2015年12月21日月曜日

コウライアイサの観察 その4 危険を察して飛去。 Observation of the Scaly-sided merganser Part3. Sensing the danger flying away.

 コウライアイサの観察レポートも最終回。今日は背後の危機を察知しての飛び立ちのシーン。このシーンの撮影12月4日が結局最後の撮影になった。翌日も午前中3時間ほど観察したが、ヤマセミやハイタカを観察できたのみだった。3羽のコウライアイサはそれまでの観察エリア数箇所には発見できなかった。

 画像を見る限り3羽のうち一羽が、少し前から背後を気にしたり、その場全体に流れる気配を気にしている様子が見て取れる。数日前から2~3kmに及ぶ滞在エリアを周回する観察・撮影者の車や人を気にしている様子は判っていたが、その都度コウライアイサは土手の道路上からは見えず、誰も気が付かないエリアに逃げ込んでいた。

 この飛去シーンも筆者の撮影位置からは斜め正面にあたり、背後の人の気配に飛び立ってこちらへ飛んでくる場面を撮影したもの。まさにこのままいなくなってしまった。知る限りではその後、地元の方々の目撃情報が無いのでちょうど滞在期間の最後だったのかもしれない。勿論まだいてくれて越冬でもしてくれると嬉しいのだが・・・。
周りを少し前から非常に気にしている右の個体。ひょっとすると今年生まれた左の二羽の子供なのか?観察をしていると3羽でいるときも少し別行動であったり、少し離れていたりする。昨日アップした追いかけ行動の際もこの個体はどこかに離れている。

右の警戒中の雌と思われる一羽がいきなり飛び出した。危険を察知した方向とは当然逆の方向だろう。したがって背後に何かを感じたのだと思う。

飛び出しは、カイツブリや他の鴨類と同じだ。

それを視た雄が少し遅れてまず行動を開始。

1秒ほど置いて3羽一緒に飛び立った。

少し拡大すると他のカモ類に比べて、水中に隠れている部分が多い様な気もする。

主翼の付け根の白い部分が非常に綺麗な野鳥だ。

オスの若鳥と思われる飛翔画像

コウライアイサ雌と思われるこの画像が、今回最後のカットになった。なお今回も高解像度の画像はFacebookの文化人類学アート専攻科のグループにおいて公開する予定。

 11月末から、ヤマセミ観察撮影の副産物として遭遇できた珍鳥コウライアイサだったが、これで今年は球磨川流域で初めて遭遇できた野鳥がいつもの年より随分多い。これは不順な天候のせいだろうか?地球温暖化のせいだろうか? オオハクチョウ、コウライアイサ、ハイイロチュウヒなどなどいつもは視られない野鳥が球磨川流域で視られるようになっているが、そのうちペンギンなどが川を遡上してこないとも限らないような雰囲気だ。

 全国で野鳥の白化個体があちこちで報道されている。2年前球磨川支流でシジュウカラの白化個体を発見してこのブログ上で紹介したが、それ以降増えているような気がしてしょうがない。福島原発事故で拡散した放射線の影響でない事を祈るばかり。

 明日以降、年末年始にかけてはブログ更新は非常に不定期になる事をお許し頂きたい。