2020年11月16日月曜日

ダイブ後、餌を咥えて戻ってくるヤマセミを待ち受けた。After the dive, waited for the crested kingfisher to come back with catch fish.

  今年7月豪雨災害で壊滅的な被害を被った球磨川は、12年間日本一の川辺川ともども日本の水質ナンバーワンクラスを最近2年続けた清流だ。しかし、川の水はとても奇麗なのだが、残念な事にその両岸の岩や樹木に引っかかったゴミはどうしようもなく汚い。

 毎年梅雨時や台風シーズンに増水を繰り返す河川なので、流れてきたゴミが両岸の樹木に引っかかったまま除去しても除去しきれないのだろう。2010年以来ヤマセミの生態観察撮影に10年間で300泊以上人吉市に通って、10年前からそのままのビニールや樹木の残骸が未だそのままになっている場所を何カ所も知っている。強風が吹くとそのビニールの切れっ端やその他の残骸が褌(ふんどし)のように幾本もたなびいて見苦しい事この上ない。球磨川下りの乗船客からも幾度かSNS上に投稿が在ったようだ。

 川が奇麗で観光的価値を保つためには、流れる水さえ奇麗であれば良いのではなく、その流域の風景(紅葉や桜、岩崖や砂州)と合いまった河川美、峡谷美が売りに成るのだろうと思う。

 鵜飼いで有名な岐阜の長良川や耶馬渓、高千穂峡の五ヶ瀬川、東京湾に流れ込む荒川上流の長瀞など河川美の美しさにおいては球磨川・川辺川の比ではない。相当な河川景観保全メンテナンス、清掃費が計上されているのだと思う。

 水質が日本一の清流でも現在の川辺川・球磨川は景観から言えば、残念ながら真ん中よりずいぶんと下位だろう。

 こういった観光資源の観点から見れば現在の川辺川・球磨川は決して魅力的な川ではない。今まで人吉・球磨の観光活性化策と球磨川を10年間視てきて、流域を撮影した経験から言えば傍に寄って撮影すればするほど両岸のゴミが気になって仕方がない。

 ヤマセミの画像を記録に残したりSNSで発信したり、ブログで紹介する都度、どれだけゴミを画像消去しているかご存じあるまい?実は情けなるほど多いのだ。

 たびたびの洪水対策で、見苦しいゴミの除去までかまってられないのは良く判るが、もし川辺川や球磨川を本気で観光の軸にしたいのであれば、国交省の河川事務所と地元自治体で何とか目立つゴミの撤去システムを考えた方が良い。

 きれいな球磨川を守ると言うからには、川辺川ダムにただ賛成したり反対するだけではなく、水の綺麗さだけ保とうとするだけではなく、風景、佇まいの面からも美しさを守る手立てを考え実施する必要があるだろうと思う。もちろん今より川辺川や球磨川の水量が減れば色々な意味で魅力は減っていくだろう。石ころだらけの河原が続き鮎の刺網漁も減り、例えるならば高山の氷河が小さくなったり、北極海から氷が消えるようなものだから・・・。

 たとえ気合いがあっても、このコロナ禍に「東京から朝一番で来れないのか・・?」と軽く言われても、そうそう行けない八代や球磨川までの距離は如何ともし難く、そこに住んでいないので、何とも歯がゆい犬の遠吠えみたいなものかもしれないが・・・。


 今日のヤマセミは、そういった球磨川支流部での採餌から餌を咥えて川の真ん中にデンと置かれたコンクリの構造物の上に飛んで来るまでのシークエンスだ。

 晩秋の採餌なので、魚自体も小さいが、流れが速い場所での採餌は立派なものだ。

球磨川支流のほぼ真ん中あたりにダイブした。

流れが速い中、いつもより少し時間をかけて上がってきた。

見事に獲物を咥えている。





余り躊躇せすに飲み込んだ。この朝2匹目の成果。