2019年9月16日月曜日

道東根室、真冬の動物たち。 The animals of Hokkaido Nemuro in mid winter.

 台風15号で被害に遭われている千葉県の被災者にお見舞い申し上げる。TVメディアやSNSでは無責任に復旧遅れの責任が何処に有るのか追及しきりだが、天災の責任を追及した所で、今そこにある苦難や危機は何一つ解決しない。上から目線で第三者的指摘・非難をするのではなく、具体的に何をどうすれば良いのか、アイディア提供など建設的な投稿をすべきだと思うが如何だろう?

 3日連続で、台風15号関係の投稿をするのも忍びないので、今日は先週続けていた真冬の道東の生き物のご紹介へ移ろうと思う。

 今日は野鳥ではなく、陸で遭遇出来る四つ足の獣系だ。何と言っても北海道で出遭えるチャンスの多いのがキタキツネとエゾジカだ。
 勿論ヒグマもいるが、彼らにだけは大自然の中では決して出遭いたくない。普段北海道のフィールドで活動していればまだそれなりにクマの気配や出遭った際の対処方法も判ろうが、本州から行く素人には無理っ。
 1977年、あの有珠山が爆発(その瞬間ふもとの洞爺の駅に居た)する4日前、苫小牧から支笏湖を抜け札幌まで自転車で山岳道路を走る際、パトカーに「熊が出てるから即退去しなさい」と言われたものの、急坂の連続で足が上がってしまい、ペダルをろくに漕げなかった恐怖の一瞬を想い出す。クマに注意!とクマが吠えているイラスト入りの黄色い看板が、決して観光用ではないというのを知ったのもこの時だった。

 このクマ以外の動物と言えば、キタキツネとエゾジカと言ったが、この二種類もそれなりに注意が必要だ。決してペットの様に頭をなでようとしたり、スナック菓子を与えたりしない様に。

 キタキツネは、札幌国際スキー場へ行く全てのカーブに一匹づつ座ってお客が餌をくれるのを待っているというニュースを1990年頃見たし、自分でもまさにその現場を体験している。
 札幌国際への道に出てくる個体は、大草原に居る天然野生のキタキツネとは違う、餌付けされた観光用のキタキツネだ。触ってはいけない病気持ちだから・・・。

 エゾジカも根室の海岸辺りに居るモノは躯体が小さいが、山奥のモノは牛や馬ほど大きいので恐ろしい。一度秋口のサホロスキー場で、真冬のスノーボード競技コースの下見に、雪のない斜面へジープ数台で向かった時の話。
 凄い全山の紅葉に見とれ、あちこちにカメラを向けていた際、大きな声で「急いで車に戻って下さーい!」と叫ぶ人アリ。お尻を押されて車に入って数秒した時だった、ドドドドドドともの凄い地鳴りがして、馬ほどの動物が10頭ほど車の真横からスキーコースを覆う高さ5m程のネットの切れ間からコースに入り、横切って反対側に抜けて行った。

 明らかにお尻の高さは車(ジープ)の窓の高さだった。もともとエゾジカが自由に行き来していたサホロの山に、人間がコースを切って造成してスキー場を造ったのだから、シカ達の為にコースに抜け穴を造っているとの事。

・・という事で、筆者が出遭った道東の獣たち。 
まずは霧多布湿原で出遭ったキタキツネ、数キロ四方原野だった。

野付半島で出遭った二匹。

風連湖で単独行のキタキツネ。

オオワシやオジロワシとのコラボレーション。

オジロワシの前を横切るキタキツネ。

氷下漁の残り物にもキタキツネはやって来る。余程嗅覚が凄いのだろう。あるいは恒例なので慣れているのかもしれない。

 今日の画像はキタキツネ。明日はエゾジカ。