2023年8月26日土曜日

テレビ中継では判らない本当の夏の甲子園決勝戦に寒気を感じた。 I felt chills at the real summer Koshien finals, which I couldn't see on TV.

  この週末、明日の日曜日のテレビワイドショー週間特集でもこの夏の甲子園・全国高校野球の決勝戦「慶応義塾高校 Vs 仙台育英高校」の結果107年ぶりに神奈川の慶應義塾高校が優勝したことを報じ続けるだろう。

 準決勝の前あたりから慶應義塾高校がダークホースとしてメディアが異様に後押ししてきたのは気になっていた。特にTBSの午後の看板番組Nスタの井上貴博アナは慶応義塾高校野球部出身で甲子園も経験している。

 メディア界でも一番アピール力の強いテレビのアナウンサー、慶応義塾高校・慶応義塾大学出身者(三田会)を調べたら、30歳代まででなんと全国に320人以上もいるのだ。

 放送局で現役のアナを卒業し、その他の役職についている者を集めればとてつもない数になるだろう。

 公平明瞭な報道をしなければいけないメディアの一番強力な情報発信力を持つテレビ局の構成員がこの状態だもの、事前から期待値、応援要請的なものはテレビ画面を通じてガンガン茶の間に入った事だろう。

 107年ぶりの慶應優勝が奇跡的に起きるかもしれないという「期待感」をテレビが放っておくわけがない。ガンガン期待報道、起こるかもしれない報道は日を追って高まったのは全国民が感じたことだろう。すでにこの段階で仙台育英高校はヒール役(悪役)になってしまった感は否めない。

 感情的に何とか慶應義塾高校に優勝させたい、あの全国から野球の上手い中学生をスカウトして集めた一時期の大阪桐蔭のような野球選手育成高校=仙台育英になど勝たせてなるものか!・・・のムードがたかまったのはメディアの報道の内容・指向にあったと思う。

 今回決勝戦を戦った2校の選手出身中学を見れば一目瞭然。神奈川県代表の慶應義塾高校は通学エリア圏、東京都・千葉県・埼玉県など関東地域からの選手が90%を占めているのに対し、仙台育英は遠くは近畿など東北エリア外からの越境選手が半分近くを占めている。

仙台育英高校は20名中9名までもが東北エリア外の越境選手。

慶應義塾高校は20名中2名がエリア外の愛知県出身。

 これらは野球部に合宿所のような寮を設けない慶應義塾高校と、合宿寮を設け全国から野球の上手い中学生をスカウトして集める仙台育英高校の野球部に対する考え方の相違を如実に表している。しかしこのことは大阪桐蔭や熊本の秀岳館(熊本県出身者が一人もいなかったことがあった)の頃から問題になっていたにもかかわらず、こういった件に関してはメディアは今回も一切報道しない。暗に認めているという事だろう。

 かって国体(国民体育大会)開催県に開催2~3年前から各種目の優秀者を自県の教員などに呼び込み、天皇杯・皇后杯を開催県が獲るという「奇妙なお約束」を野放しにしてきた日本のメディアだもの・・。

 各メディア、特にテレビ局は主催者の高野連や朝日新聞社に今回も忖度したのだろうか?

 慶応義塾高校の森林監督が孤軍奮闘して「新しい高校野球のあらゆる面であり方を模索し良いと思うことを実行しているし、これからもそうする」と言っていたが、高野連や朝日新聞社のスポーツ・甲子園担当者はどう思っただろう。まずいと思わなきゃ、もうどーしようもなかろう?

 マリファナ・ドラッグまみれの日大アメフト部問題と似たような匂いを、高野連の言動や今までの高校野球スタイルを金科玉条としてきた監督・指導者・親・選手たちに感ずるのは筆者だけだろうか?

 そういった過去の常識や「これが当たり前」と踏襲してきたグループはそのやり方・常識を否定され「こなくそ」と来年の大会でこの動きをひっくり返すべく躍起になるだろう。ネットメディアにはその辺りもボチボチ出始めている。余程悔しかったのだろう。


 甲子園初戦あたりで、髪型自由の慶應義塾高チームに向かって「出直してこい!」とヤジを飛ばした対戦相手校の馬鹿者、今頃地団駄を踏んで悔しがるとともに、大恥をかいていい笑い者になっていることだろう。

 しかし、筆者思うに慶應義塾高校は今年1回、107年ぶりに優勝したからこそメディアも褒めたたえ、世間も後押ししたのであって、来年また優勝に絡んできても、もう期待される話題になないだろう。今まで高校野球をある種の神話的な報道をしてきたメディアや、旧態然とした高校野球界から大きな反発を受けることになるのではと思う。

 良いときは応援するふりして持ち上げておいて、少し経つとその間に調べた裏の情報で叩く・・・日本のマスコミ・世論づくりの餌食にならない訳がない。例えば今まで慶應義塾卒で犯罪を犯して捕まった者(芸能人・政治家・アスリート)を列挙するとか、慶應卒の女子アナ・女優の醜聞だとか・・手のひら返しばかりしているメディアのやることに真実はあまり存在しないのが我が国の恥ずかしい所だ。

 結果的に来年も今まで通りのスタイルを崩さずにプレイを続け、結果として勝ち進んだ場合は良いが、無理して「また優勝しなきゃ・・。」などと力んで甲子園目指さなくても良いんじゃないだろうかと思う。

 しようと思えばいつでも出来るぞ!と思わせておいて、そうガツガツしないのが「Enjoy Baseball」なんじゃないのだろうか?

 充分高校野球界や一般メディア・国民全体に衝撃を与えたし、問題提起もできたろう。


 しかし、しかしだ。テレビ中継やニュース、あるいは新聞や号外だけでこの慶應義塾高校と仙台育英高校の戦いを観た人には分からない話を今日はしようと思う。

 ここにネットに出ている決勝戦の慶應義塾高校側の応援団の様子をアップしたYoutubeがある。途中までで良いから見てほしい。筆者は寒気がした。今日のブログの要点はここだ。

https://www.youtube.com/watch?v=UXTWM166wbc

 応援の振りをまねて狂ったように応援する制服を着た慶應幼稚舎の生徒たち、アルプス席に限らず外野一杯に全国から駆け付けた三田会?慶應関係者がうねる、叫ぶ、歌う。

 筆者は東京学芸大学附属追分小学校(すでに合併廃校)から四校目の八代市立太田郷小学校をはじめ中学校・高校・大学までずーっと国公立で過ごした。

 北九州小倉市(当時)の福岡学芸(現・教育)大学附属小倉小学校など、卒業アルバムはカラのアルバム帳を配布しただけで、中身はなかったという(=教室に5年生まで明かりはなく、プールもなかった)貧しい学校環境で育った。だから慶應義塾のシステム(寄付金などの多さは気になるが)を見ていると羨ましくて仕方がない。しかし、一方でその同窓力・団結力はある面恐ろしくも感じた。

 対極にある早稲田大学は、同じく全国・海外から優秀な人材が集まる場所なのだが、ここまで異様な団結力・粘着力・同族感はない、クールでサパサパしていると言って良いと思う。

 なんだか今回この決勝戦の応援をネットで観ていて気持ち悪くなったし、背筋が寒くなった。

 筆者はまだ生まれてないから知らないが、日本人が戦争へまっしぐらに突き進んだ時代の「勢い・熱」を視た様な気がした。

 筆者はこれを見た時テレビって実は真実を全部報じていないと思った。まるで北朝鮮の催事のマスゲーム、あるいは新興宗教の総会?慶應幼稚舎から慶應義塾大学まで卒業生・OB・OGが入る三田会が「100年に一度の事だからすべて放り投げて甲子園に応援へ!」とやったのだろう。

 これで判った、「慶応義塾学閥って宗教なんだ!」

 相手が攻めていて、あるいは守っていて失敗したりすると、大はしゃぎで喜ぶ。味方が好機になると何も聴こえない状態にして相手の失策を呼び込む・・。メディアにはこういう指摘も多い。これをとがめるのであれば全仏オープンテニス女子の醜聞をもっと責めてほしい。

https://news.yahoo.co.jp/articles/670ae849c5740bea4ac1cebe40389bbb11f516b5

 もちろん筆者はこんな規模の大歓声の下で何かをしたことはない。せいぜいアイスホッケーの試合で品川スケートセンターが観客で埋まった中でプレーしたくらいだろうか?しかし歓声なんてプレーしている者には何の影響もないのだ。

 そんなものあったらプレーに集中出来ていない証拠だもの。そんなことを非難する人は自分でそういう経験がないか、スポーツが出来ない人なのだ。

 今後色々な観点からこの決勝戦や慶應義塾高校のもたらした優勝の影響が論じられるだろう。引き続き注視したい。