかし筆者が観察できていないだけで、ヤマセミの長い時間交尾が決してあり得ないとは言えない。

 ヤマセミを観ている限り、同じ個体が1日に行う交尾行動は最大で5回だった。もちろん日の出から日没までそのつがいに付き添っていた訳ではないので、この何倍も行っているかもしれないし、幸運にもその5回が全てだったかもしれない。

 同じ個体かどうか疑わしいと思われる方もおられようが、ヤマセミをよく観察されている方は疑うまいと思う。ヤマセミの縄張り意識は動物中でも最強で、自分のテリトリーに他のつがいなり他の一羽が入り込んだだけで大騒ぎになり排除行動に移る。

 やみくもに、わざと他のヤマセミのテリトリーに侵入するヤマセミはまず居ないと言って良い。しかし良い餌場、魚のたまり場などがバッティングするケースもあるため、時としてその周辺で縄張り争いのバトルが展開される。

 これはヤマセミの幼鳥教育や、親離れの際のもみ合い・争いとは異なるので観察時に良く見極めねばならないが、少なくとも1㎞の範囲での交尾は同じ個体であると断言してかまわない。これは10年間の観察による結果に基づいている。

 2回目の交尾失敗バージョンの場所は球磨川本流。対岸のそそり立った崖の20m以上上部に掘られた巣穴が見える場所での川中の岩の上。日時は3月11日07:54。昨日のヤマセミつがいとは約5㎞離れた場所なので、違う個体、つがいと見て良い。







この日はこの場所で3回交尾を収録できた。