2024年8月18日日曜日

団塊世代はパリオリンピックで日本人の質の変化を強く感じた。 Boomers strongly felt the change in the quality of Japanese people at the Paris Olympics.

  昨日、NHKでパリオリンピックの総集編のような特番をやっていた。勝った場面、メダルを獲った場面など良い部分にだけ光を当てたような編集だったが、それを観ていていろいろ感ずるところが多かった。

 ほとんどがアスリートの話なのだが、一般の日本人にも共通するいくつかの部分を感じたのでご紹介。と、これはあくまで勝手に思った個人の見解・印象なので「最近の日本は・・・」と大上段に構えての事ではないと最初にお断りしておきたい、決めつけている訳では無い。

 SNSの普及・進歩で誰もがスマホ経由で自分個人への褒めそやしと非難・叩きを同時に味わう時代になった。

 筆者はLINE含めて、そういったSNSを使わないので実感がわかないのだが・・・。

 アスリートがドジって失敗した際は、慰めと応援と同時に「お前のせいでメダルが獲れなかった!」などの中傷バッシングも入ってくるようだ。

 この応援・称賛・慰めと非難・バッシング・苛めをうまい具合に分けて、自分にとって辛い非難・バッシングだけを除去してくれるフィルターはまだないようだ。

 いわゆるビジネス社会、会社で社長にとってのイエスマンだけで周りを固めるようにはスマホSNSはなっていないようなのだ。

 オリンピックのアスリートが今回ドジって失敗したり、相手が強かったり、審判がいい加減だったりして思う通りの成果を上げられなかった場合、SNSで叩かれたとか非難されたとかコボシテいる報道を見て、なんだかなぁ・・・と筆者は思った。

 しかし、こういったアスリートへのSNSバッシングは今回のオリンピックに始まった事ではない。メディアが持ち上げアイドル的に報道し始めて以降やたら、そのメディアがバッシング報道を取り上げる。これってある意味メディアのマッチポンプとも思えるのだが・・。



 此処に女子スキージャンプの高梨沙羅のはなしがある。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/159220 

 JOCも各競技団体も「そういうのはやめるように願いたい」と発表しているが、SNSでバッシングする側は勝手にするのであって止まる訳がない。具体的に最近パラリンピックの女子アーチェリー選手が仲間をSNSでバッシングしたのが判明して罰を受けたような事は、氏素性が判らないことを良い事に卑怯なSNSバッシングする者どもには効かない。

 そもそも「やめましょう、控えましょう」などと言っても、相手に対する思いやりの全くない「無教養で性根が悪い日本人」なのだから無くなる訳がない。身分がバレないことを良い事にSNSで叩くことで憂さを晴らす情けない人間たちなのだから・・。

 学者たちはこういう日本人が増えたのは教育が悪いのだ・・というが、そんなの判り切った事で今に始まった事では無かろう?専門家がそんなところに逃げ込んでは何の解決にもならない。

 一方で・・。

スマホを使うのも全方向の反応を見られるSNSを使うのもアスリートの自由・勝手なのではないのだろうか?

 例えば、筆者の家の固定電話は見ず知らずの番号から来た電話は一切出ない。留守電の録音を聴こえるようにして、売り込みやアンケートだったりすれば放っておいて相手にしない。携帯電話(=スマホ)にかかってきた見ず知らずの電話にも一切出ないしすぐさまその番号をネットで確認する。

 その番号がどのくらいの頻度で発信しているかグラフに出てくるので、頻繁であれば売り込みやアンケートだと判断できる。

 過去2か月に一度しか発信していなければアドレスに登録のない知人がかけて来たか、番号を変えた知人だろうと推察するが、こちらからはかけない。

 此処で疑問なのだが、一般人の無名の筆者でも、電話なりSNSに関してはオープンにしていないのに、アスリートとなるとどうしてそうバッシングされるようなオープンなSNSを開きっぱなしにしているのだろう?

 それって、基本は応援したり褒めてくれたりパワーをくれる「良い投稿・エネルギーになる投稿」をたくさん欲しいからなのではないだろうか?

 筆者は非常に数少ないが、過去の仕事のご縁などで芸能界の方や著名な方との交流がある。もちろんそんなに若い人はいない、ほとんどが馬術で流行りの初老以上の高齢者だ。

 世の中的には決して派手ではなく、人間国宝だったり、その道での長老、レジェンドだったりする方が多いが、誰から見ても地味で控えめな方でも「世間の目、慕って来る人々、自分への賛辞」は非常に気になるし、嬉しい、無いと寂しいという(あくまで内々にボソッと)。「人気」という魔物に皆さん少なからず取り込まれているのが現実の様だ。

 オリンピックレベルのアスリートの皆さんも日々マスコミに取り上げられ光を浴びる立場人になってしまうと皆こういう心境になるのではないだろうか?

 スマホもSNSも無い頃の人の批評はテレビだったりラジオだったり新聞・雑誌だった。今回もSNSではなくラジオ(一方的情報発信メディア)で人を非難・こき下ろしたため活動停止になった芸能人が居たらしい。

 世の中、自分の氏素性を隠して自由気ままに無責任に人を攻撃できる時代になってしまったようだ。この流れはもう止まらないし、収束などする訳がない。

 こうなったら消去法で自己防衛をする必要がある。危ない、面倒くさいSNSは活用しない、利用しないことだ。

 例えば筆者はLINEに入らない。高校時代のクラスメートはクラス会のくくりブロックでほとんど入っている様だが、そこでどういった会話が飛び交っているかは全然気にならない。

 60年前同じ教室にいた仲間と今同じ次元(それぞれ波乱万丈な人生があるはず)でコミュニケートするのは気疲れを伴うだろうし、現状の数多い別の友人たちとの忙しいコミュニケーションに加えて60年前の事を想い出しながら新たな「輪」に入るには時間的余裕がない。

 よしんば時間が出来ても、いきなり「おい元気か?今何してる?」のたいして中身の無い問いに即座に返答しなくては何を言われるか分からないようなSNSはゴメン被る。

 用があるなら音声電話をかけてこい!

 こういった即問い、即返答がSNS経由で飛び交う時代に情緒を安定させて生きていくのは大変だと思う。Facebookで1000人以上もの友と繋がり、それらに相手の顔を思い浮かべなら対応する日本人。20年前と変わらない訳がない。この先を案じてしまう筆者なのだ。