2023年4月14日金曜日

球磨川豪雨災害以降、ヤマセミなど自然はどう回復しているか? How has nature going, such as the crested kingfisher, recovered after the Kumagawa heavy rain disaster?

  昨日の人吉のレポート画像をご覧になった方数名から反応を頂いた。いずれも人吉・球磨で育ったかご縁のある方だった。

 豪雨災害直後、現地に入った方からも「まだこんな状態ですか?」と驚きをもっての反応だった。筆者は3年振りだったが、直後や1年目は相当なものだろうと胸が痛む。

 もちろん物理的ダメージは色々な報道を見てのとおりだが、被災者の精神的ダメージはメディアでは報じ切れておらず、各被害者ごとに異なるレベルで一生続くだろう。お気の毒で仕方がない。

 今後しばらくは豪雨災害から3年が経って、自然界の生き物の生態はどのように変化してきているか、縄張りがしっかりとしていて個体を識別しやすいヤマセミの動きを中心に探ってみたい。

 地元で観察し続けている方々、刺し網漁師さん、球磨川土手周辺の住民の方々からヒアリングした情報と自分の眼と足で得た情報を合わせてご紹介していきたい。


 昨日のこのブログは、偶然とらえた繁殖期のヤマセミ二羽の資料画像だったが、続きがまだあったのだ。

 なんとその二羽がその後交尾行動を始めたには驚いた。まさか数日の調査訪問で10年間で幾度も撮影出来ていないヤマセミの交尾の起承転結を、距離も遠い上解像度も並みのカメラだったものの、完全に収録できたのは大変幸運だった。

 これも人吉に到着してすぐ、被災して相当なダメージを被っている矢黒神社に真っ先に詣出た御利益だろうか。

 今日はまずはその様子と、昨日の続きで「ヤマセミがなかなか戻らない理由 その2.」をご紹介したいと思う。

少し離れていた岩から突然オスが飛んできて(※普通この段階からの収録は難しい)


メスに重なった。


ほぼ完ぺきな交尾が成立した模様

コマ数からすると相当長いので、充分な交尾行動と察せられた。過去人吉界隈で観察できたどの交尾より長い時間だった。

球磨川本流の中州(右の部分)3~5mの低灌木が生えていて、通年でヤマセミのダイブ採餌ポイントだった。
これが実際の画像、上の画像の左側、中州部分に会った灌木に留まるヤマセミ。

その拡大画像。無くなってしまった今は、ヤマセミはもう寄り付きもしない。

奥の本流より手前の狭い水路で採餌が多かったが、中州が更地化され無くなってしまったので観察ポイントではなくなった。

この樹木がヤマセミの採餌で重要な存在だったが

洪水の跡消え去っていた。だからここにもヤマセミは来なくなった。

人吉市郊外の「天狗橋」も重要なポイントだったが・・。

水害で1スパンが流失し、工事も長引いたせいか今はヤマセミが寄り付かない様だ。

 こうして、豪雨水害の爪痕は物理的・ランドマーク的変化を含めて自然界、川魚を採餌するタイプの野鳥たちにとって、特にヤマセミにとって大きな影響を与えてしまったことが判った。
 
 実は、採餌場所だけの問題ではなく、採餌対象の餌となる魚類の生態も大きく変化しているとの事。次回はそのあたり含めてレポートしてみたい。