2023年3月29日水曜日

野鳥繁殖のプロセス、その1・求愛給餌(カワセミの場合) Wild bird breeding process, Part 1: Courtship feeding (case of kingfishers)

  猛烈な勢いで春が始まった。植物の変化は1日で相当に変わってしまう。柳など新芽が薄っすらと出ているなと思って2日も目を離すと3日目には垂れ下がった新芽で一杯に成ったりする。

 近所のボケの花など2~3個花が開いている写真を撮って、同じ所に3日後行ったら満開に近かかったりする。

 動物の変化はそれに比べるとよほど注意していないと何が繁殖期の春なのか良く判らない。

 九州の人吉を中心ヤマセミという希少野鳥の観察を10年間続けて、その一年間の生態がある程度わかったつもりでいるが、同族のカワセミの場合はどう違うのだろうか?

 ここ3年間は球磨川豪雨災害に加え自分自身の闘病生活のおかげで人吉にも行けず、東京エリアで同族カワセミを観察・撮影して来た。その甲斐あってこの春やっとカワセミの繁殖の模様を間近で観察・撮影出来たのでレポートしてみたい。

 人気の野鳥、特にアマチュアカメラマンの初心者にとっては一番人気の種「カワセミ」だもの、観察・撮影は非常に難しい。

 撮影マナーもルールも知らない人があまりに多く、上野動物園にいたパンダや我が家のペットと同じ目で自然動物を見て、同じようにスマホやコンデジの液晶画面を見ながら近づいていく。

 もちろん他の撮影者への迷惑などまるで眼中にない。液晶を観ながら被写体へ近づくので他の撮影者・観察者にはぶつかる、池にスマホを落とす、カワセミは逃がす・・で現場は大騒ぎになる訳だ。

 そんな中、雨の北関東、いつもの場所に3日間通った間に数回「求愛給餌」に遭遇、撮影出来たのでご紹介。

 で、まず1回目は、繁殖行動のプロセス#1、求愛給餌。

 ヤマセミの場合は求愛給餌をした直後に交尾というのはあまり観たことが無い。しばらくしてからが殆どだが、カワセミの場合は撮影した記録から見ると求愛給餌直後の交尾も結構ある様だ。しかし球磨川や川辺川での撮影は対岸一掛かったりして距離が遠かった。

 今回は、幸いにも雨の中適度な距離で観察でき、画像も撮れたので判りやすいと思う。しかし撮影する方からすれば雨というものは厄介なものだ。

気が付いた時には餌の渡しが始まっていた。

左が餌を渡すオス

右が餌を貰うメス

けっこう長くかかって渡すのはヤマセミと同様


渡し終わって、すぐにメスはその場で呑み込む

この直後見合った二羽、すわ交尾か?と思ったがしなかった。寒かったのか?