2016年3月10日木曜日

佐賀県東与賀干潟・別名大授搦(だいじゅがらみ) レポート This is the wild-birds report from Higashi-yoka tideland called Daijugarami.

 人吉でヤマセミの生態をいつものように観察撮影した今回2016年最初の人吉行きは、オオハクチョウの幼鳥やコウライアイサ、カワアイサなど関東にいてはなかなか出遭えない珍しい野鳥に出遭えて非常に嬉しかった。

 8日間の訪問中、人吉から車で北九州市小倉~佐賀県庁~東与賀干潟~八代市金剛干拓を回ったので2日間人吉以外の探鳥も行えた。特に東与賀干潟・大授搦(だいじゅがらみ)では18羽ほどのクロツラヘラサギや多くのダイシャクシギ、ミヤコドリにも出遭えて、これまた嬉しかった。

 以前一度だけこの干潟に来た事が在ったが、確か5月過ぎで数多くの種類がいたような気がする。たぶん今年も春先には鳥類動物園の様相で色々な海鳥がひしめき合う事だろう。

 干潟の野鳥観察は潮汐表とよほど相談していかないと、はるか数キロ先の波打ち際に横一列になった遠い海鳥のシルエットだけを拝むことになる。2度ほど大失敗しているので、今回は肝に銘じて時間を調べて行って大正解だった。

 とにかく広い。重たくてかさばる大砲レンズを珍しく三脚に取り付け、肩からは50~500mmZOOM装着の飛翔撮影用をたすき掛けにして下げているので、歩きにくい事この上ない。いつもは車の中から被写体を脅かさないように撮影するのだが、この大授搦の大群は物おじせず、三脚のレンズが向いても平気でいた。慣れとはこういうものなのだろうか?地元の方々が数名来ておられたが皆さん非常に親切で、どこに何がいるか詳しい解説をしてくださった。何処かとは大違いだ。

 まるでテレビのネイチャー番組のように、シギ・チドリがウンカのごとく左右に飛び回る様を初めて生で観察できた。「すげー!」としか言いようがなかった。まずは行ったまま、見たままの雰囲気だけ今日はご紹介しようと思う。

 動画も一緒にCANON EOS5D・MarkⅢであれやこれや撮影したものを、今日繋いでみた。動画に関しては先輩のプロ級の方々が大勢いるので非常に恥ずかしいのだが、初心者の「遊び」と思ってお許し願いたい。風が非常に強く、音声はボコボコの連続で3回戦ボーイのボクシングのようで聞き苦しいのでフリー音源のBGサウンドをかぶせてみた。あくまで大授搦の雰囲気だけを感じ取って頂きたい。なお、シギ・チドリの乱舞・群舞のシーンはオリジナルはきちんとキレイに撮れているが、YouTubeに公開すると通信回線のスピードの問題だろうか、群れのシーンが汚く観難い、ご容赦願いたい。

大授搦のたたずまい= https://www.youtube.com/watch?v=qC1xa0kTWjg

 とにかく佐賀平野は熱気球大会の場所。熱気球という乗り物は、冬で外気温とバルーンの中の温度差が大きければ大きい程うまく上がるのだ。以前はそういう意味から北海道がメッカだった。1982年の北海道上士幌での第1回全日本熱気球選手権大会に日本旅行の「赤い風船」という熱気球で参加したので少し学んだ。乗って上空に行くと全然動いていることを感じない不思議な乗り物だった。

南に目をやれば、霞の向こうに雲仙普賢岳が大きく見えた。もちろん中学校時代八代から見た姿とは違うし、大体90度以上角度も違う。

現地に着いてすぐに目についたのが、八代や鏡川河口部で見慣れたクロツラヘラサギたった。

そのほかは、この場所でこそ一番似合うツクシガモの大群。ダイシャクシギの群れ、シギ・チドリ。

これらのコラボレーションが大授搦のこの時期の名物かもしれない。

シギ・チドリがウンカのごとく一つの塊になって大きな生き物がごとく動くさまを、生で初めて観た。

熊本県内に戻る途中今年も柳川で夜明け茶屋という魚屋の食堂に入った。3年前道に迷って偶然見つけた有明海の地魚屋さん。いつも決まって有明産特別寿司を食らう。これがたまらない。

 特に、エイリアンのような顔をした「ワラスボ」はムナグロやダイシャクシギの大好物でもあるので、ある意味人間と競合するわけだ。寿司が大好きな筆者だが、30年以上通い続けている神田神保町の老舗寿司屋で訊いたがクチゾコと呼ばれている赤舌平目は東京では寿司ネタに出来ないそうだ。余程捕れたてで、新鮮でないと無理との事。ワラスボなどは築地も入らないそうだ。

 大授搦に行く楽しみは、実はこの夜明茶屋の有明寿司の魅力の方が大きかったりする。