10月ともなると関東・中部などの高地は紅葉が始まる頃。しかし人吉球磨はまだまだ青い木の葉が全盛。朝晩はしっかりと冷えてくるが、まだ球磨川の朝霧は11月まで出ない。
そんな中、ヤマセミのつがいは意外に二羽で過ごしている場面を一番撮影できる時期でもある。ただしこの時期は人吉の中心部から離れた人気のない場所での行動が多いようだ。
理由は判らないが、中心部ではあまりお目にかからない。
10月ともなると関東・中部などの高地は紅葉が始まる頃。しかし人吉球磨はまだまだ青い木の葉が全盛。朝晩はしっかりと冷えてくるが、まだ球磨川の朝霧は11月まで出ない。
そんな中、ヤマセミのつがいは意外に二羽で過ごしている場面を一番撮影できる時期でもある。ただしこの時期は人吉の中心部から離れた人気のない場所での行動が多いようだ。
理由は判らないが、中心部ではあまりお目にかからない。
9月の人吉・球磨エリアはまだ真夏と言って良い。水温も高く餌になる淡水魚その他水中生物も活性化している。
9月になって、まだ親元を離れない幼鳥もいない訳ではない。親の縄張りを離れて独立せず、伴侶を得られず翌年の繁殖行動を行わないヤマセミが親と行動を共にし、翌年の親の繁殖を手伝ったりする様子が記録されている。
しかし全国のヤマセミが全てそうであるとは思えない。人吉球磨の球磨川流域だけの事かもしれない。この辺りは注意してまとめてみたいと思っている。
繰り返すが、ヤマセミは縄張り意識が非常に強いという性格上、毎日観察する場所に居る個体は前日に居たヤマセミと同じ個体だという事は明らか。
したがって、大砲レンズや三脚を準備して、ぐっと寄った奇麗な写真を撮ろうと思えばいくらでも撮れよう。野鳥図鑑に使えるレベル、コンテストに出展するような「野鳥写真」も撮れるだろうと確信する。
しかし筆者のヤマセミ撮影目的は、あくまでその知られざる生態の証拠写真。生態や行動を画像証拠として残しているのでピンは甘いしブレも多い。そのあたりはご容赦願いたい。
逆に意図的に背景に人吉市の街並みや人間の生活感を入れ込むようにして、人吉市の人々との共存を記録に残している。
過去のヤマセミに関する文献では、繁殖期につがいで居たヤマセミは子育てが終わり、自分の縄張りから幼鳥を追い出した後は単独で行動するというのが定説になっていたようだ。
したがって夏(=8月)以降、次年度の繁殖期まで単独で行動する・・というのが一般に信じられていたヤマセミの生態だったと思う。
実は実際はそうではないという証拠画像を月ごとに羅列しているのが今のこのブログ。デジタルカメラの良い点は撮影日時が必ず画像データに残るという事。
単独行動を始めるとされていた真夏8月の画像を今日はご紹介。
7月のヤマセミは子育てが一応終わって、つがいの二羽だけのランデブー飛行を頻繁に観る事が出来る。巣立った幼鳥たちは、食事の際はまだ親と一緒に行動をすることが多い。
しかし、この先に親子の離れのイベントを控えて、つがいの二羽は徐々になるべく幼鳥たちと距離を置こうとする様子が垣間見られる。
昨日のこのブログで2月15日に米国オープンAI社が発表した生成系AI「Sora」に関しての危機感を述べたが、アクセス反応はいつも通りで、別に急増しなかった。基本的にこのブログが野鳥の生態観察レポートを主軸に置いたものだからだろう。IT、AI. 生成系AIには余る関係ないから見ない・・という方が多いのかもしれない。
しかし、ただ「あっ!居た」からと野鳥を撮るだけではなく、猛禽類だけ、カワセミだけ、シギ・チドリ系だけなど絞り込んで観察しておられる方も居る。
さらには熊本県八代市の八代野鳥愛好会の方々のように、球磨川河口部を中心に熊本県内でのクロツラヘラサギ中心に水鳥の生態・環境の変化などを研究観察されている方々などは、HP制作、あるいはブログや研究発表、記録保持などでコンピュータを駆使されているだろう。
同時にデジタルカメラ(スマホも含まれる)の画像を何らかの形で保存したり、研究発表時に画像処理ソフトを使用してデジタル保存するに違いない。
https://yatsushiro-birdclub.com/ 八代野鳥愛好家のHP
こういう先端技術を駆使して活動される方々は最近の生成系AIの驚くべき進化・普及に気を付けておかないと大変なことになるというのが、昨日今日のこのブログの憂えている部分なのだ。
もちろん各地の自治体・行政でも日々の業務推進・運営にITやAIは欠かせないTOOLに違いない。ChatGPTが出た途端、その問題点や不確実性を精査せず「我が役所では積極的に使用します」などと宣言し、いかにも「進んでいるんだうちらは・・。」などと自慢したようだが、現在はトラブル続きや出来た文章をマンパワーで精査しなければならず、二度手間に成ってしまい稼働中止など頓挫している所の方が多いと聞いた。
しかし恥ずかしいから役所はこのことは伏せたがるし、メディアも役所の足を引っ張る様な報道はしない。そういう意味からすれば持ちつ持たれつの裏・関係のある官とメディアは決して公明正大・隠し事無き世界などではないのだ。
地方にありがちな、「〇〇推進委員会」だの「〇〇活性化システム共同体組織」などを立ち上げ、地元の有力者・関係者一堂にそろってにこやかに記念写真を撮る。これが地元新聞に好意的な感じで発表されるが、その後その委員会や組織体がどういった活動をしてどのような具体的成果を上げたのかを報じた記事を観たことがない。
地元民にとっては「あー、地元の為にやってくれているな?」と期待はするけれど、その期待も明日に成れば忘れてしまう。その成果に至ってはまるで調べようともしない。要は「オラ達のためにやってくれているな?」と一瞬でも思えばいいのだ。
時として、この行為が選挙対策だったりもする、余剰予算の消費策だったりもする。
地方の日常はこんな感じで繰り返しているのだ。
こういったファジーでいい加減な人間の営む日常の中に、生成系AIが浸透し、ばい菌のように蔓延ると、どういった弊害が生まれるか?
今月2月8日の読売新聞全国版に見開き全面で生成系AIに関する問題点を一挙掲載していた。日本のメディア、新聞、テレビ、ラジオ、雑誌、ネット、SNSを通じてこれだけまとめて生成系AIに関して解説・啓蒙を行った所はこの時点で知らない。
さらに言えば2月15日の米国オープンAIの「Sora」発表の前の話だ。昨日のこのブログでご紹介したSoraの凄さ、怖さ、今後人類に与える影響は計り知れないものがあるが、その前の時点ですでにこれだけの人間にとっての脅威が在る事をこの記事は報じている。
プロンプト: 「数頭の巨大なケナガマンモスが雪に覆われた草原を踏みしめながら近づいてきます。その長いケナガマンモスの毛皮が風に軽くなびきながら歩きます。遠くには雪に覆われた木々やドラマチックな雪を頂いた山々が見えます。うっすらとした雲と太陽が高く昇る午後半ばの光があります。」 距離が暖かい光を生み出し、低いカメラの視点から美しい写真と被写界深度で大きな毛皮に覆われた哺乳類を見事に捉えています。」
この文章を米国オープンAIが2月15日に発表した生成系AIソフト「Sora」にインプットするとこの映像が回答されるという。
6月のヤマセミつがいは忙しい。子育ての時、つがいが一緒に居るのは当然、当たり前!
ほとんど巣立ちが終わり、営巣していた巣穴からすべてのヤマセミがオープンエアーに出て活動する為、一時的に全国のヤマセミ生息地では6月ヤマセミの目視情報が急増する。
時には6~7羽のヤマセミを同時に観察できることもある。ヤマセミを求めて目が爛々としている野鳥撮影愛好者を「自然観察来訪者」として観光客同様のマーケティングターゲットとすれば、日々観光活性化に苦労している自治体などにとって、6月という梅雨の時期実は千載一遇の時期と言って良いだろう。
残念ながらこういう事に気が付いている所は、全国を観ても北海道のタンチョウの里・釧路や流氷上のオオワシ・オジロワシに餌を蒔き、法外な撮影料金を取る知床・羅臼の流氷観光船など限られている。佐渡のトキ、兵庫県豊岡市のコウノトリ。いずれも人工飼育・繁殖の里など人工的に野鳥を保護し人の手を加えた野鳥群。
しかし人吉球磨のヤマセミは全くの自然。人間は何もしていないし(=居る事自体を知らないしその希少さも知らない)、普通の住民生活状況下で自然な共存状態だからその存在価値は計り知れない貴重な財産なのだ。
残念ながらこれはいくら説明しても一般人には理解できない、世の中訊く耳を持たない自治体の方がはるかに多い。行けば出逢えるイルカやクジラの観光船とは違い、出遭える確実性に欠ける点が「一般観光客・地元為政者」には通じないのかもしれない。
地元のベテラン・ヤマセミ観察者の方々の知恵を借り、早朝から撮影ができる宿泊体制(起床・朝食サービスの方法)昼食・弁当サービス、雨対策グッズのサービス(タオル・簡易雨具)などを行い、それをきちんとSNSなどあらゆる情報ルートで告知すれば全国からヤマセミ撮影希望者を呼び寄せられるだろう。
野鳥撮影愛好者は1日で狙い(=ヤマセミの撮影)を成就させられないことぐらい当然知っている。したがって宿泊は数日に及ぶだろう、自分で納得のいく良い絵を撮れるまで延泊も充分考えられる。ヤマセミを含めて野鳥の活性化する時間は日の出から3時間。前泊しなければ遭えないし撮れないのだ。
宿の格式、有名無名、部屋の豪華さ、景色の良さ、食事の豪華さ、温泉の素晴らしさ・・など二の次。一般の温泉観光客とはまったく違う価値観と宿泊の目的だから、温泉観光地の宿泊業者の持つ永年の常識はまったく役に立たない。
極端かもしれないが、10年通った筆者は温泉だろうがユニットバスだろうが風呂があまり好きではない。毎日シャワーさえあれば充分だ。人吉にこれだけ(500日以上)通いながら街中の温泉には一度も入ったことがない。定宿には立派な温泉大浴場があるが、過去100泊以上して一度も入らなかった宿もあるほど。部屋のシャワー付きバスで充分なのだ。
その日撮影した画像をノートPCで全て確認し、ブログにアップするだけで3~4時間はかかる。豪華な良い食事や高い効能をうたう温泉にゆっくり時間を使うより、掛けねばならない時間がたくさん必要なのだ。
最近、コスパ(=コスト・パフォーマンス)よりタイパ(=タイム・パフォーマンス)という言葉が流行り始めているが、筆者は2010年からタイパと言ってこれを重視してきた。「時は金なり」の現実版だ。
東京から人吉へ航空機とレンタカーで移動し、宿に滞在し、お金をそれなりに掛けているから、滞在中の活動時間の費用対効果(=タイパ)が非常に気になるのだ。
つまり日中、ヤマセミを探しながら撮影していても、常に頭の中でタクシーのメーターがカチカチ上がっていく音が聴こえているのと同じ状況なのだ。何を行うにも無駄が出来ない。
話がまた飛んでしまったが、三連休初日の今日はヤマセミ・つがいの6月!
5月ともなると、ヤマセミ繁殖活動のほとんどは終盤に掛かるか終了している。巣立ちの時期は早いつがいで4月、遅くとも6月中旬には完了している。
其れより遅いケースを人吉界隈では観たことがない。気温が上がりすぎて巣穴の温度が高くなるからだろうか?もちろん理由は一つではないと思われる。
実は、九州での5月~6月の日射は恐ろしく強く、川原で長時間観察するのは非常に大変なのだ。熱中症、日射病、水分不足その他で倒れかねない。過去10年の間、地元のホームセンターで事前にどれだけのテントや熱中症予防備品を購入した事か・・。
地元のベテラン観察者の方々に差し入れなどを頂いて気を使って頂き、助けられたことも数多い。感謝感謝だ。
早朝日の出から夕方まで続く野鳥観察も余程の準備が必要だ。出来れば車の中からが望ましい。