地啼きもせず、山奥で見る時と同じで水際の小さな土壁のへこみ部分をチョロチョロ渡り移動していた。1時間ほど間を置いて同じ場所へ行ってみたが既に姿はなかった。移動を続けているのかもしれない。
基本的にミソサザイは山奥の綺麗な渓流で生息する野鳥だ。その野鳥が越冬する野川が如何に綺麗な川であるかの証明にもなろう。信州立科などではミソッチョと呼ばれ、農家の納屋で越冬する事も多いと聞く。それが関東平野の武蔵野まで降りて来たという事は、如何に今年の冬が寒かったかと言う証明にもなるのではないだろうか?
春の繁殖期の頃には山岳地域へ戻るのだろう。勿論筆者も野川では初めてその姿を見たし、野川に関するWEBサイトにもその存在は掲載されていないようだ。いつもよりはるかに世田谷区の方向へ長い時間歩いての遭遇だったが、中央高速をくぐって幾つ橋の下を通過したか数えていない。
出来れば、今後も毎年野川へ越冬のため飛来して欲しいと願うばかりだ。
地啼きも聴かずに良く見つけられたと我ながら遭遇に感謝したい。