2023年5月5日金曜日

シジュウカラの巣立ちに観られる面白い生態。 An interesting ecology that can be seen in the nesting of the Japanese great tits.

  昨日のこのブログで、終日観察を続けていた巣立ち間近のシジュウカラをお伝えしたが、昨日の朝8時頃すべてのヒナが巣立った。7羽~8羽だが現在動画を再確認中。

 今日は昨日までの大騒ぎが収まって、静かな朝を迎えられている。

 何故そのような単純な巣立ちの数を確認できないのか?とお思いだろうが、実は巣立つ際ビビッてなかなか巣箱から出てこないヒナに対し、親鳥が巣箱に入り込んで後ろから体当たりで押し出すのを動画で確認しているからだ。初めて知った生態だ。

 過去野鳥の巣立ちを観察した経験値の場合は、ヤマセミだったので一旦親鳥が巣穴へ入って後ろから押し出すなどという事はあり得なかった。

 それ以外にも野鳥界の常識で、親がヒナにエサを見せびらかすだけで与えなくなると、ひもじくなったヒナが巣から出てくる・・・とある。生で観察した猛禽類(ツミ)、ヤマセミの場合でもこれは一緒だった。

 で、シジュウカラの場合は一体どうなんだろうと巣箱を覗いていて撮れた画像から説明してみたい。

 とりあえずは順番に経過を交えながらご紹介。

1羽目はさっさと出たが、顔は出すものの2羽目がビビッてなかなか出ようとしない。

なかなか出ない2羽目に面前を横切って急かす親鳥

ここで思い出したのが2014年人吉市で観察したヤマセミの巣立ち場面、なかなか出ようとしないヒナの面前を親鳥が横切って急かす・・全く同じだ。これにはちょっと感動。

すると親鳥が芋虫を咥えてやってきて2羽目に給餌しようとする

口へ押し込んで

一旦は咥えさせるが、食いつきは弱い・・。

と思ったら、サッ!と親が奪い返してしまい飛去してしまう。

つられて2羽目は外へ出たものの飛び立てない

するとイラついた3羽目が後ろから”ドン!”

押されて落ちる様に巣立った2羽目

直後3羽目は2羽目を追い抜く様に巣立っていった。

こうして、アングルを変えつつ7~8羽の巣立ちを観察できたのだ。

 この後1週間ほど巣箱を乾燥させ、屋根を取り払って消毒し、トリサシダ二などの害虫・寄生虫を駆除。来年の営巣もしくは二回目の繁殖へ備える作業に取り掛かろうと思う。