2016年3月12日土曜日

佐賀県東与賀干潟・別名大授搦のダイシャクシギ This is Eurasian Curlew of Higashi-yoka tideland called Daijugarami.

 ダイシャクシギとホウロクシギは普通に翼を閉じて浜で採餌している時には、どちらだかよくわからないのが普通だ。しかし、飛んでみると一発で判る。主翼の裏が真っ白なのがダイシャクシギで表に似ている斑模様、簡単に言えば白くないのがホウロクシギだと思えば良いと教わった。

 よく知らない時に、八代市の前川(=球磨川河口部)でたくさんダイシャクシギがいると思ったらホウロクシギだった事もあった。

 沖縄の那覇市の真ん中にある漫湖でクロツラヘラサギと一緒にダイシャクシギを観たのが最初。それ以来の数を今回東与賀干潟で観察できた。餌を獲る様子や、足場の悪い干潟でフライトまでの動きなどを観察撮影できたのは収穫だった。

こういう状態だとホウロクシギかダイシャクシギか判り難い。

しかし飛んでみれば背中の後部が白いのでダイシャクシギと判る。

翼の裏側の白さでも判明可能だ。

こうなれば確実にダイシャクシギと見て良いのではないかと思う。




ぬかるむ干潟で飛び立つ際の動きを連写して合成してみた。実際は各カットは重なるのだが見難いので少しづつ離して合成した。動きの面白さだけでも理解いただければ幸いだ。








 

2016年3月11日金曜日

佐賀県東与賀干潟・別名大授搦のクロツラヘラサギ This is Black-faced spoonbill of Higashi-yoka tideland called Daijugarami.

  約1300mに亘る東与賀干潟、つまり通称「大授搦=だいじゅがらみ」に集う2月の水鳥(海鳥)たちの中でやはり一番の大型鳥類はクロツラヘラサギだろう。如何にダイシャクシギやホウロクシギが大きく見えてもクロツラヘラサギやアオサギには敵わない。そのクロツラヘラサギが現場に着いた時はわりに沖の方に横一列になっていた。その数18羽。しかし後で画像を調べたら普通のヘラサギが混じっていた。

 ちょうど、潮が満ち始めていたので、ヒタヒタと波が迫って来る中をクロツラヘラサギが思いのほか早い足取りで一列になってヨタヨタと浅瀬へ進んできた。その模様は昨日YOUTUBEにアップした動画にも収録されている。

 八代市の球磨川(前川)河口部や鏡川河口部の防風柵に集まるクロツラヘラサギ達の寝ているか飛んでいるかのシーンではなく、餌を探る採餌行動や列をなして浜を横移動する姿は非常に新鮮なシーンだった。

 前にも述べたが、クロツラヘラサギはコウノトリに非常に近い生態で、ウーウーだとかフーフーという鳴き声といってよいかどうか判らない声を出すようだ。くちばしを時々カタカタとさせるが、コウノトリのカッタリングとは違うような気もする。採餌の方法もくちばしにあるセンサーで泥の中をかき回して採餌する。したがって一列になって左右に首を振りながら泥水の中を探る様が面白い。

満ちかけの渚を動き始めたクロツラヘラサギ。

安定した干潟上に到着のクロツラヘラサギ+ヘラサギ1羽。

同じく潮に追われたツクシガモの編隊がクロツラの上を飛んでいく。

更に右海面へ移動するクロツラヘラサギの編隊。

主翼端が黒いのは幼鳥。

光の向きで背景の色がどんどん変わる。

着陸に向かって羽ばたきをやめて滑空中のクロツラヘラサギ。


2016年3月10日木曜日

佐賀県東与賀干潟・別名大授搦(だいじゅがらみ) レポート This is the wild-birds report from Higashi-yoka tideland called Daijugarami.

 人吉でヤマセミの生態をいつものように観察撮影した今回2016年最初の人吉行きは、オオハクチョウの幼鳥やコウライアイサ、カワアイサなど関東にいてはなかなか出遭えない珍しい野鳥に出遭えて非常に嬉しかった。

 8日間の訪問中、人吉から車で北九州市小倉~佐賀県庁~東与賀干潟~八代市金剛干拓を回ったので2日間人吉以外の探鳥も行えた。特に東与賀干潟・大授搦(だいじゅがらみ)では18羽ほどのクロツラヘラサギや多くのダイシャクシギ、ミヤコドリにも出遭えて、これまた嬉しかった。

 以前一度だけこの干潟に来た事が在ったが、確か5月過ぎで数多くの種類がいたような気がする。たぶん今年も春先には鳥類動物園の様相で色々な海鳥がひしめき合う事だろう。

 干潟の野鳥観察は潮汐表とよほど相談していかないと、はるか数キロ先の波打ち際に横一列になった遠い海鳥のシルエットだけを拝むことになる。2度ほど大失敗しているので、今回は肝に銘じて時間を調べて行って大正解だった。

 とにかく広い。重たくてかさばる大砲レンズを珍しく三脚に取り付け、肩からは50~500mmZOOM装着の飛翔撮影用をたすき掛けにして下げているので、歩きにくい事この上ない。いつもは車の中から被写体を脅かさないように撮影するのだが、この大授搦の大群は物おじせず、三脚のレンズが向いても平気でいた。慣れとはこういうものなのだろうか?地元の方々が数名来ておられたが皆さん非常に親切で、どこに何がいるか詳しい解説をしてくださった。何処かとは大違いだ。

 まるでテレビのネイチャー番組のように、シギ・チドリがウンカのごとく左右に飛び回る様を初めて生で観察できた。「すげー!」としか言いようがなかった。まずは行ったまま、見たままの雰囲気だけ今日はご紹介しようと思う。

 動画も一緒にCANON EOS5D・MarkⅢであれやこれや撮影したものを、今日繋いでみた。動画に関しては先輩のプロ級の方々が大勢いるので非常に恥ずかしいのだが、初心者の「遊び」と思ってお許し願いたい。風が非常に強く、音声はボコボコの連続で3回戦ボーイのボクシングのようで聞き苦しいのでフリー音源のBGサウンドをかぶせてみた。あくまで大授搦の雰囲気だけを感じ取って頂きたい。なお、シギ・チドリの乱舞・群舞のシーンはオリジナルはきちんとキレイに撮れているが、YouTubeに公開すると通信回線のスピードの問題だろうか、群れのシーンが汚く観難い、ご容赦願いたい。

大授搦のたたずまい= https://www.youtube.com/watch?v=qC1xa0kTWjg

 とにかく佐賀平野は熱気球大会の場所。熱気球という乗り物は、冬で外気温とバルーンの中の温度差が大きければ大きい程うまく上がるのだ。以前はそういう意味から北海道がメッカだった。1982年の北海道上士幌での第1回全日本熱気球選手権大会に日本旅行の「赤い風船」という熱気球で参加したので少し学んだ。乗って上空に行くと全然動いていることを感じない不思議な乗り物だった。

南に目をやれば、霞の向こうに雲仙普賢岳が大きく見えた。もちろん中学校時代八代から見た姿とは違うし、大体90度以上角度も違う。

現地に着いてすぐに目についたのが、八代や鏡川河口部で見慣れたクロツラヘラサギたった。

そのほかは、この場所でこそ一番似合うツクシガモの大群。ダイシャクシギの群れ、シギ・チドリ。

これらのコラボレーションが大授搦のこの時期の名物かもしれない。

シギ・チドリがウンカのごとく一つの塊になって大きな生き物がごとく動くさまを、生で初めて観た。

熊本県内に戻る途中今年も柳川で夜明け茶屋という魚屋の食堂に入った。3年前道に迷って偶然見つけた有明海の地魚屋さん。いつも決まって有明産特別寿司を食らう。これがたまらない。

 特に、エイリアンのような顔をした「ワラスボ」はムナグロやダイシャクシギの大好物でもあるので、ある意味人間と競合するわけだ。寿司が大好きな筆者だが、30年以上通い続けている神田神保町の老舗寿司屋で訊いたがクチゾコと呼ばれている赤舌平目は東京では寿司ネタに出来ないそうだ。余程捕れたてで、新鮮でないと無理との事。ワラスボなどは築地も入らないそうだ。

 大授搦に行く楽しみは、実はこの夜明茶屋の有明寿司の魅力の方が大きかったりする。






2016年3月9日水曜日

アイサシリーズ その9.「越冬コウライアイサの家族・総集編」  Merganser series Vol.9. [Scaly-sided merganser Vol.5]

 情報によると、昨年の11月25日前後から人吉盆地に滞在中だったコウライアイサの姿が、ここ数日見えなくなったようだ。まだ何処かに隠れているのかもしれないが、昨3月7日(月)とうとう人吉の気温が25度を超えた、夏日だ。もう大陸に戻ったのかもしれない。

 このコウライアイサは情報データ不足の野鳥で、日本には最近でこそ南九州中心に飛来情報があるが、昭和初期に刊行された「鳥類原色大図説=黒田長礼著・小林省三画」によれば、「本邦にては唯一回朝鮮京城市場にて雄一點が發見せられしのみ」とある。この「本邦~」とは当時の日本領土の朝鮮半島で一回観うけられた・・という事だが、実際はもっと居たような気がしている。

 当時は野鳥にこれだけ興味を持つ人は多くなく、ましてや超望遠レンズを搭載した高感度のカメラを持って大勢が車で探し回るようなことも無かっただろうと思うからだ。交通も通信もバーダーの数も今とは雲泥の差の当時と、現在の環境・状況を比較する事そのものに無理があるだろう。携帯電話・メールの発達で、情報があればものの1時間で4~50名のバーダーが噂のポイントに集まろうという現在、見逃す野鳥など居る訳がない。

 昭和初期、通信の基本は「郵便」だ。のんびりポストから郵便局を経て相手に情報が伝わるころには目指す野鳥などはるかに遠くへ去って居よう。自分を含めてバーダー諸君は今の時代環境に相当感謝しなければいけないのだろう。

 その現在ですら、なかなか出遭えないコウライアイサの最終回は3羽の家族?で滞在していたいろいろな場面をご紹介して終わろうと思う。

基本的にはオスが先頭を行くのだが・・・。


キレイに間隔をそろえて規則正しい編隊を組む。普通のカモにはないと思うが・・硬派なのか?

時には急反転でオスが最後尾になることも、たまにはあった。

 ほんの2~3日の事だったが、オスが1羽増えたと思ったらカワアイサのオスが近くで行動を共にしていた。コウライアイサのオスは時折すぐ横まで行ってコミュニケーションしていたようだ。見ている限りでは争いのような動きは一切なかった。カワアイサのオスがコウライアイサのメスの若鳥を見染めたのか!すわ交配か?と思ったが違ったようだ。左手前がカワアイサのオス。

何かに危機を感じて飛び立つときは素早い!

飛び立ちは7回ほど目視したが、撮影できたのは5回だけだった。後ろ向きは一度のチャンスだけだった。

この時は、子供と思われるメスが少し離れたところに居たのだが、つがいの親達が飛び立ったのを視てあわてて自分も飛び立って追いつこうとしている様が見て取れた。

自分の目線より上を飛ぶ姿は数少ない。

 水面近くからの撮影は非常に難しかったが他に観察者・撮影者がいない時、コウライアイサが300m以上離れた遠くにいる際に、運が良ければ目の前を通るに違いないと、水辺の藪の中にしゃがんで隠れて撮影したもの。いわばバクチに近いが、何回か無駄を繰り返してやっと撮影できた。



 コウライアイサに関してはブログで5回に分けて生態画像をご紹介したが、実際には10倍以上のデータが在る為、YAMASEMI WEB本体でアイサコーナーを設けて画像をアップしようと考えている。ぜひ来年の冬も再会できるように祈ろう。






2016年3月8日火曜日

アイサシリーズ その8.「コウライアイサの飛翔は速い! 」  Merganser series Vol.8. [Scaly-sided merganser Vol.4]

 3回にわたって水上でのコウライアイサの生態をご紹介したが、いよいよ飛翔シーンへ入ろうと思う。「野鳥と航空機は飛んでいる時こそ美しい!」のコンセプトどおり、コウライアイサは思いのほか長い主翼はカモ類でありながら、他のカモとは違う高速飛翔を見せてくれた。

 今回期間中は残念ながら、まともに5~60mの至近距離で真横に飛ぶ姿は撮影できなかった。撮りなれたヤマセミやサギ類、猛禽系でもコウライアイサのスピードには敵わないかもしれない。

 常に3羽で行動するコウライアイサだったが、時として子供と思われるメス1羽が少し離れて居た時も、他のつがい2羽が飛び立つと、途中から合流してきていた。その飛翔範囲はよく観察を行うとほんの1.2kmほどのエリア内に限った感じだった。急に暖かくなってここ数日は姿を見せないということだが、大陸に戻ったのかもしれない。

 野鳥は皆そうなのかもしれないが、このコウライアイサもそろって翼をシンクロさせて飛ぶシーンが多く、見とれてしまった。

 
晴れた日のオスの採餌直後のフライト。このときは一羽だった。

こちらも一羽で観察者に驚いてこちらへ飛んできたシーン。

メス2羽と離れてしまい、岸沿いに低空でメスの元に戻るオス。

つがいの2羽、もう一羽は少し離れて飛んでいる。

上の連続写真、他のカモ類と異なる速度で飛去するその姿は出遭い難い上に撮り難い相手。

また別の日に3羽で編隊飛行中。雁と一緒でこのように並ぶ癖があるのだろうか。

上と同じで3羽がリンクして同じ姿勢で飛んでいる。訓練された兵隊のようだ。

方向を変えるために、先頭のオスが飛翔方向と飛翔ピッチを変えた。

緊急避難中のコウライアイサ3羽。とにかくスピードが速い!

明日はコウライアイサ最終回。今日の人吉盆地はなんと26度!さすがにコウライアイサも大陸へ戻ってしまったのではないだろうか?また来期飛来を期待して矢黒神社に詣でておこう。

2016年3月7日月曜日

アイサシリーズ その7.「コウライアイサの採餌行動 」  Merganser series Vol.7. [Scaly-sided merganser Vol.3]

 カモ類のほとんどが水底もしくは水中の藻など植物の餌を摂るのに対し、アイサ系の肉食グループは魚類やエビなどの甲殻類を採取しているのはご存知の通り。カモと言うより鵜やカイツブリに近い食生活。

 今回コウライアイサの一家に関しては、ただ其処に居るのを撮影しただけでなく、数多く来る見物客、観察あるいは撮影者の動きに彼等がどのように警戒し、どう対応しているのかもじっくり視る事ができた。同時に毛づくろい程度ではなく、採餌行動などの生態・顛末もいくつか観察機会が在った。実際に採餌できているシーンも撮影できた上、どう考えてもお互い協力して魚を追い立て採餌しているとしか思えない協力追い回し漁のシーンも収録できた。

 と言うことで、今日のアップは、コウライアイサの採餌行動の色々をご紹介。

黒っぽいヒレの大きな獲物、カジカやギギといった底魚のようだ。

こちらは別の日、カマツカやドンコのような類だろうか?地元在住の大先輩はカマツカを捕らえた鮮明な画像を撮影されている。

こちらは岩の周りでナマズらしき大物を採取したようだ。ナマズはヤマセミも採餌する。この辺りは採餌場としてお気に入りのエリアらしい。幾度もこのエリアで採餌していた。

幅100m程の川の中央部の深みで採餌成功のオスのコウライアイサ。

枯れた葦原に重なって鮮明ではないがオスの採餌の証拠画像としては意味があるかもしれない。
 
当初こういった水を蹴立てて浅瀬を進む行動の意味が判らなかったが、やはり採餌行動だ。

 オスを真ん中にメス2羽が潜水漁法を始めた。完全に水没するより人間のシュノーケリングと同じで頭だけ半身潜水しながら獲物を探し追う漁法は造波抵抗が強いのではないだろうか?鵜やカイツブリの様な潜水漁法のほうが採餌しやすいのではないのかと思うがどうなのだろう?潜水で追うと獲物の魚に水圧の変化で追われていることを悟られてしまうのかもしれない。その昔、素潜りで三つ又のヤスで魚を突いていた時代、魚を見つけて真上から潜ると水圧ですぐに逃げられてしまうので、息を止めて一旦水底へ潜って横に移動して岩の下に居る魚を狙うように教わったがそれと同じなのだろうか?

 メス2羽が半潜水漁法で魚を追い始めて少し経った頃、オスが後ろから羽を広げて緊急発進のような形で円を描くように魚を追うメス2羽の大外を迂回して走り始めた。

完全に羽を開いて水上を音を立てながら走るのだ。だからオス自身は潜って漁をしていない、いわゆる追い立ての勢子の役を担当しているわけだ。

ごらんの通り大きく回りこんで採餌推進するメスたちの前に出ようとする。

その結果、メスの1羽が餌を咥えて顔を上げた。この画像が撮れているのが判った時点で、初めてこれは協力体制による追い込み漁ではないかと思った次第。似たような事をカワアイサがするのか否か田貫湖に観察に行こうと思う・・・時間が在ったらだが。以前、球磨川本流でヤマセミが似たような事をやっている場面を撮影し2年前発行のヤマセミ写真集に掲載したが、非常に似ている。ただしヤマセミの場合は1羽で全部やっていたが・・・。

参照・ヤマセミの追い回し漁法= http://www.yamasemi.org/report_chapter_3/pg42.html