2019年7月8日月曜日

今年のヤマセミ幼鳥は肝が据わっている。 I think the young Crested kingfishers of this year are brave and robust.

 過去9年間、ヤマセミ幼鳥巣立ち直後の生態を観察し続けて来ているが、今年の幼鳥達は非常に肝が据わって力強いと思う。これは過去の幼鳥達との比較でそう感ずる。

 基本的にヤマセミは非常に警戒心が強く、人の姿を見ると150mの距離でも逃げ去ってしまうのが普通だ。だから過去において良く知られた一般的なヤマセミの画像は迷彩ブラインドや木の枝その他でカモフラージュした撮影小屋の中に閉じ籠って撮ったものが殆ど。

 したがって、その生態観察も限られたモノばかりで、広く見渡せる環境での観察記録や画像が無いのだ。

 筆者も人吉市郊外において過去数回営巣中のつがいの生態を間近(7~80mの距離)に陣取って巣立ちまで観察したが、あくまで巣穴出入りや周辺での生態しか観察出来ず、採餌場所から巣穴までの途中の生態は同時には観察出来なかった。

 それが、人吉市街地の場合に限ってはDNAに擦り込まれているのだろうか、「人間」との共存が成立しており、ある程度人間との距離が近くても余り動じないという珍しいヤマセミが数家族生息している。これは決してすべてがそうではないのだが・・・。

 しかし、慣れているとはいえやはりその接近距離は50mが限度の様だ。2014年長崎国体時、カヌー競技を行う環境が長崎県に無い為、人吉市の球磨川が代替え地として選定され、カヌー競技が実施された。
 
 普段カヌー競技が強い人吉市の高校のカヌー部が朝練や放課後練習を行う程度であれば、ヤマセミ幼鳥達も場所を移動したり、対岸でジーッと練習が終わるのを待ち、人間との共存が出来ている。

 しかしこの年2014年は、その前年から人吉市のヤマセミの存在を知らないカヌー選手たちが、カヌー会場に定められてしまったヤマセミの生息領域を縦横無尽に動き回り、ヤマセミが逃げまどい結構な騒ぎになった。
 まだヤマセミが人吉市の鳥に制定される前だったし、人吉市の方々もその全国的に見ても稀有な存在を認識していなかったのだろう。

 地元のベテラン・ヤマセミ観察者がカヌー関係者に練習領域に関して配慮してもらえるように幾度か申し入れたそうだが、聴いてもらえなかったそうだ。

 逆にコーチもしくは先輩と思われる年齢者の漕ぐカヌーがわざとヤマセミ幼鳥が生息がするエリアで幼鳥に接近するような行動に出て右往左往させた事があり(漕ぎ手含めて逃げまどうヤマセミの証拠画像有)その年と翌年そのエリアでのヤマセミが繁殖を止め、観られなくなってしまった事があった。

 2016年から繁殖子育ては復活したが、今後も人吉市のヤマセミの繁殖時期を知らないカヌーイストが大挙来ると、また同じような事が起こる可能性もある。
 今現在は高校のカヌー部も少し下流部に移動しての練習に成っているため(水位の関係か)ヤマセミとの棲み分けが上手く出来ている。ヤマセミの幼鳥達もカヌーの練習が始まる時間帯はすぐに察知して、上流部に避難するので2014年の様なトラブルは発生していない。今年の幼鳥教育時などは逆に見事な共存関係が保たれている。

 今日はその中でも、最近としては珍しいヤマセミの幼鳥達とカヌー練習の共存画像をご紹介。全国的にこういうシーンはなかなか目にする事が出来ないと思う。
 

幼鳥が親から給餌してもらう際、最初の5日間ほどだけ同じ場所で待ち受ける。毎年、その場所は1kmの範囲で変わるのでなかなか見つけられないが、その手前で練習するカヌー部の高校生も最近は少し離れて刺激しないようにしているようだ。



こういったシーンは年間でほんの4~5日しか観られないし、カヌーの練習時間帯、ほんの1~2時間しか遭遇できない。