2019年7月1日月曜日

団塊世代は九州南部の大雨に54年前の苦い経験を思い出す。The baby boomer remembers the bitter experience 54 years ago due to long rainfall in southern Kyushu.

 今年はすっかり空(から)梅雨だと思って油断をしていたら、6月26日から九州南部が連続的に長雨になり既に5日が経っている。7月に入った今日1日月曜日も大きな雨雲が線状降水帯になって熊本県南部から鹿児島県にかかり続けている。

 この状況は1964~5年(昭和39~40年)既に単身上京していた筆者が八代市の十条製紙(現日本製紙)の福正元町社宅に帰省していた際の2年連続の洪水(水無川・球磨川の氾濫)の状況に非常によく似ているので非常に心配している。

 高校1~2年生だった当時、八代市の水無川が氾濫し、福正元町の社宅に住んでいた我が家族のもとへ帰省中だった筆者は64年の氾濫を実体験している。庭の四隅の板塀が音もなく内側へ倒れ、みるみるカフェオレ色をした水が押し寄せてきてあっと言う間に庭が池になってしまった。

 しばらくすると、床下でガリガリ音がするので、畳を上げたら飼っていた犬、コリーが助けを求めて這い上がってきた。
 そのうち部屋中の畳が浮き始めたので、親子で畳をはがして立て、梁だけになった床構造がかすかに泥水の中に浮かぶ状態で1時間ほど立ったまま過ごした。

 水はほぼ1時間で引いたが、一時的にでも上昇する水の勢いは恐ろしいと感じたものだ。翌年は今と同じ6月28日から7月2日までの大雨での洪水なので、筆者は東京にいて体験していないが、八代市の社宅は更に水位の高い騒ぎだったようだ。この年は球磨川も萩原付近の堤防が決壊し、大きな被害だったと聞く。水も1時間では引かなかったろうと推察する。

1965年八代で萩原橋傍の4軒が流れた球磨川洪水の際、人吉市も大きな洪水になった。

 この線状降水帯という言葉は2015年の東北豪雨で鬼怒川が氾濫し、民家の屋根から救助要請る人々の声を取材で群がり飛ぶメディアのヘリが轟音でかき消すなど、大問題を起こした災害の際に有名になった。

※ご参考= https://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2016/2016_09_0011.pdf 

 1964年頃の水害時にはなかったこの「線状降水帯」がまさに今八代市~人吉市の球磨川繋がりの上流部、球磨川の水源エリアの山間部中心に降っているので、今後の河川増水が非常に気になるところだ。

 NHKのニュース9ですっかりおなじみ、現在は同じく団塊世代のオヤジ達に人気のキャスター井上あさひさんがメインの「ニュースきょう一日」で活躍中の気象予報士・平井さん(八代市出身・八高OB)も八代など球磨川水系の怖さを知り尽くしていると思われるので、今日あたり詳しい予報と解説があるだろう。

 今日は、野鳥のレポートや団塊世代の愚痴こぼしはさておいて、人吉・球磨地方ならびに熊本県から鹿児島県にかけてのエリアへの大雨警戒に関してレポートしてみたい。ベースになる情報は気象予報士の杉江優次さんのブログを参照させていただいている。
 ※ https://news.yahoo.co.jp/byline/sugieyuji/20190701-00132367/

昭和57年の大雨では繊月大橋の右岸たもとがこの状況。この場所は幾度もヤマセミ観察で訪れている定番的場所だ。
上の写真で写っている球磨川の表示看板がまさにこれ!

昨年12月は今年3月にNHK総合で放映された「ニッポンの里山」でも取材中に二選成った松岡市長が偶然ジョギングで通りかかり和やかなひと時を過ごした場所。


気象予報士の杉江優次さんのブログによると、この先の線状降水帯はしばらく南九州付近から離れないようなので、非常に心配だ。地域の皆さんはただ一般的に避難を呼びかけるTVのニュースだけではなく、こうした気象予報士さんの貴重でスピーディな予報ブログをもっと多様すべきと思う。情報在っての自己防衛ではないだろうか?

 重ねて、熊本県地方の方々の安全を祈る次第。