カワセミ(ヤマセミも同様)撮影の下準備はいくつかあるが、主なモノを順番に列記してみたい。
① 基本的に野鳥は早朝日の出から2~3時間、日没前1時間半程度が活性化の時間だが、カワセミ、ヤマセミはその繁殖期3月~6月においてのみは真昼間午前12時~午後1時近辺でも採餌行動を行うので、終日撮影チャンスが在るとい思って良い。
日の出直後の採餌シーンの撮影、まだ暗いうちなので慣れが必要。
朝夕は太陽が低く、鋭い光なので目の玉や獲物に当たる光も鋭い。
アオダイショウに殺られる前、穴掘り行為中のヤマセミつがい。
③ カワセミもヤマセミも自分のテリトリーのエリアに数か所お気に入りの採餌ポイントを持っている。頻繁に採餌する場所は7~8カ所あると思って良い。同時に満腹になって獲物を消化する為の羽根休めの場所も数か所確保している。採餌する場所は頻繁に移動するが、羽根休めの場所は天敵から身を守りやすい場所(ヤマセミの場合はいざという時に水中にダイブして難を逃れるためほぼ水辺の立ち木の茂みの中)に長時間時には1時間ほど滞在する。
ヤマセミの場合樹木の葉の裏の枝に羽休めで留まる事が多い。
⑤ そうしてその観察時に、一番重要なのは途中でカワセミ・ヤマセミが居ても、決して「アッ!居たッ」と駆け足で追わない事。カメラを持って撮影本番になっても同じ事。野鳥は自分が追われ、追跡されている事は敏感に察知(空気圧?気配?)、判るのだ。野生の動物にはすでに人間が退化させてしまった「気配・第六感」をまだ十分に活用している節が在るのだ。これは追々その撮影時の生態説明で解説をしてみたい。
追われている事が判ると、逃げてしまうのが野鳥の習性。
逆に、犬の散歩のおばさんやジョギングのアスリートが傍を走っても飛び立たないのは、慣れてそういう動きをする人間を見切っているからで、走っていたものがピタッ!といきなり止まるとこれまた警戒してしまう。野鳥観察は、常に向こうもこちらを観察していると認識しなければならないのだ。これが出来て初めて三脚付きのデジスコなどの超望遠ではなく、普通のカメラでの野鳥撮影が可能になる。
撮影者に慣れて危機感を持たなくなると、このように200mmで至近距離で撮影させてくれるようになる。カワセミをきちんと撮るには、ここまでの地道な努力が出来るか否かにかかって来る。
この項続く