多分今日の画像が一番カラスのアタックを逃れるヤマセミのテクニックが明解に判ると思う。野鳥関連の文献などにはまず無い生態記録であろうと思う。以前佐賀県の方が細い水路でハヤブサがヤマセミを襲った場面の画像を撮られたようだったので、同じく佐賀から人吉までヤマセミ観察に来られる別の方にお願いして次回の写真集への掲載をお願いして頂いたが、撮影された方は大切にされている画像の様で残念ながら掲載を断られてしまった。
しかし、神の御導きなのか、矢黒神社の御利益か今回のこの3回の画像は、障害物のない川幅での各角度からの観察画像なので生態が非常に良く理解できて、遥かに判りやすい資料だと思う。
連続して3回目の追いかけ、攻撃なのでいささかヤマセミも疲れているとは思われるがタイミングを計る練習にもなっているのかもしれない。
カラスは相変わらず高い位置で威嚇を続けている。ヤマセミは別に餌を咥えている訳ではない。きっかけは2日前に掲載した状況なので採餌の時間は無い。
いよいよカラスが間近に迫って来てヤマセミは腹ばい飛行状態に移行している。
で、次の瞬間まっすぐ飛びこまずに既にこの段階で90度以上の反転をしながらダイブしている。羽の裏側の褐色がこの個体が1回目、2回目のダイブと同じメスである事を証明している。
カラスはこちら向きのまま空中でブレーキを掛けているがヤマセミの頭は既に90度以上横方向に向かって水中から出ている。
上空に舞い上がったカラスの下でヤマセミは既に離水し全力で離れようとしている。
実はこの後さらにカラスの追跡は続くのだが、やっと諦めたらしくヤマセミが水中に没してまで攻撃をかわすことは無かった。夕方の黄金色に染まった川辺川でのヤマセミの日常の生態を画像に収められたのは誠に幸運としか言いようがない。