2023年3月26日日曜日

団塊世代はお花見という「行楽」に最近疑問を感じて仕方がない。 The baby boomer generation can't help but feel doubts about the "excursion" of cherry blossom viewing these days.

  桜、特にソメイヨシノは江戸末期に江戸の染井村(豊島区附近)に居た庭木師により大島桜とエドヒガン桜を掛け合わせたクローン新種として「吉野桜」というネーミングで生み出されたもの。それが現在都会を中心に広がったソメイヨシノだという。

 何故かこれが気象庁の桜開花の標準木に成ったり、桜にしてはその短い樹齢(80年余)が人間の寿命に似ていること、散り際のはかなさから、人々は桜に妙な親近感を持つようになったらしい。

 そもそもクローンなので、咲くと綺麗だがその花期はほんの2週間。あとの殆どは毛虫やその他の虫が山ほど居付く青葉の季節か、葉が落ちて丸裸の季節が長い樹木。害虫や病気にも弱い。老木に成るとキノコが生えたり樹肌がぼこぼこに成ったりする。

 決して通年で愛でるような樹木ではないが、なぜか全国各地・地元民の行政への注文は公園や川の土手に桜を植えて欲しいというものが多い様だ。これだから日本中どこへ行っても地元の名所は「桜並木」という事に成る。観光ポスターやパンフを見るが良い、どこも一緒だ。

 埼玉県幸手の権現堂堤の桜、此処の場合は9月の曼殊沙華など定期的な効果がある。桜の今の時期は菜の花と共にアマチュアカメラマンだらけ。晴れた日には幸手の駅から大渋滞で、バスや車より歩いて行った方がはるかに早く着く。

 桜を観光誘致の目玉にしたくても、年間たった2週間しか開花の楽しみしかないのをどうやって実利に結び付けるのだろう?梅の方がはるかに花期が長いというのに・・。

 東京で例えれば、上野恩賜公園、千鳥ヶ淵、目黒川、神田川、飛鳥山、桜の名所は山ほどあるが、開花から満開迄そこに集う多くの人は決して桜を愛でに行っているのではない。断言する。特に酒飲みは間違いなく「お花見」を酒を飲む口実にしている。

 江戸時代からある江戸城外堀、その頃軍事施設(立入禁止)の土手に桜はなかった。最近水付き桜を伐採してしまい風情が無くなってしまった。数年待たねば元には戻らない。

 目黒川、地方から来る見物客が多い。桜が無ければ只のコンクリ用水路。ちょっとの豪雨で氾濫警戒水位を超える危ない河川の一つだ。メディアがこぞって報道し仕立て上げられた「桜の名所」だろう。桜の背景は高層マンションやビルだらけ。

目黒川に比べればはるかに歴史と伝統がある上野恩賜公園。人混みが好きな人向け。

吉祥寺の井の頭公園。別に桜の時期でなくても年中混んでいる。

 日本人の多くは人混みが好きなのだ。TVで報じられる桜の名所に皆が行っているから、自分も行かないと仲間外れになった気分になるのだろう。人々がまだ付けているからガラガラに空いている電車の中でもマスクを外せない。外を歩いていてもマスクを外せない・・・。これと全く同じだろうか?「人が行くから行かなきゃ・・。」万博でも映画でも何でも一緒。

 桜のお花見は独自性・個性が無い日本人特有の群集心理が反映されているのだろう。

 都内の桜の名所に行く人々の大半はこれが理由だ。本当に桜を愛でで楽しもうと思ったらそんな処へは行かないだろう?日本人、特に全国から集まった田舎者(勿論生まれは東京でも九州育ちの筆者も含む)で構成されている東京都民は実は桜の楽しみ方を知らない…と思う。

 中でも一番呆れるのが、ダサイタマ・チバラギと悪口を言われる埼玉・千葉・茨城から上京して目黒川や上野、千鳥ヶ淵に来る見物人たち。地元にいくらでももっとキレイな桜の名所があるだろうに?わざわざ東京都心の桜見物に来るのは「仲間に入りたい」「その時だけ東京人に成りたい」のだろうか?

 日本人の殆どは山奥で緑に囲まれた中での桜の美しさ、山藤の美しさを知らない。人工的に造られ、人工的に植えられた桜並木を「お花見」と称してその下で酒を飲み騒ぐ!アルコール分解酵素の無い筆者は大嫌いだ。オリンピックやサッカーワールドカップの日本人観戦者のように、後のゴミを片付けて行けよな?

 メディア・マスコミもそのあたり分けて報道しないで欲しい。片づけて褒めるのも、花見のゴミを放ったらかして帰るのも、同じ日本人なんだからさあ。

 筆者も使うカメラがデジカメに成った2000年頃から野鳥の撮影のついでなどに春先は桜を良く撮影した。都内の桜の名所などの画像を改めて見てみると、時代の変遷が良く判るし筆者自身が歳をとったのも良く判る。その意味からすれば筆者にとって「桜」も我が人生に確実に関わってきたのだとも思うが・・・。

2006年の六義園の枝垂れ桜、毎年保持が大変だろうと思う。

 2006年はまだスマホではないから、ガラケーの端末で写真を撮る人はあまりいないのが良く判る。小型のコンデジで撮影している姿が多い。ピントを合わせにくいのでスマホをかざしながら他の撮影者の前を遮り被写体にどんどん寄って行ってしまう様な馬鹿者は一人も居なかった時代。まだ良い時代だった。この下の画像が何よりの証拠だ。

 先日のWBC優勝した我が日本の侍ジャパンチームが成田空港に帰ってきた際の出迎え客たちの差し出すスマホの凄さ!一種の宗教団体の何かかと思ってしまった。
WBC出迎えファンたち。JIJI.COMより

 それらメディアに載って、これでもかこれでもかと報じられる「桜の名所」に行くより、自宅近所やマイナーな場所で桜の名所を探したらどうなの?というのが筆者の提案だ。
 
石神井川沿いも桜の隠れた名所

神田川の江戸川橋~高戸橋辺りも目黒川などよりずーっと趣がある。

北関東の寺院などは桜の名所が多い

多摩地区に多数存在する大学構内も桜が多い。

 中でも三鷹の国際基督教大学の正門からバスの終点までの並木は有名だが、コロナ過の規制が終わったというのに、この基督教大学は未だにコロナ過以前のように散歩などで自然を愛でていた地元の人々を入れない。通り抜けも許さない。

 皇族の子弟が学んだという事で偉そうな対応が目につく。聞くところによると、特にこのキャンパスの守衛の偉そうな上から目線の物言いは近所住民の顰蹙を買っているようだ。

 海外からの留学生が多いが、主に車が右側通行の国から来た留学生たちの自転車マナーが非常に悪く、買い物帰りの高齢者にぶつかったり引き倒したりして問題になっているようだ。筆者もジモティだけに気に成る所。