2024年8月3日土曜日

団塊世代はパリオリンピックの批評・良し悪しの評価はできない。 Boomers can no longer critique and evaluate the Paris Olympics.

  連日パリオリンピックの報道がなされていくにつれ、メダル争いというよりオリンピックってこんなんで良いのだろうか?という疑問が一杯で純粋スポーツの醍醐味を楽しめない毎日になってしまっている。

 1964年東京オリンピックの時高校一年生だった筆者は、クラスに1枚だけ廻って来た水泳競技のチケットをクジ引きでゲットし代々木の屋内プールで競技を生で観た。田中聡子選手(現竹宇治聡子さん)とはその40年後「世界女性スポーツ会議くまもと」で席を並べて仕事したり食事をした。

 オリンピック直前には我が母校都立広尾高校の体育館で大松監督率いる「東洋の魔女」チームが練習を行い、バレーボール部だった筆者は球拾いで練習に参加した。金メダルを獲得する3週間前だった。

 当時のマスメディアは、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌といった既存の4大メディアだけだった。唯一これ以外に新聞の号外というのもあったが駅頭や盛り場で撒く程度で決してマスではなかった。だから当時の情報は一方的だったし情報を伝える側と受ける側にはっきりと分かれていた。


 しかし60年経った今は大きく違う!

 ITの発展普及で情報は発信者・受信者が両方向になり、SNSに至っては両方が銃口のような両刃の武器で真情報もウソ・フェイク情報もごちゃまぜで拡散するようになった。

 これで一番変化したのが「審判の正確さ公平さ」の真偽を選手も観客も疑い出したことだろう。世界で一番競技人口・プレイ人口が多いサッカーでいち早く取り入れたVAR(=Video Assistant Refferee)ですらSNS上では信用しないと万民がアピールする時代なのだ。

 何か手続きを経たり、資格を持たなければクレームをつけられないという事がないため、SNSは言い放題、己の氏素性を隠して好き勝手言える時代になったのだ。

 このSNSで中傷されたとか、悪口を言われたとか今問題になっているが、そのSNSを視ない本人がなぜそういう事を言うかというと、そういったSNS上の中傷を既存マスメディアが「こんな酷い中傷が集中している!」と報道するからだろう?

 今回パリ・オリンピックが「誤審ピック」と中日を迎える前に言われる所以は此処にある。

 最近のマスメディアはYoutubeやTwitter(現X)からネタを取り上げ報道し、自分で汗をかいてネタを集めない。そういった自分の足での取材能力に欠ける人間ばかりでマスメディア企業の社員が構成されているのではないのか?報道機関までネタをスマホでイージーに集める時代になったからこそ、こういったSNS中傷情報がマスメディアに載るのでは?

 TVにしろラジオにしろ嫌な悪質な放送があったらチャンネルを選ばなければ良いのだ、スイッチを切れば良いのだ。新聞も雑誌も買わなきゃいいのだ、受け手には選択の自由があるのだから・・。

 昔もあった、「子どもに良くない番組」が・・というPTAのTV局へのクレーム。そんなものあっても見せなきゃいいのだ。放送も自由だし、観る方も選択の自由があるのだから。


 また別の話になるが、スタジオで話題に取り上げている競技・スポーツをやったこともない人間が平気でモノを言う、クレームをつける、評論をする。これはワイドショウに出てくる元お笑いタレントの某東国原だとか、局員リタイヤの某玉川徹の無責任外野発言にとどまらない。

 スポーツそのものも変わったし、ルールも変わったし、レベルも進化した。しかし審判だけは人間の眼で見ての判断が多い。

 特に日本選手が多く出る柔道などは日本古来の柔道ではなく横文字のJUDOスポーツに成ってしまった。柔道オリジナルの「柔よく剛を制す」などは大昔に消え、ポイントを加算し消極的態度による減点を取られないようにする駆け引きアピールスポーツに成ってしまった。

柔道ではこういう事態は起こらない、JUDOだからだろう?もはや違う種目だ。

 観てて、この際だからヨーロッパ全体に向かって「お前らのやっているのは柔道じゃない!あのヘーシンクさんが持っていた理念も精神もない取っ組み合いスポーツだ!だから日本はJUDOから去る、二度とジュードウという言葉を使う事は許さん!君たちは別の名前にして続けなさい!」そう言ってオリンピックのJUDO種目に選手を送らなければ良い。

 大体において大男二人が闘う柔道種目で、背も低い男のパワーによる動きを正確に判断などできるはずもない女性審判がジャッジすること自体がおかしい。柔道種目の審判の動きって何であんなにゆったりとして動き回らないのだ?えらそーに「指導」なんか発するのであればもっと審判も動けよと言いたい。

 同時に男子サッカーのスピードに付いて行けない女性主審がなぜ男子サッカーの試合審判を務められるのだ?女性じゃなきゃいけないのか?男子サッカーは男子審判、女子サッカーは女性審判でなぜいけないのだ?

 フィジカル面で男女差のある種目に公平に男女の審判を配する必要が何処にある?誤審・不信を招いているのはそう言った間違った男女同権・男女公平理論だろう?


 今回パリオリンピックはそう言う面でヨーロッパ人たちの間違った男女・性別公平感が混乱を招いているとしか思えない。だから元男性が女性ボクシングに出てきたりするのだ。

 これはパラリンピックの走り幅跳びで義足のバネ足の方で踏み切る様なおかしさとは訳が違う。この種目に関してもあくまで個人的考え方だが、助走で片足バネでも良いが踏み切りは健常な足で踏み切らなきゃズルいと思う。現にパラリンピック出場選手の幅跳び世界記録の方が健常者の世界記録より良いではないか?絶対におかしいだろう?

 そんな、ライフル種目で単発ではなくショットガンで的(まと)に向かって散弾銃を撃つような事をしてはいけないだろう?

 それとは別に、東京やニューヨークの下水より酷いドブ・セーヌ川でトライアスロンの水泳を実施したり、選手村の食事がベジタリアン用の内容に近かったり、もうパリオリンピック自体がスポーツの最高峰の大会というより「祭典=お祭り」的なスポーツ大会に思えてきてしまい日を重ねるごとに興味が急速に減少してきた。


 バレーボール、バスケ、サッカーばかり事前報道し、すっかり忘れたフェンシング陣が凄い成果を上げている。これってフランスにとってみれば1964年東京大会の柔道でオランダのヘーシンクが金メダルを獲ったに等しいだろう?相当な衝撃のはずだ。馬術団体と共に今回オリンピックの最大の出来事だと個人的に思っている。

 事前にメダル確実とか言っていた、バスケット、バレー、サッカーなどの人気種目は実力通り順当に敗退し、フェンシングのように予想もしなかった種目でメダルラッシュだ!日本のマスメディアの「世界の中の日本のスポーツレベル把握」がまるでダメであることを証明しているパリオリンピックのような気がする。