2017年4月11日火曜日

団塊世代のカワセミの撮り方講座 その6. How to take picture of Common kingfishers lecture 6 for the baby-boomer generation.

 留まっているカワセミの色々なシーンの解説は昨日行ったが、今日は飛翔中のカワセミの色々なパターンをご紹介。
 
 カワセミが飛ぶ場合は単純に何処かへ移動中のケースと、採餌の為木の枝などから水中にダイブして魚もしくはモエビの様なものを咥えるケースの大きく二つに分けられる。再度水中から飛び上がって来て獲物を飲み込む場所に移るまでの飛翔も当然含んでいる。

 これ以外にも、空中静止飛翔、つまりホバリングの飛翔も一応飛翔シーンに入るがこれはまた改めて説明をしてみたい。

 カワセミが採餌をしようとしているか否かは、枝に留まっている際の様子で大体判るが、これを見極めるには経験値がモノを言う。朝早くの行動、たまに夕方の行動での採餌は毎日だが、繁殖期は抱卵中のメスや孵化したヒナへの給餌で日中でも盛んに採餌する事が多い。

 ちょうど今はその繁殖期のピークなので、採餌行動に出遭うチャンスは、通年普段の3倍以上であろうと推察する。しかし初回にアドバイスした通り、いきなりシャッターを切って無駄な失敗を何度も繰り返すより、カワセミ採餌の一部始終を幾度か観察してから撮影に臨んでも決して損は無い。何故なら一羽のカワセミが繁殖期にする採餌の回数は一日あたり数十回に及ぶからだ。理由はその成功率に在る。

 意外に採餌時のダイブでの成功率はそう高くない。木の枝に留まって意気込みながら数歩チョコチョコ場所を移動したり、シャックリの様な首の上下動が激しい場合は間違いなく飛び込む確率が高いとみて良い。

 筆者の経験値から言うと、カワセミが枝から飛び出す方向は真後ろに飛び出すことはまずなく、殆ど留まっている向きの正面方向に対し、せいぜい左右45度以内なので、右を向いて枝に留まっていれば右方向を大きくファインダーの中で開けて、留まっているカワセミを左端に捉えて飛び出しを待つのが正解。これはある程度失敗を重ねる事で上達していく。筆者など最初にカワセミを撮影した結果では画面の右隅に尻尾の一部が写っていただけだった。この練習方法に関してはまた次回。

 この際気を付けねばならないのがファインダーで入れ込むカワセミの大きさだが、カワセミを画面横軸の10%以下の大きさに治まるようにしても飛び出しの飛翔シーンを捉えるのは簡単でないという事。従ってAPSC規格のカメラよりフルサイズのカメラが威力を発すると考えて良いだろう。勿論秒間コマ数の多い連写機能を持つカメラの方が有利であることは確かだ。

 勿論カメラを三脚に載せていてはカワセミの飛翔シーンを撮影する事は非常に難しい。更にデジスコでなどは、余程熟練しても枝に足が残る程度の飛び出しシーンしか撮れないだろう。 






この一連のダイブから再浮上までの撮影は明治神宮内苑の池で行ったもの。背景が暗い茂みである事、ダイブの回数は計4回だったが、2回は様子を観察して3回目からシャッターを切った結果の成果だった。

立って手持ちでカメラを構え、三脚は使っていない。遠いので上下動はほとんどしなくて済んだ。