2022年6月8日水曜日

霧ケ峰高原でカッコウの托卵行動に遭遇した。その1失敗の巻. I encountered a cuckoo spawning on other birds nests behavior on the Kirigamine plateau. Part 1.

  NHKの「自然のアルバム」「ワイルドライフ」あるいは「ダーウィンが来た!」などの自然系番組で一度か二度観たような気もするが、いわゆる野鳥が違う種の野鳥の産卵~繁殖に自分の卵を紛れ込ませ育てさせるという「托卵」行動に遭遇したのでご紹介。

 今回は、過去幾度かカッコウに遭遇していた霧ケ峰八島湿原で、しっかりとカッコウに集中して観察・撮影しようと目的を絞って車を走らせたのだ。ちょうど梅雨入りの3~4日前だった。

 昨日御紹介した通り、今年は二羽で揃って飛ぶカッコウに幾度か出遭え、それなりに満足のいく画像を収録できて嬉しかった。三脚は一切使わず500㎜レンズを手持ちで飛ぶ姿を追い写し、何とか見られるカットが在ってよかったのだが、その中にノビタキらしい小鳥が後を追いかけているように見えるカットがいくつか在った。

 偶然飛んでいる時に二羽が重なったのだろうと思って似たようなカットを調べたら、決して偶然ではなく明らかに後を追跡したり、まるで爆撃機を迎撃する戦闘機のようなシーンが在って「これは只事ではない!」と思った。

 撮影中は1羽もしくは2羽の大きなカッコウだけしか見えていないので、その周りの状況は全く分からない。以前人吉の球磨川で餌を咥えたヤマセミの飛翔を追い写していて、その咥えた魚を横取りしようと後ろから迫ってきているトビに全く気付かず連写を続けて、後でPCで画像を見て腰を抜かした事があったが、状況は全く同じだ。

 今回のカッコウの撮影画像で、ノビタキが後を追っているのとは別に樹林帯からカッコウが湿原内の草むらに舞い降りてウロウロしている場面も幾度か撮影してあったが。よく見たらまさにこの動きが「托卵行動」の一部だったようなのでご紹介する次第。

 まずは草むらに降り立ったカッコウが、巣の傍もしくは巣にいたノビタキのオスに猛攻撃される一連の画像から。この際は托卵しようとして失敗したものと思われる。

 なお、画像は相当遠くの様子を800㎜ズーム望遠手持ち撮影をトリミングしたもので荒れているが、生態の瞬間を切り取ったモノなのでご容赦願いたい。同時に各カットのキャプションはあくまで素人の筆者が想像で入れたもので、決して学術的な裏付けが在るわけではない。

樹上から降りてきて草むらの岩の上に降り立ったカッコウ

暫くウロウロして、

岩の右端へ移動、しばらく周りをうかがっていたところ・・。

いきなり下から何かが突き上げ、慌てて飛び立とうとした。

飛びあがった下に居るのはノビタキのオスの様だ。

大きなカッコウの翼の下から叫びながら威嚇!

飛びあがって主翼の付け根を鋭く攻撃!くちばしで突いているように見える。

初速ではやはりカッコウの方が一歩速い。

しかしノビタキも追いかける・・。


必死に逃げるカッコウを追いやって

胸を張って傍の草に留まるノビタキ。一方カッコウは少し離れた岩にランディング。

遠くへ行かないカッコウに気が付いたノビタキのオスは

更に威嚇しながらカッコウの後を追いかけるのだった。第一幕は此処まで。