2020年5月17日日曜日

年を追ってCanonの消費者サービスは酷くなる。スマホに市場を取られる訳だ。 Over the years, Canon's consumer service gets worse. The market is taken by the smartphone.

 ネットでAmazonを通じて買ったばかりのCanonのコンデジが、撮影していて急にレンズが戻らなくなった。いつものジョギングランナー3名で小さな15㎝程のミニ三脚に付けて記念撮影した直後、戻らなくなったもの。
 新型コロナウイルス禍で、いつもよく行く銀座のキャノンサービス(=修理)センターがいつまでも開かないので、HPから問い合わせたら、自宅まで故障機を引き取りに来て大分の工場へヤマト便が運搬してくれるという。早ければ10日~12日で戻るという事だった。丁寧な案内はそこまでだった。

 この先の話は1962年ころ愛用していたキャノネット以来ずーっとキャノンのカメラを使い続けている消費者だからこそ、あえてこのブログで企業としてのキャノンへ苦言を呈したい。
 野鳥撮影でキャノンのカメラを愛用している方々には何かの参考にしていただきたい。

 筆者も経験があるが1Dxや5DMarkⅢなどのデジタル一眼やf4・500㎜レンズなどの修理、オーバーホールにはサービスセンターで目尻を下げて愛想よく対応するキャノンが、事コンデジとなると、まるで上から目線で「こんな安いカメラの故障だのクレームには一々応じてらんないんだよ!」の態度が見え見えでもの凄く腹が立ったので此処に投稿する次第だ。
 筆者がこのブログのメイン部分WEBサイトに掲載している5年ほど前の時期の現役機。現在メイン機はEOS1Dxに替わっているが、5DMarkⅢ、7DMarkⅡも用途別に頻繁に活躍している。

で、ヤマト便が回収に来て早々2日後、夕方4時頃担当者らしき男性の声で携帯に留守電が入っていた。気が付いたので、かけたが17:00を超えていて就業時間外だったらしく録音テープが回るだけだった。
 翌朝10時過ぎに電話したら今度は女性の担当者が出て、名前や機種の確認をした後、突然修理代2万7千いくらか掛かるというではないか?

 週間前Amazonで購入して300カットも撮影していない状態での故障(冒頭の説明通り)なので、当然補償期間内だろうと思っていたら、レンズに打ち付けた跡が有りレンズ異常を起こしているので補償が効かないという。「どこか高い所から落としましたか?」と訊かれたが全くそのような事はしていないし、レンズが戻らなくなった際3名がその場にいたので目撃者・証人ははっきりとしている。

 「修理代金2万7千円です」とさも当たり前に宣言した係にちょっと待て!と訊いた。
 戻らなくなった状況を説明して、高さ15㎝に満たないミニ三脚で撮影した直後レンズが戻らなくなったという事で3万円程度で買った商品の修理代が2万7千円なのか?と訊いた。答えは判で押したようにマニュアル通りを繰り返す留守電アナウンスの様だった。

 受付の女性のみの対応で担当技術者は電話にも出ず、消費者の話を全然訊かずに、具体的なやり取りは一切ないのだ。一方的にキャノンの故障・修理マニュアルに沿ってすべて製造者=メーカーの判断だけで「修理代2万7千円です」というのはあまりに酷いではないか?これではあまりに一方的ではないか?ほとんどコミュニケーション無しに死刑宣告されたようなものだ。昔のウエスタン映画のリンチじゃあるまいし、判事が来るまで預かり状態で吟味の後裁定が下されるべきだろう?

 高価な車の修理だって、とことん修理責任者が車のオーナーに故障個所を説明し、修理の方法をいくつかコストに照らし合わせながら説明するだろう?細かい傷・故障は当然安い修理代だし、大きな傷・故障はユニット交換など発生した場合は相当するが、車の購入代金の90%も掛かるような修理は無いはずだ。そんな説明したら廃車にして新しいモノを買うに決まっている、余程クラシックカーで名車でもない限り。

 カメラだって同じはずだ。それとも安いコンパクトデジカメなんだから、故障したら修理するより新しく買った方が良いですよ!とでも言うのか?いつからキャノンという会社は自社で作った製品を末永く消費者に愛用してもらおうという企業理念・社是(もともとそんな高貴な社是は無かったのかもしれないが・・。)を捨て去ったのだろうか?

 筆者はこのブログの主人公ヤマセミを中心として、その生態画像を記録し続けている。コンテストに出すようなきれいな写真はとても無理だが、それなりに生態の珍しい瞬間を切り取り続けている。それと同時に毎日観天望気を行いながら、身の回りの季節の移ろいを画像に取り込んでいる。たまたま今日も毎朝愛犬散歩に出た際のほんの30分間にキャノン・コンデジのSX 720 HSで撮ったカラスの生態画像がテレ朝の自然番組で一瞬だがオンエアされた。役に立っているのだ、コンデジでもそれなりに・・・。
たまたま偶然今日テレ朝の夕方の番組で報道された筆者が撮影したカラスと手前が愛犬。今年の春先朝6時の散歩でSX720 HSで撮ったもの。

 SX700HS(2014年2月20日発売)の時代からSX620~710 ~720~と使い続けている。すべて買った状態で完動している…と言いたいがSX710だけアナログ部分の耐久性が欠陥で1万6000円払って新型へ新品交換となった。これはSDカードの出し入れの奥のバネが耐久度が低く折れてしまいキャノンがそのユニットだけの交換が出来ないので申し訳ないが1万6000円払って最新機種への交換を申し出たのだ。シャッターの耐久テストはするもののSDカード出し入れのバネの耐久性に関しては耐久テストをしていないと白状した。

 この際は一旦品川のサービスセンターで「直りません!」とだけ言われて憤慨し、後日銀座のサービスセンターに行ったら、5分間話を聴いて上記の措置をされたもの。同じ窓口でこれだけ対応が異なるのも不可解だったが渋々1万6千円払って新機種へ交換したのも。現存・完動している。この話は数年前このブログでもアップした。

…という事で、我が家のキャノン・コンデジはすべて動いており丁寧な扱いをしているし、保存も大げさだが保湿器で保管している。それが4代目の730に成った途端の故障だ。それをこういう扱いをされてしまい怒り狂っているのがこのブログなのだ。
 全部いちいち並べて説明する気はないが、キャノンのこのシリーズは現在自分で1機、家族が3機現役で使用中だ。すべてどこも問題なく完動中だ。

 かのユージーン・スミスが’60年代キャノンのカメラを愛用していたのを知っている。シュバイツアー博士を撮影したカメラもカタログに成っているので知っている。その英語版の当時のカタログをさるところで手に入れ、長年Canonに勤めた中学時代の仲間を通じて無償でキャノンに提供したのだが、今回大変頭に来たのでこれを返して頂くことにする。

 モノづくりの現場で長い事過ごしてきた筆者には、自分が造った物への誇りと、それが手渡った方々に末永く大切に愛用していただきたい・・との思いが非常に強い。これは1973年に青山のVAN(=株式会社ヴァン ヂャケット)に入れて頂いたとき、最初に石津謙介社長に教わったことだった。キャノンの会社・メカニック担当・修理係にはもはやそういったプライドや使命感は無くなったものと、今回非常に残念に思った。社長含めて会社自体もそういう企業に成ってしまったのだろう。

 カメラを製造している人間にとってこういうカメラの姿は心を痛めるに違いない。そうでなければキャノンという企業にもうモノづくりの資格はない。※注=これは修理に出した筆者の個体画像ではない。

  あらためて、戻ってきたカメラ現物を添えてその筋(公的関係各所2か所)へ相談をしたところだ。じっくり話を聴いて本格的に調査するという事だった。

 これはキャノンという企業が白っぽいプロ用望遠レンズ群でたまたま世界的に売れたための驕りのような気もする。ラップトップパソコンの外側を薄紫色にしただけで中身の性能とは関係なく売れたソニーのVAIOようなものだ。本来の性能で売れたのではなくファッションで売れたのだ。

 消費者にとっては砂漠のオアシスのような都心の修理サービスセンターを次々閉鎖し(新宿・品川)どんどん愛用者の信頼を壊していくキャノン。長い事対面で愛用者とのコミュニケーションを取りながら、長く製品を愛用してもらう姿勢で信頼を築いてきた企業キャノンだったが、もはや、そういう顧客サービスが無くなってしまった企業にはもうこの先、未来はないと思って良いだろう。

 コンデジの売り上げが落ちる一方で、スマホにその日常カメラのシェアを取られていく様は落日の太陽といった感じだろうか、写真撮影愛好者の一人しては大変残念ではある。