2023年4月12日水曜日

3年振りのヤマセミは出逢える確率30%以下に成っていた。 For the first time in three years, the chance of encountering the Crested kingfisher was less than 30% in Hitoyoshi.

  2020年の球磨川豪雨災害の年以来人吉球磨エリアへ行くことを控えてきたヤマセミ生態観察だが、前回人吉行き最終日2020年3月12日からほぼ3年が経ち、先週3泊4日で再訪した。

 松岡隼人市長さんはじめ、球磨川漁協の刺し網漁師さんたち数名、地元の観光関係、産業関係のメインメンバーと面談。ヤマセミ中心に色々な情報を頂いた。

八代ではクロツラヘラサギ研究の世界の第一人者高野茂樹博士など野鳥談義。

人吉市長とも30分以上談義。

天然木をふんだんに使用した新しい市庁舎で記念撮影。

 今回の人吉・八代訪問は、豪雨災害の爪痕がどの程度ヤマセミを中心とした野鳥たちの生態に変化を及ぼしたか・・・を観察することが主目的だった。

漁師さんの話は相当具体的な話が出来た。

ヤマセミ観察では30年以上の経歴をお持ちの事情通。

八代でも球磨川に関しての環境保護メンバーと懇談。

人吉と球磨川の歴史に関して一番の事情通と。 

 結論から先に言ってしまうと、球磨川本流部ではヤマセミの姿を見る事は非常に難しい事が判った。これは自分で探してみてもアユ漁漁師さんたち、ヤマセミ観察者の方々に訊いてもほぼ同じ答えが返ってくることからも間違いないだろう。

 原因を現在まとめ中だが、ヤマセミの絶対数は豪雨災害などでは死なないし変わらない。過去どんなに球磨川が増水しても、洪水災害後ヤマセミが減ったという事実はない。本流が増水濁流で採餌できなければ支流部に分散するだけ。川が収まればまた戻ってくるのは間違いない。ただ何年かかるかは観察・調査を続けねば判らない。

 しかし現在も続く豪雨災害からの復旧工事で、球磨川本流の主だった場所は重機や車両が入り野鳥は絶対に近寄らない。過去10年以上ヤマセミ撮影ポイントだった所は90%以上が今回撮影不可(ヤマセミが来ない事+工事中)。かろうじて数か所のみで撮影出来た。

 更に洪水で地形が変わり、樹木や土手沿いの高い部分(人工物含む)が無くなり、ヤマセミが普段から採餌場所にしていた飛び込み台が無いため、今まで調査して観察ポイントとしていた所の蓄積データ殆どが意味をなさなくなっている。

 再度採餌ポイントその他を調査するには最低でも春夏秋冬・年間4回4~5泊の調査が必要と考える。特に子育てのポイントは現在全く不明、今年の繁殖子育て時(5月末~6月)に走り回らねば見つかるまい。

 営巣巣穴に至っては、過去の巣穴はほぼ全滅。一番確実だったシラスの壁面の巣穴の跡は全て消え去ってしまっている。3年の間に1~2mほどシラス壁が崩落・後退してしまった。

 詳細はこのブログで今後画像整理に合わせて順次ご紹介の予定。

 とりあえずは、今回実質2日間(1日は終日雨で観察断念)で撮影出来たヤマセミ画像をご紹介。今回は大レンズは持って行かなかったので手持ち撮影のみ。 

3年前の最終訪問時も菜の花は咲いていた。(今回画像2日目)

球磨川支流部


復旧工事の背景でもけなげに生きるヤマセミ

球磨川支流部

球磨川支流部(いずれも今回画像)

 10年間の観察データ、経験値から何とか画像に収められているが、やはり撮影カット数は洪水前の1/3以下。2日間で800カット/1日程度。