2010年からは球磨川沿いの人吉市でヤマセミに遭遇、それ以来人吉市に通う事52回。合計すると滞在宿泊数も300日を超えた。
で、この2010年人吉市を訪れるきっかに成ったのがNHK総合TVの「ダーウィンが来た!」で2006年頃放映された北海道千歳市のヤマセミだった。これは衝撃的な番組だった。
その後同じ時撮られたと思われる素材が「ワイルドライフ」にも流れ、他の野鳥とは全く違うアクションが派手なヤマセミの魅力をいっぱい提供してくれた。
これは、現在野鳥撮影やヤマセミの魅力に嵌まっている人々の中にも同じ様な方が沢山居るのではないだろうか?
そのヤマセミの番組を実質企画し制作し映像を撮影されたのが写真家の嶋田忠氏なのだ。大学の獣医学部を卒業されているので、撮影する野鳥、特にヤマセミなどの生態などを良くご存じな訳で、ただ「居た、撮ろう!撮れた!」という殆どの野鳥撮影カメラマンとは違うスタンスなのだ。
埼玉県で生まれ、北海道の千歳川に行った際ヤマセミの魅力、環境の魅力に魅かれ、千歳川沿いに移り住んでしまったという方だ。
勿論プロの写真家さんだから、ヤマセミばかりを撮影する訳にはいかないだろう、北海道に移り住まれたので当然北海道に居る野鳥類の画像は非常に豊富だ。
今野鳥写真にハマって居る団塊世代中心のアマチュアカメラマンの殆どは、実はこの嶋田忠さんの撮影した野鳥画像に憧れて追い続けていると思う。野鳥撮影ファンが被写体として珍重する出遭い難い野鳥、ヤマセミを筆頭にシマエナガ、シマアオジ、シマフクロウ、オオワシ・・・など。
ある意味で嶋田さんが野鳥撮影を志す者たちの全ての面でモノサシに成っている様な気がする。
今回写真展を観て思ったのだが、嶋田さんは決して野鳥図鑑の様な接近した野鳥の画像ではなく、その生息している環境背景を必ず画面に入れての作品を展示している。ノートリ、等ととにかく接近して撮った写真を自慢するアマチュアカメラマンたちも、この嶋田さんの撮影方法をもっと学ぶべきだろう。
一方で、近寄った場合はクチバシの先が凍り付いているヤマセミを超アップで撮影したり、水中から飛び込んでくるヤマセミがヤマメを咥えようとする瞬間を捉えたり、野鳥撮影に関しての創意工夫面でさきがけ的な存在だ。
1949年生まれだという事で、同じ団塊世代。写真展ではヤマセミに関してのお話を短い時間だったが出来て嬉しかった。この先の交流が楽しみだ。この嶋田さんの「野生の瞬間」は恵比寿の東京都写真美術館で9月23日までやっているので、野鳥撮影の愛好家であれば是非ご覧になるべきだと思う。学ぶことが非常に多い筈だ。毎週日曜日の午後2時からは生の対談などを聴けるので日曜日が狙い目かも。
※ https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3412.html
ニューギニアなどで撮影しNHKで散々放送されたフウチョウなどの画像も沢山。展示室を暗くして観やすい展示だった。
嶋田さんと同い年同志、団塊世代の記念撮影。
Googleフリー画像より
Googleフリー画像より
入場料は65歳以上のシニアであれば¥500。色々なカードを持っているとさらに割引にもなる。同時の開催中の世界報道写真展も観ておくことをお薦めする。