2022年7月14日木曜日

団塊世代の野鳥中心の写真集公開、第3弾!。In more than 10 years, I had published more than 20 photo books, including many kind of wild birds, at my own expense. Part 3.

  二日前、2020年7月の球磨川流域集中豪雨水害を上回る雨量で埼玉県の鳩山町付近が洪水になった。峡谷エリアの人吉球磨エリアとは違い、関東平野=埼玉の平地なのに橋が流れたり車が水没したりしている。

 しばらくこの雨が続くようだが、週明けには何と今年二度目の梅雨明け?などというコロコロ変わる複雑な天気予報が続いている。

 野鳥中心に自費出版した記録を自分自身再確認のため連日ご紹介している。筆者は物を作り出す事がたまらなく楽しく子供の頃から何かにつけ物を作りながら生きてきた。決して芸術作品ではないが、記録に残したり形で残したりすることが好きだった。

 クリエーターなどというカッコいい横文字でなくて、何かをする、何かを創る喜びは死ぬまで続く自分の「生き甲斐」の様なものだと思っている。

 しかし最近、色々な人々の様子を見ていると「創る喜び」より「鑑賞・消費する喜び」の方ばかりを楽しむ方がはるかに多いように思う。もちろん自分は自分、人は人で、決して他人に干渉したり、他人のやることを批判したりするつもりは毛頭ない。

 だが、「創る楽しみ、歓び」を知らないまま生きている人を見るとなんだかなぁ?と思うのだ。

 例えば、食事。

 高級レストランや、ネットで知った話題のお店で看板メニューを食べた様子をFacebook やInstagramに投稿し自慢する。それはそれで良いのだが、自分では全然料理を作らなくてレストランやお店で気に入った料理を消費するだけ・・。

 自分で山へ登ったり、海でマリンスポーツや釣りを楽しむのではなく、ディズニ―ランドや関西のUSJなどでお金を払って人混み・混雑の中を楽しみ、その様子をSNSに投稿する。

 美術館へ行く(美術の専門家は別として)だけではなく、自分でも絵を描くとか、一般の人が音楽会で聴くだけではなく、自分でも何か楽器演奏を楽しむとかバンドを組むとか・・何故する気にならないのだろう?

 公演や伝統芸能を観て楽しむだけではなく、自分でも何かを「やってみる」という楽しみを忘れてしまった人が21世紀に入って増えたような気がするのだが、そう思うのは筆者だけだろうか?

 ダンス一つにしても十代の若者は別として、1970年代、80年代赤坂のジュリアナなどお立ち台時代までは皆がディスコやGO-GOクラブでダンスに狂ったものだが、新型コロナ過もあるのか最近は勤め人たちまでが自分たちでダンスをするというのをあまり聞かない。

 少年や少女のグループがダンスをしながら学芸会の様なステージを展開するのを客席や液晶画面の手前で観て楽しむだけ・・・。世の中いつからこうなったのだろう?

 スマホの普及でこれらの傾向は更に増幅した様にも思う。インスタにしてもFacebook にしても自分ではほとんど投稿せず、人の投稿を観て「いいね!」を打つだけ、あるいは投稿者の意図をきちんと理解しないまま、己の感性でピントのずれた短いコメントを打つ人も多い。

 いわゆる選択権のみ駆使し、面倒臭い投稿は自分ではほとんどしない。自分で投稿するより人の投稿を閲覧するだけ・・・、筆者はこれが気になって数年が経つ。

 何でも良い、ネット情報なり日常で気になることに毎日自分なりの意見を述べる、あるいは一つの事に集中して観察定期投稿する・・。こういう人を大切にしたい。情報は受けるだけではなく、自ら発信してほしいのだ。

 受けて、選択するだけ、「いいね!」だけで反応するコミュニケーション手法はあまりに一方的過ぎやしないだろうか?

 …と愚痴をこぼしながら、団塊爺は生涯自費出版の写真集の紹介最終回となった。


 2008年頃から還暦を迎えて大量退職が始まった団塊世代の写真好き市場を狙って、大手出版社や大小の印刷屋系が一般人相手の自費出版用ビジネスを始めた。

 このビジネス、一般的にお金と時間が裕福だとされている客層の足元を見てベラボーに料金が高く、100ページほどの写真集を造ろうとすると平気で一冊1万円以上の金を取る。

 これに対し2011年からCanonがPHOTOPRESSO(2021年終了)という比較的簡単でリーズナブル価格の自費出版のお助けシステムをネット上で始めたので、筆者も気に入っていくつか造ってみた(既報)。

https://japan.cnet.com/article/35087746/ ご参考(すでに終了している)

 投稿者がネット上に出版した写真集を公開することで、人気投票形式で一般の方の評価を得られるのが素晴らしかった。値段を付けて売る事も出来た。良い評価を頂ければ次の写真集制作への励みになって、良いスパイラルが発生していたように思う。

 しかし突然Canonは昨年(2021年)PHOTOPRESSOを中止してしまった。個人で100ページもの写真集を作るのは余程パソコンスキル、画像処理スキルが無ければ一般的には難しいのが実情だ。 

 キャノンはその後後継のシステムCanon Photojewel Sなどをスタートさせたが、以前のPHOTOPRESSOに比べ多ページに対応できないし、1冊当たりのコストも相当高くなってしまった。2~30冊の印刷で有れば別の方法でネット上でのみ営業の印刷会社によるデジタル入稿・オンデマンド印刷の方がはるかに質的にもコスト的にもリーズナブルになった。

 世の中の印刷技術は急速に向上し、コストも下がっているようだからCanonのPHOTOPRESSOも儲からなくなって中止したのかもしれない。

 だが団塊世代を中心に写真撮影ファンを育ててきたのはCanonなのだから、パイオニアとしてのプライドを持ちつつ、もっとカメラファン層を発展拡大する文化活動・社会貢献的を行う事に大きな意味があると思うのだが如何だろう?他のカメラ・メーカーにこれが出来るだろうか?無理だろう。

 最終回第3弾は8冊をご紹介。

ご紹介第3弾はCanon PHOTOPRESSOで作った物、Canon Photojewel Sで作った物、さらには従来の「人吉市の山翡翠」などと同じく親友のベテラン・デザイナーにデジタル入稿フィニッシュをお願いして関西のデジタル印刷会社に発注したものが入り混じっている。


B5変形 オールカラー20p、スマホ手描き描画=中嶋一夫(アングラー)Facebookに投稿した画像をまとめて写真集化したもの。釣りの技術もスマホ絵の描画力も天才的なスキルを持っていると筆者は思う。勝手に判断して作らせていただいたもの。 Canon PHOTOPRESSO 10冊制作



18.5㎝(縦)×13㎝(横)オールカラー40p 写真・筆者+スティーブ・ウイルキンス、文・筆者。1983年~1992年ハワイでのウインドサーフィンイベントをプロデュース・実施した際に撮影した画像を選りすぐって小さな写真集にしたもの。ある意味筆者のマリンスポーツ・海の撮影に関して大きく影響を受け学ばせてもらったSteve Wilkings氏への恩返しでもある。Canon PHOTOPRESSO 30冊制作

B5判変形 54p カラー+モノクロ写真・文=筆者  
昨日の第2弾で紹介した2018年出版のアップグレード版。1972年大学生時代に40日間ホームステイで滞在。その際の初めての外国・英国での撮影画像に加え1980年以降7回ほど訪れた英国での撮影画像をプラスした写真集。2019年1月出版  Canon PHOTOPRESSOでDTP制作 30冊作成 


B5変形 オールカラー100p、 写真・筆者、清田喜一、村上大三郎 文・筆者
NHKスペシャルで明治天皇崩御後大正年間から企画し、全国各地からの献上木でドイツ人の技師と共に人工的に造った杜・明治神宮の生き物を放送したが、野鳥に関してはあまりに乏しい内容だったので、自分が撮影した野鳥たちをまとめて写真集としたもの。
Canon PHOTOPRESSOでDTP制作 30冊作成 

B5変形 オールカラー100p、 写真・文=筆者
尊敬するネコ撮影の大家・岩合光昭氏の「ネコライオン」の写真展を観て刺激を受け、自分が10年以上観察・撮り続けているヤマセミとカワセミの似たようなしぐさを写真集にしたいと思い実現したもの。多分国内では自分にしか出来ない事だろうと力を入れて作ったもの。
Canon PHOTOPRESSOでDTP制作 30冊作成(PHOTOPRESSOとして最後の作品)

21㎝×21㎝ フルカラー26p 写真・文=筆者
2020年7月4日の豪雨災害で壊滅的な被害を受けた球磨川のアユ漁。伝統漁法での川魚漁業を画像で残しておこうと、懇意にして頂いている老漁師さんに密着して撮りためた画像の集大成。 DTP制作 Canon Photojewel Sで作成 30冊

21㎝×21㎝ フルカラー20p 写真・文=筆者
2020年7月4日の豪雨災害で壊滅的な被害を受け、全面運休中の球磨川沿いのJR肥薩線。コスト面含めて復旧の見通しがついていない。とりあえず再建・復旧への願いを込めて画像で残しておこうと制作したもの。小学校時代から父から譲りうけた蛇腹のカメラで撮りためた画像を含むがページ数が不足で素材の10%も掲載できなかったので、現在100p程度の本格的鉄道写真集を企画中。 DTP制作 Canon Photojewel Sで作成 30冊

21㎝×21㎝ フルカラー52p 写真・文=筆者
2010年2月、地球の赤道の反対側オーストラリアの西の端、パースから南に300㎞下ったマーガレットリバーのワイナリー群への視察ツアーに同行した際の写真集。現地でしか見られない野鳥たちをまとめたもの。ワインの輸入会社を経営している中学校時代のクラスメートのおかげで同行できた為、クラス会で皆に配ろうと発想から7日間で急遽、編纂作成したもの。12年経った恩返しのつもりでもある。久しぶりのDTP,親友のプロによるデジタル入稿で出来上がった本格印刷物。 
DTP編纂+デジタル入稿 50冊作成

 写真撮影が趣味の人は団塊世代にも数多い。ひょっとするとボリューム的には高いカメラを購入する人口は団塊世代がトップかもしれない。しかし撮った画像を何らかの形で残す人は意外に少ないと思われる。デジタルカメラはお金さえ出せば買えば使えるが、パソコンは一朝一夕そう簡単に駆使できないため、その撮ったデジタル画像をうまく使えている人は撮った人の10%も居ないのではないだろうか?もったいない事だ。

 スマホをカメラ代わりにする人が増えたので、今後一眼デジタルカメラは激減するだろう。Nikonに至っては今後デジタル・ミラーレスしか生産しないなどというニュースも出ているほどで、ここ数年でカメラシーンは大変化すると思われる。

 団塊世代もこれ見よがしに重たい一眼デジタルカメラを振り回していたが、老化と共に重たいカメラがしんどく成り、軽いミラーレスに移行するだろう。そろそろ撮影に出歩くより、撮った画像の処理残しに余命の時間と労力を使う時期なのかもしれない。