2015年12月8日火曜日

晩秋に単独行のヤマセミはまだ独り者! Crested Kingfisher on a line of its own in late autumn is still BACHELOR !

 通年つがいで行動しているヤマセミも、晩秋の頃は新たな繁殖期に向かって夫婦間で仕切りなおしのカップリング行動が盛んであることは既報の通り。今回生態観察の結果、まだ独り者のヤマセミが4箇所で確認されている。その独り者同士が何処かで他のつがいヤマセミの縄張りを侵し・通過しながら出遭ってあたらしいペアになるのだろうが、確率は非常に低い事がお判りいただけよう。

 いつものように数箇所のポイントで車の中から撮影していた際、ヤマセミの独り者の行動はもちろん観察撮影出来たが、それとは別に見慣れぬ水鳥(=後で珍鳥と知った)水鳥系が3羽で目の前を幾度か通過した。11月25日急に気温が下がった日以降の話。3kmに亘る流域の異なる3箇所で色々な生態を含め計250カット以上撮影出来た。

 その珍鳥を追いかけているのだろうか?それから数日して地元では見慣れぬ熊本県ナンバーや複数の近隣県ナンバーのバーダー車が巡回しているような感じで多かった。

 いずれも川沿いのタチヤナギなど樹林帯が邪魔して視られないのだろう?視ていると中には藪の斜面を降りて近づく者もいて、そのエリア全ての野鳥を飛ばしてしまう事も数度あった。2~300mm程度のレンズではたとえAPSCの1.6倍相当で狙っても多分難しいはずだが、己の機材の不適格・不十分を棚に上げて「近寄りたい、撮りたい!」欲望が野鳥の警戒心を呼ぶ距離に近寄ってしまうのだろう。そういう撮り方だと一発勝負の1~2枚ラッキーショットがあっても、大概は枝被りや後姿しか撮れないと思う。逆にそういう行動一部始終を車の中から観察できて別の意味でバーダーの生態もウォッチングできた撮影行だった。

 まだ今は全体画像を整理中なので、いずれその珍鳥画像を精査してみたい。コシジロヤマドリや最終日に撮影した中に映っていたミヤコドリ、オニアジサシなどと同じ初見の野鳥なので色々WEBや今年手に入れた「鳥類原色大図説」などを開いて観てみようと思う。

 
話が脱線したが、今日の画像はそういう独り者ヤマセミの佇まい。この4羽が現在全然別の場所に居る独り者。雄2羽、雌2羽だからなんとか上手く行って欲しい。

堰の滝の堰堤にどういう形なのか腰掛けているのか?珍しいシーン。

一人でも生きていかねば成らない、採餌もだいぶ覚えたようだ。

一羽佇む漁師の網掛け竿。球磨川ならではのシーン。

毎日目の前に来てくれた個体。毎回ジーッとこちらの様子を伺っている。そういう時は目線は合っても車の中で絶対に動かないようにしている。





2015年12月7日月曜日

昨日はハイタカ、今日はオオタカ! Yesterday sparrow hawk , the goshawk today !

 南九州は猛禽類の密度が高いと今回の撮影行で嫌というほど実感させられた。猛禽類と言っても南九州ではいつも人間の生活領域に居るトビやモズ、チョウゲンボウの事を行っているのではない。タカの仲間の事を示している。関東の三鷹という所に住んでいる筆者だが近所で鷹(タカ)を観る事はなかなか機会が無い。隣の大学構内にオオタカが営巣していることは知っているが、観た事自体は数回程度だ。

 その点普通に生息している南九州は棲み易い環境なのだろう。今回は人吉と鹿児島で合計6回遭遇した。全て場所が大きく異なる為、別の個体だと思うが一羽のルーティンの行動範囲が10km四方以上に及ぶのであれば違うかもしれない。

鹿児島のオオタカは町並みバックに悠然と樹のてっぺんに羽休め。

約1,000m離れている場所からこちらをジーッと視ていた。

さらに鋭い視線を感じ周りを見回したら木々の間から鋭い視線をくれるオオタカの幼鳥だった。地元の方の説明ではいつもここに居ると言う。

そのオオタカの幼鳥がサーマルに乗って上昇していった。

直ぐにカラスにモビングされたが、もう一羽猛禽類(右上)が寄って来たのを視てカラスが退却した。

その猛禽類はハイイロチュウヒの雌だった(現地の方の説明)いつもここに居る仲間らしい。ハイイロチュウヒの雄に出逢った場所だけに猛禽類の集会場所になっているようだ。







 


2015年12月6日日曜日

2週間の人吉行は大成果! I got a lot of results in this two weeks journey to Hitoyoshi basin in a deep autumn.

 今日の南九州は雨模様だそうだ。今までで2番目に長い人吉滞在を終え、撮影した1万3千カットのの画像の取捨選択に多分1週間は掛かるだろうと思う。不要な画像がスペースデブリ、つまり今問題になっている宇宙のゴミのようにパソコンに溜まり不具合を引き起こしそうでいつも気になっている。

 昔の銀塩カメラ時代であれば1本のフィルムに1枚だけ使えそうな良い画像が撮れたと仮定しても360カットも成果が在る訳で達成感は大きい。行かなければ遭えなかった人生初遭遇の野鳥も既にブログで紹介したものを含めて5種類。野鳥の生態の面白さを中心に撮影する為、写真展に出すような綺麗な写真は撮れなかったが、野鳥の面白い生態・行動を収録できたのは大きな満足感となっている。

 じっくり精査した後順次このブログにアップしたいと思う。戻って最初はハイタカ。雄か雌かは判らない。猛禽類類に詳しくない自分にとってはオス・メスの判別より、基本的な名前の判別の方が大変だ。しかし今回は真下からのみの画像だけではないので比較的判断は直ぐにできた。

朝7時まではわずかに煙っている程度で濃霧は出ていなかったが、7時半頃球磨川下流から掛け布団のような濃い霧が押し寄せてきて街を飲み込んでしまった。

霧が薄くなって朝陽が射すようになってきたのは9時半過ぎだった。晴れてみると雨の前日とは異なってカモ類など野鳥の動きは鈍く、その数は半減していた。何処かへ移動したのだろうか?

いつものようにヤマセミポイントで車の中からヤマセミを待っていると、パタパタパタ、ス~ッと猛禽類が飛び出した!主翼の鷹班と大きさからまたもやオオタカかと思ったが、画像チェックするとハイタカの様だった。
目の上の白眉が在るのかないのか、別テイクで見るとかすかに在るがオオタカほどの幅ではない事、目の下の褐色黄色系の部分などからハイタカらしかった。

旋回しながらサーマルに乗って上昇していった。咽元の縦縞が無いのでツミではないだろう。







2015年12月4日金曜日

 気性の激しいヤマセミは窓ガラスに映る己目がけて毎朝突進! A strong-minded Crested kingfisher rushes at a windowpane! everyday morning !

 昨年発刊・無償配布した「川辺川・球磨川流域の山翡翠」にも、球磨川支流・胸川沿いの料理屋さんの窓ガラスに映る己の姿に語りかけるヤマセミを掲載した。今回は遥かに激烈な生態を観察撮影できた。人吉市内での撮影、毎朝河川関係施設の建物の窓に映る己の姿を「敵」と判断したらしく、8m程の距離にあるフェンスから全速力で飛び立ち窓ガラスに体当たりする!

 5年ほど前、鹿児島の吹上温泉地区の旅館の大広間の窓に、やはりヤマセミが激突するので困っているとの話を女将さんに訊いた。葦簀(よしず)を立てかけるように言ったら、それ以降は突っ込んでこなくなったそうだ。そのヤマセミは激突が過ぎてくちばしの先端が欠けていた。それ以来ヤマセミは二度と姿を現さないとの事。

 今回人吉での生態はつがいの二羽そろって攻撃するという珍しいケース。

この日もつがいの2羽で飛び出す場面を撮影できた。下がオス。

オスの方は直前でビビったのか旋回してしまった。

メスはそのまま一直線に加速して・・・。

ドーン!と体当たりというかくちばしから突っ込んでいる。頭蓋骨の中はキツツキなどと同じ仕組みになっているのだろうが、信じられない習性だ。この後動画や起承転結全体を撮影できた。




2015年12月3日木曜日

ラフティングを覚えたのだろうか?オオハクチョウの面白い生態! The interesting habits of the whooper swan!

 話題を呼んだ人吉のオオハクチョウだが、昨夜山岳地域に降った雨の為、増水した球磨川本流で偶然面白い場面に出遭った。いつもとは違う所に居たオオハクチョウ2羽。曇天で見物人もいない状態。こちらは100m以上離れた土手の上の車の中から双眼鏡でその佇まいを観ていた。

 そのうち増水して流れの速い瀬の部分に差し掛かった2羽、流されつつその水流の激しさと後ろに控える小さな滝のような落差のある部分に一瞬「ヤバイ!」と思ったのか、2羽とも飛んで脱出を図ろうとしたのだ。しかし水の流れは速く、一羽はかろうじて離水に成功!しかしもう一羽は敢え無く離水失敗!

 飛翔できずに水の流れに身を任せ、仕方なく瀬の流れに乗って穏やかな所まで流れて行った失敗の一羽!何を思ったのか、穏やかな所で離水すると飛んで行った同僚に合流せず、最初に失敗した流れの速くなる所まで飛んで着水。そうしてあろうことか、今度は自ら流れに積極的に身を任せて球磨川下りというか、ラフティングを楽しんだのだ。これは一体どう理解すれば良いのか?

 普段、沼や湖に飛来するハクチョウは雨で増水した球磨川の様な環境は初めてだろうと思う。そこで流れに乗る楽しさを覚えたのだろうか?2度ほど同じことを繰り返したその1羽は上流に飛んで行った最初の一羽にすぐ合流した。ひょっとして最初に飛んで行った1羽を誘って、現場に戻って同じ事を教えたりしないだろうかと期待したが、残念ながらそういう事は起きなかった。

 観察したこちらはオオハクチョウの思わぬ行動に目をパチクリするのが精いっぱいだった。

明らかに普段より瀬の流れは速いように見えた、小さい滝のように段差が出来ている。

アオサギの観ている目の前で事件は起きた。

必死に流れに逆らって水を蹴って飛び立とうとするがなかなか前には進まない。

やっとの思いで一羽は平水面のエリアに脱出できたが、まだ水面を蹴らないと飛べない。

もう一羽は敢え無く水没!観ているこちらは一体どうなるのかちょっと心配した。

前を行く一羽はその間も水面を蹴って離水に必死。

やっと離水して飛翔状態に入った先頭の一羽。

飛び立ちを諦めた後ろの一羽は流れを見極めて・・・。

ラフティング状態で下流の静水面へ流れて行った。この後、飛んで再び元の場所に戻るとは夢にも思わなかった。しかし説明的なその画像は無い。連れの一羽にすぐに合流出来るのにしなかったのは、自主的にそうしたのだ!と鈍い筆者が気が付いたのはその場を離れて3時間後、画像をチェックした時だった。

一方、幼鳥は橋の架け替え工事のすぐ傍でたむろしていた。

工事している人間の傍には猛禽類など天敵が来ない事を知っているのだろうか?



2015年12月2日水曜日

メインのターゲット、研究課題のヤマセミを少しレポート! I would like to report main target, some Crested kingfishers of the research theme !

 猛禽類や群れで居る野鳥のレポートが多かったので、本題のヤマセミはどーした?というリクエストが来てしまった。別に出し惜しみしている訳ではなく、今回も大きな生態を2件確認できたのでほくそ笑んでいるところだ。江戸へ戻ってゆっくりレポートしようと思っているので、今しばらくお待ち願いたい。

 今日はグッとヤマセミに接近できた画像などをアップしようと思う。基本的に車の中からの撮影なのだが、やはり10m程度の距離で撮影するとなると、向こうも警戒するのだろうか、なかなか良いショットが撮れなかった。たまに良いチャンスが在っても車のエンジンを切っていなかったり、切る暇が無かったり・・・結構うまくいかないものだ。

 今日の画像は球磨川本流の街中から少し離れたエリアに縄張りを持つヤマセミ♀。






いつもこれほどクリヤーな画像が撮れる訳ではないし、生態の記録画像的撮影が本来の狙いなので自分的には珍しい部類の画像だ。生態的にはほとんど意味のない画像だがゴージャスな其のいでたちはやはり魅力的だ。迷彩テントに入らずとも、これだけ接近できるヤマセミは全国広しといえども人吉だけだろうと断言できる。





2015年12月1日火曜日

球磨川で眼の前にオオタカ!  It is Northern Goshawk before eyes in the Kuma River!

 何故か今年の晩秋は猛禽類に出遭う事が多かった。熊本の人吉盆地でも、鹿児島の干拓地3箇所でも。今まではヤマセミに熱中し過ぎていたため、猛禽類と言えば同じ領域に居るミサゴやトビばかりが目についたが、今回のツアーでは他の鷹系猛禽類も意外に身近にいる事を発見!

 今日もヤマセミの行動を3か所で観察・撮影できたので昼過ぎに一休み。人吉郊外の球磨川本流の堤防道路上で車を停めてそれまでの画像をチェックしていた。、その時堤防下の樹林帯にスーッと茶色い何かが飛来して留まった。右岸堤防なので基本的に正午の光は逆光だ。

 双眼鏡で確認すると猛禽類!眼の上の白い眉班の長さからオオタカと視た。しばらくキョロキョロしていたが、車の中の筆者とは一瞬目が合ったかどうかという感じ。しばらく逆方向左岸の方向を観ていて飛び立った。人吉盆地を囲む山をバックに悠然と消えて行った。







今日はビッグ・デイだった。ヤマセミの興味ある習性というか生態の決定的な瞬間を捉えられたし、今までにない接近画像も収録できた。また新しい球磨川本流のヤマセミポイントも発見できてヤマセミの各ファミリー+独り者分布地図などが着々と出来上がりつつある。