今回コウライアイサの一家に関しては、ただ其処に居るのを撮影しただけでなく、数多く来る見物客、観察あるいは撮影者の動きに彼等がどのように警戒し、どう対応しているのかもじっくり視る事ができた。同時に毛づくろい程度ではなく、採餌行動などの生態・顛末もいくつか観察機会が在った。実際に採餌できているシーンも撮影できた上、どう考えてもお互い協力して魚を追い立て採餌しているとしか思えない協力追い回し漁のシーンも収録できた。
と言うことで、今日のアップは、コウライアイサの採餌行動の色々をご紹介。
黒っぽいヒレの大きな獲物、カジカやギギといった底魚のようだ。
こちらは別の日、カマツカやドンコのような類だろうか?地元在住の大先輩はカマツカを捕らえた鮮明な画像を撮影されている。
こちらは岩の周りでナマズらしき大物を採取したようだ。ナマズはヤマセミも採餌する。この辺りは採餌場としてお気に入りのエリアらしい。幾度もこのエリアで採餌していた。
幅100m程の川の中央部の深みで採餌成功のオスのコウライアイサ。
枯れた葦原に重なって鮮明ではないがオスの採餌の証拠画像としては意味があるかもしれない。
当初こういった水を蹴立てて浅瀬を進む行動の意味が判らなかったが、やはり採餌行動だ。
オスを真ん中にメス2羽が潜水漁法を始めた。完全に水没するより人間のシュノーケリングと同じで頭だけ半身潜水しながら獲物を探し追う漁法は造波抵抗が強いのではないだろうか?鵜やカイツブリの様な潜水漁法のほうが採餌しやすいのではないのかと思うがどうなのだろう?潜水で追うと獲物の魚に水圧の変化で追われていることを悟られてしまうのかもしれない。その昔、素潜りで三つ又のヤスで魚を突いていた時代、魚を見つけて真上から潜ると水圧ですぐに逃げられてしまうので、息を止めて一旦水底へ潜って横に移動して岩の下に居る魚を狙うように教わったがそれと同じなのだろうか?
メス2羽が半潜水漁法で魚を追い始めて少し経った頃、オスが後ろから羽を広げて緊急発進のような形で円を描くように魚を追うメス2羽の大外を迂回して走り始めた。
完全に羽を開いて水上を音を立てながら走るのだ。だからオス自身は潜って漁をしていない、いわゆる追い立ての勢子の役を担当しているわけだ。
ごらんの通り大きく回りこんで採餌推進するメスたちの前に出ようとする。
その結果、メスの1羽が餌を咥えて顔を上げた。この画像が撮れているのが判った時点で、初めてこれは協力体制による追い込み漁ではないかと思った次第。似たような事をカワアイサがするのか否か田貫湖に観察に行こうと思う・・・時間が在ったらだが。以前、球磨川本流でヤマセミが似たような事をやっている場面を撮影し2年前発行のヤマセミ写真集に掲載したが、非常に似ている。ただしヤマセミの場合は1羽で全部やっていたが・・・。
参照・ヤマセミの追い回し漁法= http://www.yamasemi.org/report_chapter_3/pg42.html