3月ともなれば多くの野鳥が繁殖期に入る。交尾・産卵を厳冬期に行う猛禽類以外は3月は繁殖行動真っ盛りと言って良いだろう。いまや宗教雑誌に近いBIRDERもその特集だ。
我が家の庭の木にある巣箱へチェック行動、コケ類の運び込みを行うシジュウカラも2月末から3月上旬が繁殖行動を開始している。
ヤマセミの場合、人吉市界隈で観察をした10年間の間、6か所の営巣~巣立ちを静止画・動画で記録しているが、それぞれ時期がバラバラでこれだ!という確証を決められない。
これは人間と同じで、早婚もあれば晩婚もある。もちろん自由勝手な人間世界の場合、自然界にはない法律社会だから未婚のまま出産もある訳で、形はともあれ動物として命を得て生きている最低限の使命・義務は充分果たしている。自然界から見れば何の問題もない。
しかしいつの頃からか動物としてペアを組んでいるにもかかわらず意図的に子孫を残さない勝手を野放しにし、それを指摘すると差別だ、子なしハラスメントだと声高になじり非難する今の人間社会。
この辺り言葉で相手をなじり非難する人間、自然界の他の動物類とはずいぶん違う。筆者はあくまで自然界・動物界での思考回路からこれを述べている。
自然界の動物は「繁殖し種を絶やさないために子供を作り残す」・・・・が生きている間最大の必須=使命だから、全ての生態・行動がこれを中心に形成されている。これが出来ない個体は長生きしないし、仲間外れとなり自然淘汰されていく。
人間だけが違う。人間は違うから一緒にするな!というのは驕り以外の何物でもない。
自由な考え、多様性を当然のように主張し、多くの人類が21世紀になって自由気ままな生き方をし、子つくり・子育てを面倒だと拒否し(すべてがそうではないが)自然界の動物としての根本を否定する子孫を残さない生き方をし始めているから、そのうち人類は滅亡すると多くの生物学者・環境学者たちが警鐘を鳴らしている。
子孫を残さない人間の自由な生き方の結果は、既に顕著な人口減少・雌雄の混乱を招いている。そういう類(たぐい)の人間が「動物愛護」だの「自然保護」だのを唱える姿は、日々自然を尊重し、対峙し、理解を深めている筆者から言わせれば、義務は果たさずに権利ばかり主張する典型で、ブラックジョークにしか映らない。
人類が、子孫を残す義務を果たさず。自由な生き方(権利)を主張した結果、人口減少がどうなるか?原発事故、人工廃棄物による自然汚染・破壊、二酸化炭素放出による自然環境破壊などより遥かに早く人類が滅亡に近づくことを知らない者が多すぎる。
実は「差別するな、個人の自由を尊重しろ!」とアジるメディアがその急先鋒だ。
このジャンルの話はまたいずれまとめて行おうと思う。
で、3月のヤマセミ。その多くは巣穴づくりだったり、すでに抱卵体制に入ったり様々だが、求愛給餌と言われるほとんどの野鳥に観られる繁殖行動、交尾行動も3月には頻繁に観察できる。調べたら求愛給餌のシーンは16例、交尾に至っては20例以上の静止画・動画を収録している。
しかし、今回のシリーズは「通年で一緒に生活するヤマセミのつがい」が主旨なので、個々の繁殖に関する著述は随分後に成る。