2022年8月14日日曜日

ブログ開始から10年目に入って団塊世代が考える写真撮影について・・#7。 After 10 years since this blog started , baby boomers think about photography again #7.

 野鳥撮影の場合 その1.

 今朝5時半! 台風去って、朝陽が射したが、西の方には虹、まだ雨が降っている。台風一過とはならない様だ。真上を抜けて行った割に大した影響もなく風台風というより雨台風だった。

まだ茨城沖に居るんだろうか?

朝陽の反対側に虹の一部が・・。

 昨日までの続き・・。

 今までは、普通の「被写体」対象の一般的な考え方で。被写体を筆者が熱中してきた「野鳥」に限定しない撮影に関して述べてきた。

 この先はこのWEBサイトのメインであるヤマセミには決して限定しないが「野鳥全般」に関しての撮影について述べてみたい。あくまで筆者個人的な思いや考えなので「それは違う!」と思いの方も多いだろう、当然だ。

 そういう方は是非ご自分で立ち上げたブログなり巷に氾濫するSNSで情報発信をしていただければと思う。

 最近、苦労してまとめた他人の情報発信内容に単に短い反対意見や水を差すような1~2行のコメントで反応する行為が非常に問題になっているようだが筆者もあまり好きではない。

 本サイトの基本的理念にも通ずる私の野鳥撮影に関する姿勢だが、人より多くの野鳥を撮影したい、あるいは他の人がまだあまり撮影できていない珍しい野鳥を撮影したい・・・という多くの野鳥撮影ファンが優越感を感じたり自慢なさる願望系は殆どと言って良いほど筆者には無い。「皆観て観て!この野鳥こんなことするんだ!面白いよねぇ?」が狙いだ。


 基本的に前にも述べたとおり、野鳥は航空機と同じで、空を飛んでいる時が一番美しいと思っている。その他採餌の為の行動、野鳥の野生生活の中での動きやしぐさが魅力的だと考えているので、ただ木々に留まっている野鳥の姿を撮影した画像だけでは納得できない。
火の鳥と言われ人気のアカショウビンも木の枝留まりはもちろん撮るが・・。

むしろ、無人自動撮影で営巣中の給餌の様子や

育雛の様子。自動設置ホームビデオで5時間撮影。

更には巣立ちの瞬間を観察するための画像・映像収録などが重要。(自動撮影)

 当然、野鳥の生態の一瞬を撮影し、その行動の背景・意味を撮影後PCで拡大したり連写の前後の画像からその野鳥の生態や生活を分析するのが楽しいのだから、綺麗な画像を収録する事や、珍しい希少野鳥を撮影するより、意味の有る珍しい瞬間を切り取る方が遥かに重要だと思っている。

 だから良く野鳥撮影愛好家の皆さんがご自分の撮影した野鳥の画像を、ノートリ(=ノートリミングの意、鳥がいないという意味ではない)などと自慢される画像にはまったく興味が無いし凄いとも思わない。

 ノートリの意味は、其れだけ近くに写せる高価なカメラ機材を持っている・・と言う自慢か、其れだけ被写体の傍に寄れたぞ・・という自慢以外の何ものでもない。

 高速で不規則に飛ぶ野鳥を画面の真ん中にジャストピントでノートリで捕えた画像が撮れたとしても、喜ぶのは当然だろうが、決して自慢する事ではないと思う。毎回必ずそれが出来るのであれば話は別だが・・・。

 
 野鳥の撮影をし始めた当初は、近所の野川(国分寺の日立の研究所の池を水源として国分寺ハケ線と言われる多摩川の河岸段丘から湧く地下水を集めて下り、二子玉川で多摩川に合流する1級河川)に行けば必ず居るカワセミを撮るのが恒例になっていた。

 川の草木に留まっている姿や、ホバリングの最中羽ばたきながらも空中停止している姿を捉えて喜んでいたが、すぐに飽きて狭い水路を高速で飛ぶ姿を何とか撮ろうと努力した。しかしこれが成功するまでには相当な鍛錬と努力の時間が必要だった。

 もちろん折りたたみイスに座って三脚にカメラを乗せて、いつ来るか分からないカワセミを待つ!などという悠長な事はしない。デイパックに飲料水や食料、救急薬品などを入れてトレッキングシューズで土手を歩き回るのだ。1日1万~2万歩歩くのが普通だ。

 距離にして7~14㎞に相当する。これだけではないが昨年11月からスマホの歩数計実績を見たら先月7月まで9か月間連続で1日平均1万歩オーバーが記録されていた。

 勿論毎日平均的に歩いているわけではなく、1000歩の日もあれば2万歩を越える日もある。それは探鳥の成果に比例しているような気もする。ガラケーの端末時代にはあまり気にしなかったが、昨年6月に替えたスマホの機能は健康データが自動的に記録されていて重宝している。

 1月30万㎞として9か月で270㎞オーバー。三鷹の自宅から徒歩で東海道でいえば豊橋、日本海側でいえば上越市つまり糸魚川までテクテク歩いた事に成る。これは決して健脚を自慢している訳ではない、野鳥を撮影するには「足で稼がないと・・。」という事を言いたいのだ。これだけ歩いて自分で遭遇を目指すのが野鳥撮影のまず最初の楽しみと言いたい。

 最初から目の前に目指す野鳥が居てしまってはあまりに楽しみが無いだろう?それでは動物園に行くのとほとんど変わらない。

 野鳥に出遭うまでのプロセスはまずこういった歩きが大事という感じだ・・・。

 次に、基本的に野鳥を撮るには明るい望遠レンズ、其れも焦点距離の長い(=倍率の高い)超望遠レンズでしか撮影できないと思い込んでいた。繰り返すが、これが間違っている事に気が付くのに1年ほど掛かった。

 だから、OLYMPUSの様なフォーサーズ系のカメラ(望遠レンズが倍の焦点距離になる・500mmだと1000mm相当になる)あるいはAPSーC系だとCANONの場合1.6倍になる(500mm=800mm相当)メリットだからこれらが必須の機材だと思い込んでいた。多少重たくても我慢して

しかし・・・

 焦点距離が長ければ長いほど留まっている野鳥の姿は大きくは写るが、被写体の野鳥が画面にちゃんと入るまで時間が掛かる、AF(=オートフォーカス・自動ピント合わせ機能)が焦点を合わすのに時間が掛かる。木々の間から向こうの空が見え隠れする背景だとAFが迷っていつまでもピントが合わない場合が有る。

 カワセミが水面を高速で飛ぶ姿を映すにはまるで適さない、これらの勘違いが大きく自分の前に立ちはだかって邪魔をしていたのに気が付いた。これに半年!。

 気合入れてカメラとレンズで4kg以上を右手1本(両手でも撮るが)で取り回したおかげで還暦を越えた筆者は、早々に上腕骨外側上顆炎(テニスエルボー)になってしまった。 

2006年自宅そばの野川で手持ちで撮影した最初のカワセミの飛翔、右端にちょっと。
フォーサーズ・200mm(実効400mm)
 
7年後、2013年同じ野川で撮影したカワセミの飛翔。
 
同日、ダイブの瞬間追い写しフルサイズ500mmZOOM
 
2006年から7年間の間にOLYMPUS Eシリーズ、Canon 7D、
Canon5D‐MarkⅢと変わったが、機材の変化と同様撮影の訓練・技量
も変化し続けた。