2月のヤマセミは既に繁殖期に入っている為、110年間の観察においては過去交尾行動が垣間見られることが多かった。
筆者は人吉エリアのヤマセミしか観察していないので、北海道千歳川やその他全国あまたのヤマセミが2月にどうしているかは計り知れない。人吉での生態がそのまま全国のヤマセミの生態と同じだとはとても思えない。
通常深山に棲むと言われているヤマセミが、人口数万の内陸都市のど真ん中の河川で生活をしていること自体とても稀有な事なのだから・・。
しかし観察している限り2月はホットな時期ではあるものの、二羽のつがいの距離が年間で一番近づく頃ではあることは間違いない。
いずれも球磨川本流、旧国民宿舎くまがわ荘前に在った架線上のヤマセミ。人吉市はこの架線を無くしたことで大きな財産を失ったと言って良い。
行政関係者にも幾度もこの架線が在る事によりヤマセミをいつでも観察できたのに、何故再構築しないのだ?と問うたが何の反応も無かった。大きく考えなかったのだろう。
したがって現在人吉市へ行っても、ヤマセミを確実に観察できる場所が無くなってしまった。これではせっかく市の鳥に指定しても意味がないではないか?
人吉市は観光資源を自ら失ったわけで、いくら観光活性化に励みましょうと言っても掛け声だけで具体策がない現状は残念極まりない。
球磨川洪水災害の後、どうやって観光活性化したらよいか、地元新聞を見る限り誰にでも考えつきそうな、全国どこでも考える事しか発想していない。地元の魅力に本当に全く気が付いていない・・情けない。
球磨川支流の万江川架線で
水の色が球磨川本流とは全く違う川辺川でのつがい。(オスは画面左上)