2017年7月7日金曜日

初夏のヤマセミ幼鳥スパルタ教育。Crested kingfisher's chick Sparta education in early summer.

  福岡県朝倉市、添田・英彦山エリアに加え、大分県日田市界隈の豪雨・洪水被害に遭われた方々、心からお見舞い申し上げたい。
 英彦山や耶馬渓は昨日もご紹介の通り筆者小学校時代の懐かしい場所だけに非常に気がかりだ。紅葉で綺麗な山奥の峡谷は豪雨時には逆に即災害に結び付くのだという事なのだろう。

 実は今日の昼頃、田川市にお住いのこのヤマセミ・ブログ愛読者からメールが到着。「災害に在っている人達はパソコンやスマホで野鳥の綺麗な画像や解説を見る事で心を和ませているのだから、去年の熊本地震の時のように変に忖度(そんたく)してブログ投稿を止めないで欲しい・・。」という涙の出るような内容だった。

 実は昨年熊本地震の際に、このブログを続けていたら熊本で被災した野鳥団体のメンバーの方が「自分は被災して辛い立場なのに、毎日楽しそうなブログを更新しやがって腹が立つ!」と叱られてしまった事が有った。嫌ならブログにアクセスしなければ済む話なのだが、心に余裕がないあまり他人が楽しそうに見えて腹が立ったのだろう。

 筆者はすぐさま申し訳なかったと詫びて、当時属していたメーリングリストでのブログ内容告知を止めたのだった。しかし驚いた事に逆に翌日から「なぜ止めた!復活して欲しい、このブログで野鳥を観ていなければ逆に心が荒む」と励ましとリクエストメールが集中し、アクセスが一気に2倍に増えた事を想い出した。
 「自分が苦しいからと、被災しなかった他人の行動を羨ましがり非難する行為は、やっかみ意外の何ものでもなく料簡が狭すぎる!」と数多くの方から励まされたのを想い出した。

 筆者も東日本大震災の際には、家こそ壊れはしなかったが、室内で壊れた部分があり、なおかつ東京エリア計画停電でライフラインが止まり、真っ暗な数時間を何度も経験させられた経験を持つ。 仙台・岩手在住の旧友を二人失くした(行方不明のまま)上に、まだ3月という時期に暖房無しで難儀した事を想い出す。しかし、そういう電気が停まった真っ暗な中でも「停電で、思わず声出る冷たい便座」…とやって震災絆の川柳コンテストで賞を頂いた。

 冗談はさておき、停電の最中、唯一の救いがバッテリーで動くパソコンのネット検索野鳥ブログめぐりだった。筆者は当時まだこのブログを始めていなかったが、真っ暗な中でWifi経由で観られた野鳥関連のブログが結構和ませてくれた。

 今回の豪雨・洪水の被害を観るにつけ、災害時のパニックから如何に逃れ平静を保つか考えさせられてしまった。

…という事で、今日のブログは初夏のヤマセミのスパルタ式幼鳥教育の生態を連写でご紹介。
人間のいない対岸に飽きて、人間の生活ゾーン側へ探検に来たい興味津々の幼鳥を「これ以上人間側に言ったら怒るよ!」と言ったか言わないか。これ以上はダーメ!と親鳥が制止する。

しかし、勿論幼鳥は言う事など聴かない。どんどん人間のいる側へ興味を持って飛んでくる。

一緒に来た隣の岩の兄弟と鳴きあって、後ろから親鳥が忍び寄っている事など全然気が付かない。

ハッと気が付いたときには親は真後ろ!これが猛禽類やカラスだったら命に関わる場面。

思わず本能か?反射的にバトルの際と同じで羽を広げてしまったオスの幼鳥。
気の強い母親に威嚇され、思わずのけぞる幼鳥!


そのまま後ろへ逃れるも体勢を崩して・・・。

思わず飛び立てずに水中にドボン!水没してしまう。しかしこれは緊急避難の際は反射的に水中へ逃げるという本能が成す業だったのかもしれない。

親の体当たり(本当に体当たりするのだ)が怖いので、慌てて逃げる!

この後も、幼鳥は母親に怒鳴られ追い立てられ、対岸へ逃げて行くのだった。この場面が縄張り争いでは無いと知ったのはずいぶん観察を続けてからだった。

初夏の球磨川は暫らくこうしたヤマセミ幼鳥のスパルタ教育が続く。