昨日のこのブログでヤマセミを含む八代市の野鳥たちをご紹介したが、最終日の昨日とんでもない野鳥に遭遇した。1日経った今朝までドキドキしている。
理由はアカショウビン!
遭遇した場所は一番近い住宅から60m、集落からは100mの丘の上というか山の中腹。れっきとした八代市の町名が付いた場所。宅急便も郵便もちゃんと配達される場所だ。公衆トイレ完備の公営駐車場もすぐ傍に存在する。
9日間、依頼要件や球磨川流域復興プロジェクト参加をこなしながら、人吉~八代探鳥ツアーの最終日、空港へ向かわなければいけない朝のほんの1時間で訪れた場所でアカショウビン!
本来は八代市の山の手でキビタキの声がしたとかヤイロチョウの声がしたというかすかな情報で向かったモノ。よくある野鳥仲間からいつ何処に何時頃どういう出現‥といった情報を基に向かったのではない。静寂な朝、誰も居ない山奥、それも大して分け入る程の深山ではない所で、少しの時間野鳥と対峙したかっただけなのだが・・。
昨日のこのアカショウビン、宮崎県霧島の御池公園奥のハイド(=野鳥観察小屋)で待ち続けて同じアングルから撮れるアカショウビンとは違い、遠くで鳴いた声を聴きつけ鳴き真似をして近くまで呼び寄せて遭遇できたもの。
筆者は長年フィールドで野鳥を観察していて、ある種の野鳥は鳴き声を真似すると縄張りを荒らされたと勘違いして排除の為近寄ってくることを実体験で知った。
その代表が繁殖期のアオゲラとこのアカショウビンだ。ヤマセミやカワセミなど他野鳥の声は人間の声帯では出ない領域なので無理。キビタキはかろうじて練習を重ねれば出来るかも?
アオゲラは三鷹の住宅街や野川流域で実証済みだし、幾度もこのブログでご紹介した。アカショウビンに関しては人吉市近郊の山奥でしか遭遇していないが、曇りで雨が降りそうな明け方、夕方に5か所で間違いなく鳴き声がして真似をすると近寄ってきた。
情けない声で、ヒュルルルル⤵と音程を下げる悲しげな鳴き声なのだが、個体によって細かい違いも感じられる。昨日遭遇した個体はヒュッ⤴ヒュルルルル⤵という感じだった。
これをそっくり同じ音階音程で特徴を生かして真似すると最初300mくらいの距離に感じていたのが、だんだん近寄りいきなりほぼ真上の樹に飛んできてゲリュルル、ゲリュル♪と威嚇するような鳴き声で甲高く鳴いた。
こちらは整地された場所にある古くからあったベンチのようなところに座ったまま動かなかった。もちろん迷彩のブラインドに入っている訳でもハイドに入っている訳でもない。ただ薄手の迷彩の長パンに迷彩のベストを着ていた。帽子は被らずゴマ塩頭のままだ。
あらかじめ録音した野鳥の声を音声再生機器を使って流し、呼び寄せるマナー違反者が多いようだが、昔からあるバードコールのもっと原始的な人間のマネ地声で呼び寄せるのは決して悪い事ではないだろう。野鳥観察の努力の極致だと思うが如何だろう?
前置きが長くなったが、撮れたカットは全部で10カット。ベンチに座ったままレンズをゆっくり動かしてフォーカスして撮影。こちらが隠れていない状態でアカショウビンと対峙したのは人生で初めての事だった。