何故、関東でワザワザ干し柿など造るのかとの疑問も有ろうが、実は干し柿を造るのには天日・乾燥・低温の3要素が必要条件なのだ。で、関東地方の12月~2月上旬はこの3拍子がほぼパーフェクトに整っている。今年も既に11月末から最低気温は5~8℃、日中の最高でも15度程度。柿自体の産地である福岡県・熊本県・佐賀県などは気候上は実は日本海側なので冬期は寒くとも湿気が多い曇天が続く事が多い。
私が通い続けている人吉エリアは霧も多い。霧はすなわち湿気なので干し柿造りには辛い自然現象だ。つまり干柿づくりには初心者・名人などいろいろ居られようが、本人の技術・経験以上に天候・気象条件の方が大きく出来不出来を左右する。
寒天の名産地が長野の諏訪湖エリア、干瓢の名産地栃木県エリアで有る事などと同じ事。
今年で10年目になるが、幾つかポイントが在る。それが何を隠そう自分が一番興味を持っている野鳥の被害だ。メジロ、ヒヨドリ、ヤマガラ、シジュウカラが一番多いが、剥いて吊るして渋が抜けた頃にやってくる。昨年はあっという間に12個もやられてしまった。しょうがないので鳥除けの網を掛ける事に。おかげで網の隙間から入り込んでしまい、追い払った際に3羽ほどメジロが捕れた。勿論よく言い聞かせて放ったが5分もすると忘れてしまうようだ。脚にマジックで印をつけたのがちゃっかりと2度も3度も捕まっている。懲りずに再犯を繰り返す様だ、人間に似ているのかも。
剥いて熱湯に10秒間くぐらせた後吊るして最初の1週間は天日干し。
橙色になってきたら風通しの良い日陰に移動させる。雨は絶対にNG。
剥いた柿の皮は干して大根漬け、捨てない。
これが昨年の鳥被害!ボコボコニやられてしまった。でも野鳥が食べるという事は人間が食べられるという証。今年はテスト用に外部に吊るそうかと思う。
こうして普通の家々の渋柿でも頃合を見計らってメジロが沢山群がる。