2021年12月28日火曜日

ヤマセミ生態シリーズ #4.  獲物の頭を先にして餌を運ぶ行為。 The Crested Kingfisher Ecology Series #4. The act of carrying fish with the head forward first.

  ヤマセミが採餌した魚をさんざん岩に叩いて、自分の居た附近をウロコだらけにしたまでは昨日ご紹介した通りだ。

 で、普通はその獲物をその場でのみ込んで、お清めのダイブを繰り返して身繕いするのが普通だが、時に獲った魚の頭を前方にして咥え、どこかへ飛び去る事が多く観られることがある。これは2~6月の繁殖期に頻繁に観る事ができる。

 2~3月、時には年末から始まるペアリング、「今年もよろしくね?」の類がまずこれに当たる。長年連れ添った相方との再契約みたいなものだが、きちんと毎年仁義を切るあたり、筆者は人間も見習うべきと考えるが如何?次に繁殖期も佳境に入り交尾の際に行われる「求愛給餌」の時。これは決して毎回ではないが、メスの方からせかしたりもする。

 その次が巣において抱卵しているメスへ運ぶ時。そうして孵化したヒナへ与える餌の原材料としての獲物を運ぶ時。

 最後が、巣立ったヒナ・幼鳥たちへの給餌の為の運搬時。この時はオスもメスも同じ行動をするので一番目撃しやすい時期。大体5~7月が多い。

 カワセミのケースを捜したが、カワセミの場合はいちいち頭を前にして運ぶ様子は、観察した限りではなかったが、実際は大いに有り得ると思われる。余りにカワセミ自体も餌も小さいので誰かに横取りされる恐れもないから、この部分ではヤマセミと生態・癖が違うのかもしれない。過去の撮影データを見て、何か判ったらまたこのブログでご紹介させていただきたい。







わざわざ筆者の方へ飛んで来るように見えるが、渡す相手のメスがこちらに居るという証だろう。画像データを精査したら、何とメスは対岸正面の茂みに隠れていた。