2021年12月18日土曜日

団塊世代の干し柿づくりは17年目を迎えた。 The baby boomer generation has reached its 17th year of making dried persimmons.

 どんなに不器用でも、何かに一心不乱に没頭するとベテラン職人に成れるようだ。筆者の干し柿づくりも今年で17年を越えた。これも毎年質の良い干し柿用の渋柿を送って下さる熊本在住の野鳥観察の大先輩山田様のお陰だ。
 
 筆者が野鳥撮影の世界に入った2005年に、まず色々教わったのがこの山田さんだった。東京から熊本へ行かれて、そのまま熊本が気に入って住み着いた方。色々な野鳥の存在を教わり大変お世話になっている方なのだ。

 この方に熊本・松橋(まつばせ)の奥の豊野の柿の良さを教えて頂いた。干し柿用の柿は自分で剥いて干してみて初めてその差が判るように成る。渋柿ならなんでも同じ訳ではない。外側が見事な柿色でも剥いたら白っぽかったりする。

 逆にまだ熟れてなくて柿色が出ていない青みがかった柿が剝いてみたら見事な柿色だったりする事がある。色だけではなく元々の糖度も大変重要。スイカと同じでぱっと見では判らない。
 豊野の柿は全体的に赤みが強いが(=柿色)均等ではない事が多い。しかし剥くと見事な柿色、そうして干し上がるとこれまた見事な柿色に成る。
干し柿用の柿は紐かけの為、T字型の枝が付いてなければ吊るせない。

 関東地方は多分日本国内でも最高の干し柿作りに適したエリアだと思う。冬季、乾燥して風が強く雨が降らない。寒くて乾燥していれば「カビ」が生えない。湿度の高い所で造る茶色く湿った干し柿のようには成らない。
 
 唯一気を付けねばならない事は、野鳥の食害だ。メジロ、ヒヨドリ、時にはシジュウカラが干し柿に寄ってくる。5年ほど前から鳥除けネットを張っている。それでも隙間をぬって入ってくる。
 今年は、人間の顔の眼の部分をコピーして窓に貼ったら来なくなった。
今の所、まだメジロ一羽も来てないが、甘くなってからどうなるか見もの。

 今年は、もう一か所福岡県の黒木から届いた48個と合わせて124個を剥いて干した。乾燥と風のお陰で年内に発送できそうだ。しかし、例年贈る恩師や先輩・幼馴染が少なくなっていくのが悲しい。

上のネット入りの大きいのが熊本豊野産の柿。最高の品質だ。下が福岡県八女の柿。


大量の向いた皮が残るが・・・。

良質の油で揚げると(180℃で浮いてくるまで待つ)美味しい柿皮チップに成る。

雑菌防止の為軍手をして剥く。剥いている最中柿が滑らない利点もある。

IKEAのジャガイモ皮ピラーで剥く。最初から最後まで途切れなく剥くのがコツ。

最初の80個は紐1本に6個ずつ下げた。

後半の50個弱は紐1ッ本に二個振分けで・・・。

熱湯で表面を10秒間煮沸する。カビないコツ。これに2週間後焼酎を噴霧。

綺麗に並べずランダムに干すのがコツ。天日干しの場合均等な日光が必須。

鳥除けの網、これでも逃げ遅れたメジロがひっかっかる事がある。

鶏の食害を防ぐのに効果的な「眼」の写真。田んぼのカカシと同じ効果?