2020年7月7日火曜日

今回の人吉市の洪水は全てバックウォーターのせいかもしれない。 All the floods in Hitoyoshi City may be due to called the Backwater phenomenon. 

 一昨日のこのブログで、人吉市の万江川(まえがわ)が本流球磨川の水位上昇により合流・流れ込みが出来ず支流部の万江川が合流直前両サイドに氾濫したのではないか?そうしてその氾濫した水が中神地区の耕作地を湖の様に満水させ、球磨川本流の水が引いて落差が出来た段階で球磨川堤防を外側から決壊させたのではないだろうか?と投稿した。

 昨日になって、その問題の決壊箇所の映像がネット上で出たが、やはり球磨川が増水して堤防道路を氾濫・オーバーフローしている映像が生々と見てとれた。しかし肝心の堤防が決壊する場面はなく、球磨川と中神地区の農耕地が同じ水位になって広い水面が見えるだけで映像は終わっていた。球磨川の水位上昇で堤防が決壊した場面が何故ないのか?決壊と氾濫は正確には意味が多少違う。堤防が壊れずともオーバーフローによる氾濫洪水はいくらでも起きる。

 例えば昔の横浜駅周辺は海抜が低く大潮の際、海の水が堤防・岸壁をオーバーフローして内陸部に氾濫し洪水になったが、この場合も堤防決壊とは言わなかった。今回の場合は非常に不思議なのだ。

 筆者が添付した内陸部から球磨川側へ濁流が流れている画像と今回の満水になるまでの堤防を乗り越えての氾濫映像だけでは、「決壊」がいつどうやって起きたのか判らないままだ。今後の精査を待ちたい。

https://www.asahi.com/articles/ASN76368YN75TIPE028.html?fbclid=IwAR3sRICBUlzFpq6zkh1n46fh_fj1C262s4TO_5U3PGmaNRa9Z2vvDl1nKL4

問題の八久保樋門附近のGoogle street view 

朝日新聞デジタルで報道された50カットのリアルタイム画像から。画面の右側の球磨川サイドに向かって中神地区・農耕地から濁流が流れ込んでいる。普通の川の氾濫・堤防決壊とは逆の状態になっている。

 いずれにせよ、人吉市で生活されている皆さんは心身・家屋・財産ともども壊滅的なダメージを受けておられる。一昨日、昨日と縁ある方々7名と電話でお見舞いコールしたが、殺気立っておられる方や、打ちひしがれてしまっている方、さっぱりと諦めて命あっただけ良かったと言われる方、千差万別だった。

 誇り高く責任感の強いお医者様は、医院が水浸しで患者さんのカルテやレントゲン写真がすべて水没・離散し壊滅的な状態だとまずは患者さんの事を思い落ち込んでおられた。こちらとしても助けにも行けず声の掛けようもなく、ただただ意味のない励まししかできなかった。

 このブログで私論ながら支流と本流の水位の関係で~と述べたことと同じことを、昨日のTV報道でも説明していた。人吉市中心部は山田川、万江川、渡地区は小川、いずれも球磨川支流の本流合流部で甚大な増水・氾濫が起きていることから、今回の経験を次へ生かす方策が早急に必須だろう。

 もしこれに追い打ちをかけて、当初計画されていたものの中止した市房ダムの放流が加われば数千名の死者が出たかもしれない。まして中止になった川辺川ダムが出来ていたら上流二か所のダムが放水することになり、目も当てられない事態に成っただろう。

 ある意味、今回の事態こそが「想定外」であって、どんな治水対策、人工による水害防御・施設建設があったとしても自然の力には太刀打ちできないと認識するしかないだろう?
 むしろ、AI コンピュータを駆使して事前予知・事前早急非難を訓練して命を守るしかないのではないだろうか?
                                  この項続く